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絆と軛 最終節

 一辺に十名は座れるであろう巨大な正方形の机が中央に堂々とあってなお、未だ余白を多数残すほどの広大な部屋。しかしその部屋には、扉から最も遠い座席にたった一人の老齢の男だけが座っていた。

「戻ったか、アース」

 彼が顔を上げると同時に、部屋相当に巨大な扉が音を上げて開く。

「アムゥ様、ただいま戻りました」

 聖騎士隊第一部隊隊長にして、<ユヴァート>最強の魔剣士。エネテヤとの戦いで負った怪我は、殆ど回復しており、その痕跡すら残っていなかった。彼女は部屋に入って一礼したのち、一番手前の座席の前で立ち止まった。

「座れ。今後の方針を聞こうか」

 彼の言葉に従い、アースは目の前の座席に腰かける。

「は。タナーシャと共に逃走しているヴァラムとバルーの両名ですが、どちらも親族は確認できませんでした。また二人とも孤児、タナーシャを指名手配にかけるわけにはいきませんが、一方で残りの二人についても、出自が出自ですので、架空の罪を捏造しても、報道機関が不審を露にしかねません。最早我々に敵対する報道機関はありませんが……」

「報道を統制していると思われるのは、我々政府に対する不信感の第一歩だ。だからこそ、我々は民衆の報道に対する不信を先に煽ったんだ。多少のことなら適当な説明で騙し通せるが、国家反逆罪のような事例は、独裁国家の歴史を想起させるだろうからな。特に相手は孤児だ。人権派が黙っていないだろう」

 アムゥは机の上の書類を眺めながら、アースとやり取りを交わしている。

「なので、彼らの乗っている飛空艇を、違法製造武器として取り締まるのが適切かと。そうであれば治安維持目的の第二部隊を動かすことに、誰も疑いの目を持たないでしょう。ヴァラムとバルーではなく、不認可の戦闘艇を追っていると、報道には説明します」

 書類を確認する手を止め、アムゥは自身の直属の部下とここで始めて目を合わせた。

「良い手だ。物見の塔の力を借りよう。報告通りの大きさなら、航跡を辿るのは難しくないだろう。実行に移れ」

 アムゥはそう言うと、再び視線を書類へと戻す。アースもそれを見て、席を立ち、入ってきた時と同じように礼をして、その部屋を後にした。

 扉を出た先には、第一部隊の副隊長であるシヴィが立っていた。

「それで?次の作戦はどのように、隊長?」

 皮肉を込めた言い回しで、アースに睨みを飛ばすシヴィ。

「はは、怖いよ、シヴィ。君の古巣の第二部隊と一緒に仕事をすることになった。喜んでくれてもいいんじゃないかい?」

 その言葉に反応するように、シヴィの瞳には青い光が走った。魔力の励起、感情の奔流、破壊衝動の発露、あるいはより単純に、殺意。たったその視線だけで常人であれば魂を手放しかねないほどの怒りを、その一身に浴びたアースは、いつもの飄々とした表情を消し、内側から魔剣士たる本性を浮かび上がらせた。

「シヴィ、私が君を評価しているのは、難易度の高い雷系魔術を自在に使いこなすその技能や、巧みな魔剣捌きだけではない。その鋭い表情だ。溢れ出んばかりの感情を、目的達成のための熱量に変える集中力だ。私が君に、こうして牙を向けられても斬り殺さない理由は、その牙が丸くなっては困るからだが……。時折思うんだよ。君への教育方針、もしかしたら間違ってるんじゃないかってね」

