プロローグ
寒い時期になった。
最初は世界を救うための旅と思っていた。俺はこの旅の最後にはきっと世界から感謝が待っており、人々からは讃えられ、英雄として崇められ、奉られると思っていた。
でも、この旅はそんな大それたものじゃなく、俺が一番欲しいものを手に入れるだけの旅だった。
気づいたらそこには霧が立ち込めいた。周りが見えないほどの濃霧だった。男は現状を把握できずに、動けないでいた。しばらく待っても霧が晴れる気配がなかったので、男は我慢できずに足を動かして一歩前にでた。途端、当たりに立ち込めいた霧が徐々に霧散しだした。
霧の隙間から太陽の光が差し込み、地面に花が咲いていることに気づいた。男はさらに一歩一歩と足を進めた。次第に視界が明け男は自分が置かれている状況を把握した。男は足を止め周りを見渡した。周りにはたくさんの木々が生えており、木漏れ日が地面と男の顔に差し込んでいる。霧はまだ足のほうに立ち込めているが、それでもさっきの濃霧が嘘のような気持ちのいい森であった。男は深呼吸をし、再び歩き出した。自らの使命を全うするために。
読んでくれてありがとうございます。最初ということでプロローグだけ書きました。