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それは運命の出会い、だった
一段と寒く、吐息は直ぐに白く染まるほど寒い、そんな日。
いつも通り、朝起きてご飯を食べて、学校に行って、授業を受けて帰宅する。
そんな日常の帰宅途中、それはあった。
「血…?!」
雪の白が点々とした赤黒いナニカで染まっていた。
血、と脳裏によぎったが、もしかしたら違うのかもしれない、でももしかしたら。
走る。
雪の上は滑りやすいので、転ばないようやや慎重に。
赤黒いナニカの先にいたのはーーとても、美しい少女であった。
そんな場合ではないのに、思わず見惚れてしまう。
純白のドレスに、純白の髪の全身真っ白な少女はこの世の者と思えないほどに浮世離れしていた。
「大丈夫ですか?!」
血の海で倒れ臥す少女を抱き起す。
この寒さと流れた血の量で死んでないのが可笑しいほど、少女は衰弱していた。
救急車を呼ばねばと思ったその時、少女が動いた。
「ね、ぇ…」
「はい!?大丈夫なんですか?大人しくーー」
「貴方の、血を…ちょうだい?」
「ーーえ?」
青年の日常は終わりを告げた。
これは悲劇ではない、これは青年にとっての運命だった。