 アースの声と表情には、感情と呼べるものは感じ取れなかった。だが、その瞳に宿る魔力は、シヴィと互角、いや反抗的な副隊長のそれを凌駕していた。

 その後二人は言葉を交わさず、共に同じ道を歩む。巨大な感情と魔力をぶつけながら。




「力を奪ったって、いやいや、あり得ないだろ。そんなこと、できるわけ、いやできるのか?」

 よく知らないためか、ヴァラムは三人の表情をそれぞれ何度も伺い直している。

「アムゥ、いや<ユヴァート>の技術は計り知れない。門の神が管理する<神の門(ルムン・ウバム)>を閉じ、外界との接触を禁じていた物見の塔を掌握した。魔術だけじゃない、神の力においても、何らかの未知の技術を所有しているのは間違いないんだ」

 タナーシャの説明はあくまで推論。バルーはにわかには信じられなかったが、しかし聞き流すこともできないことだと直感していた。

「確かめる術は一つ。タナーシャの記憶を取り戻す。それが最も正確で一番手っ取り早い道だ」

 バルーの提案に、しかしタナーシャはすぐに同意することができなかった。

「いや、しかし……、危険な旅になるぞ。今までは単なる逃避行、だがこれからは……」

 <ユヴァート>との戦いになる。言わずとも三人は、バルーの提案の意味を理解していた。

「前にも言っただろ。全部背負うって」

 ヴァラムの言葉にバルーは自身も同じ意思であることを示すように頷く。しかしタナーシャは未だかはっきりと二人の覚悟に答えることができなかった。

 するとそれを見ていたヤムニーヴァが懐から手帳を取り出す。

「でしたら、これは私ではなく皆さんが持っていた方が役立つでしょうな」

 研究者の手帳を、彼は三人の方へと差し出す。

「この手帳って、他の神居についても書いているんだよな」

 ヴァラムがそれを受け取り、ぱらぱらと頁をめくる。

「ほら、ここ、他の神居の情報がある。しかも神聖晶があるかどうかも書いてるぞ。ここから一番近い場所だと……<オーシヴ>だな、海の近くで、海鮮料理が豊かな場所だ」

 ヴァラムは研究者の手帳をパラパラとめくっていた。他に何か手掛かりはないか、いやより正確に言えば、タナーシャを安堵させる要素を探してのことだった。彼は勿論この戦いの前に、この手帳のこと、そしてその研究者の話は聞いていたが、しかしあくまでそれはこの戦いに必要な前知識に留めていた。だから、例えば、その研究者はどんな見た目だったか、例えば、この手帳の持ち主の名前は一体何か、そういった不必要だとヤムニーヴァとバルーが判断した情報については、一切聞き及んでいなかった。

「……」

 だからこそ、彼は今、この手帳のある頁に書かれた言葉に驚きを隠せなかった。タナーシャを落ち着けるという目的すら忘れるほどに、完全に動揺していた。

「なぁ、ヤムニーヴァさん。その研究者って、褐色の肌で、白髪で、肌に文字の刺青がありませんでした?」

 ヴァラムの突然の言葉に、ヤムニーヴァとバルーが目を丸くしていた。そのことはヴァラムに話していなかったにもかかわらず、彼は正確に研究者の容姿を言い当てたのだ。

「この手帳、よく見ると研究者の名前が書いてあった。ヤムニーヴァさんはこの研究書を随分読み込んでいたんですし、知っていますよね?」

「え、ええ……。彼女は私と話していたとき、名乗りはしませんでしたので確証はありませんが、その研究書には確かに、持ち主の名が書かれていました。ウィーナ、珍しい名前なのでよく覚えています」

 その名前を聞いて、ヴァラムの言動を理解できていなかったバルーも息を呑んだ。

「まさか、ヴァラム」

「ああ、ウィーナ、俺と同じ白い髪に褐色の肌、それに全身にある文字の刺青、おぼろげな記憶ではあるけど、どれも俺の母親と一致しているんだよ」

 それを聞いて、残りの二人も同じく言葉を失った。

「まぁ、まさか、神居の研究者だったとは知らなかったけどさ。けど、これで一つ分かったことがある。タナーシャ、お前の旅は、俺の旅でもある。いや、今までもそうだったけどさ。俺にも、俺のための理由ができたんだよ。だからタナーシャがそんな顔をする必要は無いんだよ」

