27話 買い物
「以上で手続きは終了です」
「ありがとうございました」
ユウマは店主にお礼を言って、不動産屋から出る。
「よし、家も買ったことだし、家具でも買いに行くか」
「そうですね」
ユウマ達は家具を買うため、22番街にある雑貨屋に向かう。
「ねえねえ、ソファー買いましょう、ソファー」
「いいわね、ソファー」
セレアとアインは興奮したように、ソファーが置いてある場所に走って行く。
ユウマは元気だなぁ、と呆れながらエレナ達と後を追う。
「このでっかいソファーにしましょう!」
「L字型のソファーの方が絶対にいい!」
ソファーをどれにするかで、セレアとアインの討論が始まったが、ユウマ達はそれを無視して、どのソファーがいいか、話し合う。
「3人掛けのソファーを4つか、7人掛けのL字型ソファーを2つか。多数決取るぞ〜」
ユウマはみんなを集めて、多数決を取り始める。
「じゃあ3人掛けのソファーがいい人」
「「は〜い」」
手を上げたのは、シーナとセレアの2人だけだ。
多数決なので、結果は7人掛けのソファーに決まった。
「それじゃあ、この7人掛けのソファー2つ下さい」
「かしこまりました。家までお運びしましょうか?」
「いいんですか?」
店主はにっこり笑い、「はい」と答えたので、ユウマは家の住所を伝えて、ソファーを運んでもらうことにする。
「次は家具だな」
椅子やテーブルが売られている場所にユウマ達は移動し、どれがいいかそれぞれ選び出す。
「こういうシンプルな物はどうですか?」
「おっ、いいなそれ」
エレナは茶色の椅子とテーブルの組み合わせで、シンプルな物を選び、ユウマはそれを見て、首を縦に振る。
アイン達も集まって来て、エレナが選んだ椅子とテーブルを見て、頷き合う。
「いいんじゃない」
「私もいいと思うわよ」
セレアとアインが同意したので、ユウマは先程の店主を呼び、購入する旨を伝えると、先程と同様家まで運んでくれるらしいので、お願いする。
「次はベットだな」
「ユウマさん〜、2人で寝れるベットを探しに行きましょう〜」
「俺は行かないからな」
シーナの誘いを丁重に断ったユウマは、シーナ達を置いて早足で歩き出す。
シーナ達もユウマを追って、早足で歩き始める。
「一応言っとくけど、ダブルじゃなくてシングルベットだからな」
「ユウマはくっついて寝たいのか? 妾はダブルベットが良いのじゃが………」
「おい、ちょっと待て」
ユウマは目頭を押さえながら、ディアの言葉を制止し、みんなの方を向く。
「最初に言っておくぞ。俺は誰とも寝ない、1人で寝る!」
「え、そうなんですか? 宿に泊まっていた時は、一緒に寝ましたよね?」
ユウマの高らかな宣言の後に、エレナは疑問をユウマにぶつける。
エレナがさらっ、と言った言葉に、ディアとシーナ、セレアが一瞬眉をピクッ、とさせていたが、ユウマがそれに気づくはずもなかった。
「いや、あれは何というか、気の迷いと言うか………とにかく、俺は1人で寝るから、みんなもシングルベットを買うこと、以上!」
ユウマは早口で喋り、再びベットの方へ急いで向かう。
その後は何事もなくベットをそれぞれ選び、家まで運んでもらうよう、店主に頼んで、ユウマ達は雑貨屋を出る。
「さて、最後は食料調達だな」
「調味料最優先でお願いします〜」
料理を作れるシーナが指揮を取って、2人3グループでそれぞれ調味料と食べ物を調達して行く。
ユウマとシーナ、エレナとディア、アインとセレアの組み合わせだ。
アインは激しく抗議したが、料理が出来るシーナが優先とのことで、渋々引き下がっていた。
「私達は塩と砂糖、後は今日のご飯を買いに行きましょう〜」
「わかった。シーナに任せるよ」
ユウマとシーナは食べ物が売っている場所まで、のんびりと話しながら歩いて行く。
「こうやって2人で話すことって、なかったですよね〜」
「ああ、そうだな。ずっとみんなといたからな」
「そうですよね〜。えいっ〜」
そう言ってシーナは、ユウマの右腕に抱きつき、上目遣いでユウマを見上げる。
「なんだかこれって、デートみたいですね〜」
「そうか? そんなことないと思うけど………」
ユウマは視線をシーナから外し、お店の方を向いて、なんとかドキドキしていないことを悟られないようにする。
「他人から見たら、私達恋人に見られそうですね〜」
「腕組んでたらそう見られるだろうな」
「ふふっ〜」
シーナは楽しそうに微笑みながら、ユウマをリードして行く。
その後、ユウマとシーナは食料を調達し、家に帰っていく。
家に帰ると、すでにエレナ達が帰った後で、アインが飛び出して来た。
「遅かったじゃない、ユウマ」
「悪い、悪い。今日のご飯何にするか迷ってたんだよ。な、シーナ?」
「デートしてました〜」
「は⁉」
「おい、何言ってんだよ、シーナ⁉」
シーナの衝撃発言を聞いたアインは、ユウマの胸ぐらを掴み、どういうことか問い詰めだす。
「どういうことよ、ユウマ!」
「知らないって、本当に! デートじゃないから!」
アインを説得するのに30分かかったユウマは、ヘトヘトになりながら、早速届いたソファーにダイブする。
「あ〜、疲れた」
「お疲れ様、ユウマ君」
ユウマの向かいに座っていたセレアは、ユウマの横に移動して、寝転んでいるユウマの頭を撫で始める。
抵抗するのも面倒なユウマは、されるがままに撫でられ続けた。
✼
「夜ご飯出来ましたよ〜」
シーナとお手伝いしていたエレナが、カレーをテーブルに並べ始めたので、ユウマも手伝うためにソファーから起き上がる。
「美味しそうに出来てるな」
「美味しそうなのじゃ!」
お腹を空かせていたのか。ディアはすぐに椅子について、今か今かと、待っている。
ユウマ達も席につき、みんなでカレーを食べる。
「美味いな」
「美味しいのじゃ!!!」
「結構いけるわね」
それぞれ感想をこぼしながら、黙々とこの家での初めての食事を噛みしめる。
みんな10分くらいで食べ終わり、今後の方針を相談する。
「これからどうする?」
「とりあえず一ヶ月くらいはここを拠点にし、冒険者ギルドで依頼をこなして、二ヶ月後からカリド王国へ行って、迷宮に潜りましょう」
セレアが今後の方針をスラスラと話し出すので、みんな目を丸くしている。
「前もって考えていたのか?」
「そうよ。ユウマが協力してくれるのはわかってたから」
セレアは胸を張って、自慢げな顔をしてユウマを見る。
ユウマは呆れた顔をしながら、みんなに意見を聞く。
「みんな、どう思う?」
「いいんじゃないですか」
「私も賛成」
「妾もじゃ」
「私もです〜」
みんなの賛成の声を聞いたユウマは、セレアの方に向くと、これからの方針を改めて伝える。
「それじゃあセレアの提案でいこう」
エレナ達は頷き、今後のユウマ達の方針が決まった。
9月は週1投稿に戻します。
月曜日の12時頃です。




