リュード、少女を助ける
パーティを追い出されたリュードはプラプラと街中を歩いていた。
行く先の宛はない。
流石にこの数時間でパーティを追い出されることになったのは傷ついたのだ。
ラスタたちのいる宿には当然戻らない。
しかし冒険者としての活動を今からする気にもなれない。
何か気分転換をしたいが何も思いつかない。
胸に剣が刺さっているような気分だった。
もう何も考えられないような思いだった。
ラスタたちはリュードの役割を全く聞かずに
リュードを一方的に追い出した。
リュードの役割が分かりづらいというのは事実かもしれない。
アサシンというジョブが英雄に似合わないというのも言いたいことはわかる。
しかしそれだからと言って今まで一切相談せずにいきなり追放するのは違うだろう。
アサシンなのにアサシンされてしまった。
上手いことを言っている場合ではない。
これからどうしようかと考えながらリュードは歩いていた。
するとどこかからか怒号が聞こえてきた。
「おらあ!俺様にぶつかっておいて謝罪一つで済むと思ってるのかぁ?!」
大男が少女を脅している場面に出くわしたのだった。
大男は見るからに荒くれものというような風貌をしている。
そして少女はどこかのお嬢様なのか、気品のあるように感じられる。
顔こそ見えないが、輝くような金髪も彼女に気品を引き立たせていた。
しかし。少女も大男にあまり物怖じしていないようだ
「少しぶつかっただけじゃないですか。
というかお兄さんが自分からぶつかってきたんですよね
それとも二回謝罪すれば許してくれるんですか?」
なかなかパンチのきいたセリフだ。
しかしこれでは大男が黙っていないだろう。
「二回も謝られたら許しちゃうよなあ~~ってなるか!
金を出せよ。お・か・ね!!!!」
拳をパキパキと鳴らしながら少女を脅しているのだった。
大男は少女相手にカツアゲをしているのだった。
流石に他人事とは言え、リュードには見逃せなかった。
お金関係のトラブルはついさっきリュード自身が被ったばかりだった。
関係ないとはいえ、目の前で不幸が生まれるのは見過ごせなかったのだ。
リュードは大男と少女の間に割って入った。
「そのぐらいにしておけよ。少しぶつかっただけという話なんだろう?」
「ああ?誰だお前は。俺らの問題なんだから関わってくるんじゃねえよ」
「そういうわけにはいかない。
こんな少女を脅している場面を見過ごせるわけがないだろう?」
「ああ?この女がぶつかったのが悪いって話なんだよ!
俺はこいつに詫びを入れさせているだけだ。
それと俺が脅しているっていうのは聞こえが悪いよなあお前!
お前も俺に謝れよ。今謝るなら許してやるぜ?」
「本当にこの女の子が自分からぶつかってきたというのなら謝るよ。
しかしお前は図体がでかいから
大方少女に気づかないうちにぶつかったというだけじゃないのか」
「ぐっ!うるせええええ!俺が言うことは全て正しいんだよ!口答えするな!」
大男は拳をリュードに振り下ろしてきた。
リュードはお男の拳をやすやすとかわして見せる。
そしてリュードは大男の後ろに一瞬にして移動して見せた。
「それは俺に喧嘩を売っているということか?それなら買うが、どうする?」
大男はこの瞬間にリュードとの強さの差を思い知った。
リュードは一瞬にして背後を取って見せたのだ。
喧嘩を売っても勝てるわけがない。
「チッ!覚えていろよおまえら!」
理解した大男は捨て台詞を吐いて去っていくのだった。
リュードは大男が逃げていくのを見届けていた。
すると少女はリュードにお礼を言いたいのか、リュードに話しかけた。
「お兄さん、私を守ってくださりありがとうございました。助かりました」
「いいよ、大したことじゃないさ。俺も思うところはあったからさ」
「そうだ、お礼をしないといけませんわ。もしよろしければ昼食はいかがですか?ご馳走しますわ」
「いいのか?それならせっかくならいただこうかな。よろしく頼む」
リュードは自分のような思いをしてほしくないと思い、少女を助けた。
リュードにそれ以上の大仰な思いはなかった。
しかしこの少女、ただの町娘ではなかったのだ。
この人助けをきっかけにリュードは人生を一変させることになる。
次回は明日の朝に投稿する予定です。
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