 ヴァラムがタナーシャの肩を柔らかく叩く。それに鼓舞されるかのように、彼女の表情は徐々に明るさを取り戻していった。

「嘘、ではないんだな?」

「馬鹿言え。俺が嘘下手なの、よく知ってるだろ」

 にこりと笑う彼に、釣られて他の三人も微笑みを返してしまう。

「僕もヴァルの両親が見つかることを願ってる。だから、この戦いは決して、誰かにとって無駄で無益なものにはならない」

 無論、この場にいる人間の誰もが、仮に自身に無益なことであっても、それが目の前の誰かを助けるためであるならば、省みずに動くであろう。だがここではそれを言葉にすることが重要であることを、誰もが直感していた。

「ありがとう。私は君たちと出会えてよかった」

 直截な謝辞に、少しヴァラムは照れ臭くなったためか、数回鼻をこすっていた。



 その後三人は神居の階段を降りながら、激戦の労いを互いにしていた。しかし第一階層の階段を降りきった際に、ヴァラムがふとこのようなことを口にした。

「なぁ、そいや、魔獣たちってどうなったんだろうな」

 彼は特に何か重要な問題を提示するつもりはなかった。街の人の安否を気遣う一環で、ただポロリと飛び出ただけの言葉だった。

「街の人がしっかり逃げきれていれば、森の中で散らばってはいるだろうな。かなり巨大な魔獣もいたが、まああの大きさは、神居の外じゃ制御しきれないだろうな。活動に必要な魔力が枯渇して、そのうち霧散するんじゃないかな」

「うん、でもそうなると戻ってくるんじゃないか?ほら、神居の外ってまだ多少魔力が残ってるだろ」

 その言葉を聞いて、バルーとヤムニーヴァの頭に電流が走る。ヴァラムの推測は正しい。魔獣は魔力を求め続けるモノ。であれば目の前の獲物を失った魔物たちは、この森の中で一番の魔力地帯に向かうことになる。つまり

「それじゃあ、神居の前に、飛び出した魔獣が大量に待ち構えているということじゃ……」

 バルーの言葉に、全員が足を止めた。しかしその先頭を歩いていたタナーシャは、後ろを少し振り返って、にやりと笑った後、一人で歩み始めてしまった。

「ま、待てタナーシャ、門を開けると大量の魔獣が……」

「心配するな、ヴァラム。私に任せろ」

 そう言って今度は振り返りもせずに、扉の方へと歩みよる。

 扉は挑戦者の帰還を悟り、同じく自動で開いた。その先には想像通り、無数の赤い瞳。獲物が現れたためか、あるいは帰るべき巣への門が開け放たれたためか、その魔獣の軍勢は一斉にタナーシャのもとへと襲い掛かる。だがタナーシャは一切それを防ごうとも、避けようともせず、ただじっと立ちながら、口だけを動かした。

「<トゥーム、彼の座す(ガストゥフ )霊峰よ(シュウッファスス)汝の許しなく(マ・イン )大地を歩むシュウンヘッエトゥ・リ罪人に(タ・パシュウンヒフ)その心より(フェアン )出でし(フッベス)劫火を浴びせよ(トゥフウピトゥ)>」

 それは単なる神語の朗読ではない。この場にいる誰もが、巻き起こった強力な神気の渦を見て、それが神術であることを理解できた。巫による力の行使、地上における神の代行、その威風は本来恐れを知らぬ存在であるはずの魔獣すら足を止めてしまうほど。

 恐怖、あるいは畏敬に支配されたその空間は、まるで時間が制したかのように誰もが動かなかった。しかしその静寂は、突如魔獣たちの足元より湧き上がった赤光の柱によってかき消された。大地を流れる星の血液にして、星が生命であることを知らしめる証拠である神の炎は、地震の如き轟音を響かせながら、魔獣の群れを焼き払った。

