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32話



食べ終わった二人をお風呂に入れる。

ついでに自分も一緒に入ろう、どうせ濡れるし。


さっさと服を脱いで、二人にも脱ぐようにいう。

とはいってもエルに関しては被っていた布を取ったので裸も同然だが、ごねたのはアル。

まぁ、これくらいの歳の男の子って照れ始めてるのよね〜、容赦しないけど。


エルと一緒にアルの服をひん剥く・・・。

ん?あれ?


「アルくんって女の子だったんだ。シャドウも兄って言ってて、アルくん自身もオレって言ってたからてっきり男の子かと」


「・・・どっちでもない」


「ん?」


「まだ、決まってない。・・・って父さんが言ってた。もうすこし大きくなったらどっちかに決まるって・・・。あと、名前、呼び捨てでいい」


おう、それは無性ということか。

はぁ、ファンタジーですね。そっかそっか。


「それは選択肢がいろいろあっていいねぇ。あ、自分のことはミツルって呼んでね。

お姉さんでもいいぞー」


男の子だから、女の子だからっていうのがないってことか。

世の中、みーんな最初は無性で生まれれば性差の差別って少なくなるだろうにねぇ。

まぁ、無性は無性で自分にはわからない大変さがあるんだろうけれど。


アルの頭をよしよしと撫でれば、自分もーっという感じでエルが頭を擦り付けてくるのでよしよしと撫でる。子供は可愛いね。


「さて、お風呂入っちゃいましょー!」


二人を連れて、浴室に入り、まずは体を洗う。

おおぅ、黒い、泡が立ちづらい上に黒い。

何回か繰り返し洗う、エルの方が汚れが先に落ちたのでお湯に浸からせて、汚れの激しいアルを重点的に洗う。


「目はしっかりとじてろよ〜、目に泡が入ったら痛いぞー」


最初のような抵抗はなくされるがままのアル。

ところどころ怪我の跡があるので、この小さい体で頑張ってきたのだろう。

しばらく洗い続けるとようやく汚れが落ちたのでエルと一緒にお湯につけようとしたら


「あ、あれ?エル??」


お湯につけようとしたら気持ちよさそうにお湯につかっている幼い少女の姿。

すこし前までドラゴンの子供だったはずだけど


「それがエルの本当の姿。あれはお腹空いてたり疲れたらなるから」


「あら、そうなんだ。はぁ、不思議だねぇ。ファンタジーだねぇ」


とりあえず、アルもお湯につける

自分も体を洗って、二人の横に失礼して入る。

子供が入るからのぼせすぎないようにお湯はぬるめにしてある。

さらにお風呂は大きめにしてあるので子供二人と入っても余裕余裕。


「お風呂上がったら、甘いもの食べようね。」


「あまいもの?」


「そう、甘いもの」


アルと似ているが顔つきはアルより幼いエルが甘いものという言葉に反応する。


「アル、シャドウがきっと詳しく話を聞いてくると思う。というかもう聞かれた?」


「ううん、まだ 父さんと母さんの種族だけ」


「そっか、あのね。シャドウは怒っているわけではないと思うから、ちゃんと話してあげてね。自分も一緒に話を聞くから。ね?」


「・・・・わかった。」


いい子だね、ありがとうと頭を撫でて、肩までお湯につかってゆっくりしたあと。お風呂を出る。

ドライヤーで髪を乾かして、前髪が長くなってたからヘアピンで前髪を整える。

そういえばと年齢を聞くと、アルが8歳、エルが5歳とのことだ。


二人の手を引いてお風呂から出て、アルの寝ていた部屋に行く。

部屋の邪魔にならないサイズの机もついでに準備していたので二人に座っているように言ってから部屋を出て、一階のお店の方に降りる、と、シャドウが難しい顔をして座っている


「シャドウ、お風呂あがったよ。二人は部屋にいるから一緒に話を聞こう」


「・・・ああ」


歯切れの悪いシャドウのそばに行き、顔を覗き込む


「どうしたの?」


「あの子供の父親は・・・おそらく私の眷属の妖精だ。なぜ、相談をせずこんなことになっているのか・・・」


「うーん・・・何でだろうね。そういえば妖精って、その、死ぬの?」


「ああ、人と伴侶になった妖精は伴侶が死ぬと共に死ぬ。」


「そうなんだ・・・、と、とりあえず事情を聞いてみよう?

ほら、甘いもの作ってあるからそれ食べながらさ、・・・ね?」


「ああ、そうだな。ありがとうミツル」


「お礼を言われることじゃないよ。でも、どういたしまして。

先に部屋に行ってて。すぐに持っていくから」


台所に向かい、作り置きをしてあったゼリーを取り出す。簡単だし量が作れるのでデザートとして出すものの試作も兼ねているものだ。

フルーツ入りのとそう出ないのがあるが今回はフルーツ入り。あと、お風呂上がりなので水分補給として冷たいお茶も。


二階に上がり、部屋の前で佇む。

やばい、両手が塞がってる。と、思ったら部屋の扉が開く。開けてくれたのはシャドウだ。

ありがとうとお礼を言って、部屋の中に入る。


机の上にお盆ごと飲み物とゼリーを置いて、さて、話をする前に先に食べようと声をかけてまずは飲み物を二人に渡す。


「水分補給をしてからね。お風呂に入って汗をかいたでしょ?」


素直に飲んだあと、お茶の入ったカップを受け取って代わりにゼリーとスプーンを手渡す。

もちろんシャドウにも


自分とシャドウがまず一口食べる。うん、フルーツ入りのゼリーは美味しいね。

二人も恐る恐る口に含み、パッと表情が明るくなって、次々と食べる。

シャドウも黙々と食べる。

夜ご飯はお昼用に買ってきたあのお肉をステーキにして丼にしよう。


食べ終わったところで、詳しい話を聞くことにしたのだが・・・。

エルが船を漕ぎだしたので、とりあえずエルはお布団の入れてアルが話してくれることになった。









読んでいただきありがとうございます。(*^^*)

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