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イチュア讃歌 第七章

 七日八晩の神々の嘆きが終わった。しかし未だに神の世界にも、地上においても悲しみに包まれていた。神々に寵愛されし者、地上において最も神聖なるもの、偉大な戦士フュヤの死に、人々は涙を流し続けた。

 イチュア、フュヤの夫、力強き王は、怒りと悲しみに嘆きの間も叫び続け、王室で寝る間も惜しんで暴れ続けた。それを見続けた廷臣たちは、王の心に理解を示しつつも、王の痴態を呆れ始めた。

「おお、王よ。もうその怒りを収められよ。拳が血に塗れ、その顔には憤怒と悲哀が溢れている。それは王の姿ではない」

 廷臣の問いかけに、イチュアは声を荒げる。

「お前の配偶者が殺された時、それを己に言うがいい!!」

 イチュアの叫びは、王室を震わせ、廷臣たちを跪かせた。そして誰も、彼を諫めなくなった。しかしそんな中、王室に雷と風が舞い込んだ。それは王すらも畏敬を覚える神の光。それは王すらも跪かせる神の姿。それは怒れる王すらも鎮める神の声。

「イチュアよ、フュヤ、偉大な戦士の配偶者、聖なる国を治める王よ。我が声を聞け。私は汝と怒りを共にする者!私は汝と敵を共にする者!」

「おお、貴方は神アグルド!!戦の神!無敵の戦士!どうか、わが願いを聞き給え!」

「イチュアよ、神の敬虔な従者よ、神の言葉を世に伝えし者よ。我が声を聞け。私は汝と願いを共にする者!」

 アグルド、力の神、逞しき神、クシャヌの戦士は、その四つの腕から、それぞれ光を放つ。光は、イチュアの手の中で一つになり、神の光輝は形を成した。

「それは私の力、それは神の兵器、この地上において最も恐るべき刃。それを用いて、我らが仇敵、猿の王、神に歯向かった者、我の現身たるフュヤを殺した者、ヌビウスを殺せ」

 アグルドから武器を授かり、イチュアの顔には生気が戻る。イチュアの身体には力が宿る。神の光輝により、彼は無敵の戦士となった。

 彼は廷臣に言葉を残すと、彼は自らの部屋に戻る。鎧を纏い、剣を磨いて、弓を張る。

 支度を終えると、急いで城の外に出て、愛馬に跨る。

 イチュア、偉大な王、神の兵器を振るう英雄は、馬を駆り、猿王ヌビウスの元へと急いだ。




『イチュア讃歌 第七章より』

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