 眼前に繰り広げられた光景にも関わらず、しかしその炎熱が、タナーシャより後ろに呆然と立つ仲間を焦がすことはなかった。灼熱の岩漿は、魔獣の雄たけびと悲鳴と共に、大地へと消えていった。驚くことにこれほどの炎の中でなお、樹木は一本たりとも焦げておらず、また大地は何事も無かったように、草花を優しく支えていた。

「さぁ、帰ろう。<フュヌター>へ」

 意外にも、あれほどの力の行使にも関わらず、この場にいる誰も、タナーシャへ恐怖を感じなかった。ただただ圧倒されていた。一方で一人だけ全く異なる感情を抱く者がいた。ヴァラムは目の前の魔獣が一匹残らず消えたはずなのに、不安が増し続けていたのだ。これほどの神気を彼は一度経験したことがある。それはエネテヤとアースの戦いの時に見た光の鞭。彼は生来の魔力の低さ故に、誰よりも大いなる力に対し畏怖を抱く。だが今回は全く体が竦まなかったのは、その経験故だった。

 だからこそ、その感情の正体に気づけば気づくほど、彼の不安は増していく。これほどの力ですら、倒せなかったアースとは、一体どれほどの魔剣士なのかと。

 



 四人が<フュヌター>に帰還すると、突如拍手喝采が響き渡った。この街の人々が彼ら英雄の帰還を心待ちにしていた。

「皆、息災であったか!?」

 ヤムニーヴァが街の人々へと駆けよる。

「ええ、軽い怪我を負ったものはいますが、支障をきたすほどの重傷者はおりませんよ。これも君たちのお陰です」

 彼の質問に答えたのは、ヤムニーヴァと同じく竜型の遷者ではあるが、翼が無く、僅かに彼より体格の大きい女性であった。朱色の鱗は木々より零れる月明かりを受け、艶やかに光っていた。


 その後<フュヌター>の人々に今回の出来事の顛末が、ヤムニーヴァから語られた。とはいえ既に寝静まっていてもおかしくない時間のためか、先程ヤムニーヴァと話していた女性が労いも兼ねて、帰って休むように提案したので、必要最低限の説明で終わった。

 ヤムニーヴァの家に着くと、タナーシャは疲れからかすぐに寝台で眠りにつき、ヴァラムは機械腕の修理のため、彼の家の納屋へと潜り込んでいた。残された二人は、居間の中で温かい茶を飲んでいた。

「上手く行って良かった。正直神居攻略は、本気のタナーシャがどれほどの力かに全てが掛かっていた。予想通り、いや予想以上だったよ」

「いえいえ、謙遜なさるな。全てはバルー君、君の巧みな妙案のお陰です。もし第一階層で魔獣に手こずっていたら、万全の状態でタナーシャ様を第三階層へ送り届けることは不可能だった。それに……」

 ヤムニーヴァは、コップの中に入った茶に反射した自分の表情を見ていた。彼自身すら驚くほどに、彼の顔は非常に柔らかであった。

「君は、私に歩む機会をくれた。これほど短い期間だったというのに、私が今この街で置かれている、いや私の人生の状況をよく理解できたものだ。君がいなければ、私がああして、人々の前で危険を伝え、行動を訴えることは不可能だった」

「違うんです。僕はむしろ……」

「わかっていますよ。君があれを困難と呼んだことが何よりの証拠だ。だが人は時に、欲しい物より必要な物を選ぶべきだ。そして今回の一件は、まさに私に最も必要な物だった。私は目の前で、誰かを失うことを恐れていた。だから敵などいないはずのこの街でもなお、一人でこんな奥地に籠り続けた。そんな殻を破ったのは他でもない、君の言葉のおかげだ」

