32話 魔物の大群
「おかえりなさい、ご主人様」
「ただいま、エレナ」
教会に帰って来たユウマとディアは、エレナに迎えられ、教会の中に入って行く。
教会の中を見ると、既にアイン達も集まっており、負傷者を介護していた。
「負傷者の介護はどんな感じだ?」
「もう少しで終わります」
アイン達が介護をしていて、残り数十人で負傷者の手当も終わるだろう。
「それじゃあエレナ達は、このまま負傷者の介護を頼む。俺とディアは、もう少し町を見てくる」
「わかりました。気をつけて下さい」
エレナに負傷者を任せて、ユウマとディアはまだ回りきれてない場所を、散策する。
先程同様、1対1じゃあ魔人族に勝てないので、ユウマとディアは2人で散策する。
「丘の上から見た感じ、魔人族の姿はなかったのじゃが、いると思うか?」
「どうだろうな、まだ隠れてる可能性もある以上、見てみないとな」
2人はその後、1時間かけて町を見て回ったが、魔人族の姿はなく、特に変わったこともなかったので、エレナ達がいる教会に帰る。
「本当に何もなかったな」
「うむ、そうじゃの。このまま何もなかったらよいのじゃが………」
2人は話しながら帰っていると、教会から煙が上がっていのが見える。
「おいおい、マジかよ!」
「早く行くのじゃ!」
ユウマとディアは教会まで走り、視認出来る距離まで来ると、教会の前で、魔物と交戦しているエレナ達がいた。
「ちっ! 片付けるぞ、ディア!」
「うむ、わかったのじゃ!」
ユウマはショットガンを連射し、ディアはブレスで魔物を次々倒していく。
「ご主人様! いきなり魔物の大群が押し寄せて来て、対処しきれませんでした。申し訳ございません」
「気にするな、この数相手じゃあ仕方ない。それより町の人達は無事なのか?」
「はい。セナさんが氷の結界を張って、守ってくれてます」
教会の中を見ると、エレナが言った通り、教会の端っこに町の人達を寄せて、セナが氷の結界で守っている。
そしてその周りに、アインとセレアが陣取り、魔物と戦っている。
「とりあえず魔物を一掃するぞ!」
「はい!」
「うむ!」
ユウマとディア、エレナで教会の前の魔物を殲滅し、捌けずに教会の中に入って行く魔物を、アインとセレア、セナで倒していく。
「倒しても倒しても、キリがないのじゃ!」
「エレナ、ディア! 一旦ここは任せた! 俺は門を封鎖して、これ以上魔物が入って来ないように、食い止める」
ユウマはそう言って、魔物の間を縫うように走り出す。
アイテムボックスから深夜叉を取り出し、魔物を斬りながらも、門に近づいて行く。
「どんだけいるんだよ、ほんと」
門の前に行くと、外にも魔物が溢れ返り、大変なことになっている。
そこでユウマは、門を封鎖するために、創造魔法で門の横幅と同じサイズの壁を作り出す。
「これで…………どうだ!」
ズドンッッッ!!!っという轟音とともに、壁によって門が防がれる。
「さぁ、後は中の奴らを潰すだけだ」
ユウマはアイテムボックスから、光線銃を取り出し、魔力を貯める。
「これでも、くらえ!!!」
死の光が一直線に伸び、魔物が跡形もなく消え去る。
手榴弾を両手いっぱいに作り、魔物の中に投げつける。
「グガァァァ!!!」
魔物が苦痛の声を上げる中、深夜叉とショットガンを持って、魔物が密集している地帯に飛び込む。
左手でショットガンを発泡しながら、右手の深夜叉で魔物を斬っていく。
「魔物自体はあんまり強くないな。数がすごいだけか………っ!」
危険を感じ、ユウマは横に跳ぶと、さっきまでユウマがいた場所に、クレーターが出来る。
その原因は…………
「なんだ…………こいつ」
その魔物は、発達した腕と足を持った、二足歩行の魔物だった。
ユウマが着地すると同時に、その魔物は一瞬でユウマに肉迫し、ユウマめがけて蹴りを入れる。
「───っ!」
ユウマは咄嗟にショットガンをアイテムボックスに直し、盾を取り出し、魔物の蹴りを受け止めるが、魔物の破壊力が強く、盾が壊れて吹き飛ばされる。
「ぐっ…………この野郎が、どんだけ馬鹿力なんだよ!」
ユウマは悪態をつきながら、立ち上がるが、すぐに体を右に反らすと、カマキリみたいな魔物が、ユウマを斬ろうとしていた所だった。
「危ねえな…………ふっ!」
深夜叉でカマキリみたいな魔物の刃を斬り落とす。
続けざまに懐に入り、魔物の体を真っ二つにする。
「本当に多いな。教会の方も心配だし、一旦戻るか」
教会に戻ることを決めたユウマは、教会の方に向おうとするが、その前に先程吹き飛ばされた魔物が立ち塞がる。
「ちょうどよかった。お前を倒してから行くところだったんだよ。探す手間が省けた!」
ユウマは一気に肉迫して、深夜叉を横に一閃する。
魔物はバックステップで回避して、地面を殴りつける。
「なっ!」
すると、ユウマが立っていた地面が割れて、ユウマは割れた地面に落ちて行く。
「ちっ! そうはいくかよ!」
アイテムボックスから、光線銃を取り出し、魔力を貯めて地面に向かって撃つと、その反動てユウマは一気に地上へと上昇する。
「お返しだ!!!」
ユウマはその勢いのまま、アイテムボックスからハンマーを取り出し、魔物相手に叩きつける。
魔物は手をクロスして、受け止めるが、空からの自由落下の威力と、ハンマーの威力が重なった攻撃に、次第に地面にクレーターができ始める。
「はあぁぁぁ!!!」
更に力を加えたユウマの攻撃に、魔物が耐えきれず、腕の骨が折れ、地面に叩きつけられる。
「ふぅ〜、終わった、終わった。さて、エレナ達の所に戻るか」
ユウマはそう言って、先程やったように、光線銃の反動で空を飛び、教会の方へ飛んで行く。
飛んでいる最中に下を見ると、まだまだ魔物が溢れかえっている。
「まだまだいるな、エレナ達は大丈夫か?」
心配していると、教会が見え始める。
魔物に囲まれたエレナが、地面に剣を突き刺し、辺り一体の魔物を放電させて倒す。
ディアは竜化して、魔物を薙ぎ払っていく。
個々を倒すなら人の姿だが、大勢を倒すなら竜の姿の方がいいのだろう。
「エレナ、ディア、待たせた!」
「ご主人様!」
「ユウマ!」
ユウマの声に、エレナとディアは顔を上げて、ユウマの方を見る。
光線銃の出力がなくなり、ユウマも地面に降り立つ。
「さぁ、纏めて殲滅するぞ!」
「はい!」
「うむ!」
ユウマ達は戦闘態勢を取り、残りの敵を殲滅する。