 しかしバルーは浮かない顔を続けていた。沈黙を貫く彼に変わり、ヤムニーヴァが再び口を開く。

「正直に言えば、私は君を信用していませんでした。貴方はずっと本当の自分を隠し続けていた。それは今もです。だがこの戦いを通じ、君は間違いなく正義漢であることを実感できた。優しく、そして強い人間だと。そして気づいたのです。君の境遇は私に似ている。生きるために、自分を守るために、『偽りの自己』という名の殻を作る必要があった。それは決して他者を傷つけるため、騙すための振る舞いではない。だからこそ、今度は私が貴方の背中を押しましょう。貴方が望む物ではなく、必要とする物を手に入れるために」

 ヤムニーヴァは立ち上がると、戸棚から通常の人間の拳ほどの大きさの褐色の石を取り出し、それをバルーの目の前に置いた。

「この宝石は普段はこの通り、光すら通さぬ濁った茶色をしていますが、強い魔力が当たると、光を受けて見事に赤く発光するのです。故に、この宝石は、『隠された自分自身』を意味する。遷者であった妻と、我々家族が、自分という個性を隠さずに暮らせる日を願って、妻に送った宝石です。しかし、今この宝石が誰より必要なのは、貴方だ」

 その宝石にまつわる背景を耳にして、流石のバルーも同様が隠せなかった。だが彼は逡巡の後に、その宝石を手に取った。ヤムニーヴァの瞳は、有無を言わせぬ力を秘めていたからだ。

「わかりました。ですが、必ずこの宝石は貴方に返します。僕が、本当に必要な自分を見つけた時、必ず」

 彼は両手でその宝玉を強く握りしめた。未だ答えは出せない。しかし指の隙間から僅かに漏れ出た赤い光は、彼の未来を象徴するかのようであった。




 次の日の朝、ヴァラムら四人は、この街の玄関口付近に立っていた。

「さ、買い出しも済ませた。魔力瓶も買い漁った!次は臨海都市<オーシヴ>!俺の母の研究の足跡をたどり、そしてタナーシャの記憶と力を取り戻す!」

 快活な口ぶりで、皆を鼓舞するヴァラム。しかしそれは惜別の裏返しであった。

「寂しくなります。たった一日だったが、まるで長い旅を共に過ごしたようだ。いえ、貴方達にとって、これはあくまでその一部に過ぎないのでしょうが」

 ヤムニーヴァの口にした言葉に、思わずヴァラムは押し込んでいた感情を表にしてしまう。バルーもまた俯いて、その表情を悟られないようにしている。

「ヤムニーヴァ、重要なのは時間の長さではない。例え同じ旅路を辿らずとも、我々の心は常に一つなのだ。三つの星がかつて一つであったように、我々は皆、同じ根を持つ一つの存在。この宇宙に生きとし生けるものは、全てが絆で繋がっている」

 ヤムニーヴァの三分の一程度の大きさしかないタナーシャではあったが、彼女の世界観は年齢相応に達観し、成熟していた。ヤムニーヴァは彼女の激励によって、僅かに笑みを漏らす。

「ええ、私、いえ我々の魂は、貴方の旅路と共に。貴方たちが栄光を掴み取ることをお祈りしております」

 ヤムニーヴァが胸を叩き、敬意を示す。

「では、またお会いしましょう。お三方ともお気をつけて」

 三人は再び歩み始めた。しかしこれは最早逃避行ではない。

 確固たる目的を持ち、運命を認識し、真実を求める者たちの、覚悟の戦いである。

 奇遇にも、彼らは皆一様にこの戦いに参加する事由を有していた。

 それが神のもたらす合縁か、悪魔の紡いだ奇縁かはわからない。

 しかし彼ら三人を繋ぐものは、力による支配でも、自由を放棄した妄信でもない、

 ただ不義を許さず、苦痛を理解し、そして幸福を祈りあう、つまり絆こそが彼らを強く結びつけるのだ。

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