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21話 ユウマvsセナ


「ディア!」

「ディアさん!」

「ディア、無事⁉」


 医務室の扉を勢いよく開けて、ユウマ、エレナ、アインと順にディアに声をかける。

 ディアはベットで横になっていた体を持ち上げて、驚いたように目を丸くする。


「どうしたのじゃ? 妾はなんともないが………」


 ディアの言った通り、体には特に目立った外傷はなく、綺麗なままだった。


「言っておったじゃろう。フィールドには結界が張られていて、その中で受けた傷は、外に出ると全てなかったことにされると」


 ディアは司会者が最初に言っていた説明を思い出し、それをユウマ達に伝える。


「それはそうだけど、それは心配しない理由にはならないだろう」

「………ユウマ」


 ディアは頬を赤らめて恥ずかしそうに俯いて、手をモジモジしている。

 それを見たエレナとアインは、ユウマをジト目で見るが、ユウマは何故そんな目で見られるのかわからず、困惑する。


「どうした、2人共」

「いえ、別に」

「なんでもないわよ」


 エレナとアインはぷいっ、と顔を横に逸して明らかに怒っている。

 ユウマは何が原因で怒っているのかわからないので、諦めてディアに話しかける。


「まさかディアが負けるなんてな」

「妾も驚きの強さじゃった。アレは何者じゃ?」


 ディアは先程の戦いを思い出したように、眉を寄せてユウマにセナの正体を問いかける。


「セナさんは魔法剣士のSランク冒険者だ」

「Sランク冒険者………道理で強いわけじゃ」


 ディアは納得がいったように、首を縦に振って頷く。

 すると、司会者から次の対戦相手が発表される。


「そろそろ戻るか」

「そうじゃな」

「はい」

「ええ、行きましょう」


 ユウマ達はディアを連れて、参加者用の観客席に戻って行く。

 席につくと、既に戦闘が始まっていたが、どうやらすぐに決着がつきそうだ。


 それから順に選手達が戦い、準決勝。


『準決勝、1組目はセナ対ユウマだ!!!』

『いけ、セナ!!!』

『やっちまえ、ユウマ!!!』


 観客席からセナとユウマを応援する声が、会場を響かせる。

 ユウマはその声に気持ちを高ぶらせながら、セナと向かい合う。


「無事でよかったです。セナさん」

「右目だけで済んだのは奇跡だった。ユウマも無事でよかった」


 そう言ってセナは、ユウマに微笑みかける。

 

「本気で行かせてもらいますよ、セナさん」

「うん、私も全力で行く」


 ユウマはアイテムボックスからショットガンを2丁出して、両手で持つ。

 対してセナは氷の剣を右手に、左手にもう一本の剣を持つ。


『それでは、バトルスタート!!!』


 その声と同時に、ユウマはドパンッ!、と同時にショットガンを放つが、セナは剣で弾き、ユウマに肉迫する。

 ユウマは円状に走りながら、ショットガンを撃ち続けるが、セナは全ての攻撃を剣で弾く。


 普通の人間ならショットガンの速さについていけないが、Sランク冒険者のセナは、その攻撃を捌くことが出来るのだ。

 

「やっぱりショットガンじゃ無理かよ! それなら───」


 ユウマは右手のショットガンをアイテムボックスにしまい、代わりに白刀を取り出す。

 その瞬間、セナの高速の攻撃がユウマを襲う。


 2本の剣が残像を起こしながらユウマに斬りかかるのを、剣とショットガンで捌きながら、ドパンッ!、とショットガンを撃ち込みながら距離を取る。


「───“氷竜”」


 セナは氷の竜を3体作り出し、ユウマめがけて攻撃させる。

 ユウマは剣をアイテムボックスにしまい、代わりに光線銃を取り出す。


「これでも、くらえぇぇぇ!!!」


 光線銃から氷竜3体を覆う量の死の光が氷竜を消し去り、直線上にいたセナにも襲いかかる。


「凍りつけ───“氷世界”」


 セナは氷の剣を横に振ると、辺り一面が凍りつく。

 光線銃からの光も凍りつき、続けざまにセナは天から巨大な氷柱をユウマめがけて降り注ぐ。


 ユウマは光線銃をアイテムボックスにしまい、ハンマーを取り出す。

 ユウマめがけて飛んできた氷柱を、次々とハンマーで打ち砕いていく。


 最後の氷柱を砕いた瞬間、真横にセナが肉迫していて、その剣を振るう。

 ユウマは咄嗟に左手に持っていたショットガンで軌道を反らそうとしたが、セナの威力の方が強く、右肩を斬られてしまう。


「───くっ!」


 ユウマは距離を取ろうと後ろに跳躍するが、セナがそれを見逃すわけもなく、間合いを詰めて、再び2本の剣での連続攻撃が始まる。


 左手に持っていたショットガンをしまい、創造魔法で即座に軽機関銃を作り出したユウマは、セナに向って軽機関銃を連射する。


 セナは剣で捌こうとしたが、弾の数が多く、次々にかすり傷を作っていく。

 捌けないと悟ったセナは後ろに跳躍して、氷の壁を作り、軽機関銃からの攻撃をやり過ごす。


 壁を作ろうが関係なく、ユウマは軽機関銃を連射し続けて、手榴弾を創造魔法で3つ作り、氷の壁めがけて投げつける。


 手榴弾が氷の壁に直撃する前に、ユウマはロケットランチャーを創造魔法で作り出し、右手に持っていた剣と交代して、氷の壁めがけて撃ち込む。


 軽機関銃と手榴弾とロケットランチャーの同時攻撃が、氷の壁を襲う。

 ドカァァァン!!!、と大きな爆発音が会場全体に響き渡る。


 セナがいた場所は土煙で覆われ、何も見えない状況だが、ユウマはまだセナが生きていると感じ取り、ロケットランチャーの弾を補充して構える。


 その一瞬後、氷の鎧を着たセナが、土煙から抜け出し、ユウマに肉迫してくる。


「氷の鎧⁉」


 ユウマは狼狽するが、すぐに気を取り直してロケットランチャーをセナに向けて放つ。

 セナは避ける素振りもなく、ロケットランチャーに自分から当たりに行く。


 その意味がわからなかったユウマだったが、ロケットランチャーに直撃しても無傷で走ってくるセナを見て、その意味を知る。

 

「絶対の防御ってことか………」


 ユウマは冷や汗を掻きながら、軽機関銃とロケットランチャーをアイテムボックスにしまう。


「なら、この剣で絶対の防御を打ち破る」


 光を呑み込むような黒い剣、黒刀“新夜叉”をアイテムボックスから取り出し、正面に構える。

 セナがユウマに剣を振るい、氷の剣と黒い剣がぶつかり合う。


 氷の剣は新夜叉とぶつかり合い、少し刃がかけたが、折れることはなかった。

 これもレベルの差というやつだろう。


 それから激しい斬り合いが始まり、両者一方に譲らない展開になる。

 このままでは消耗戦になるとユウマは感じて、剣を本気で振るって、受け止めたセナは後方に飛ばされる。


 その隙に、ユウマは創造魔法で閃光玉を作り、セナに向かって投げつける。

 ピカッ!、と眩い光が会場を包み込む。

 

 光が収まると、ユウマは閃光玉で目をやられたセナに向かって肉迫する。

 行ける!、とユウマは確信してその首を斬ろうとすると、不意に嫌な予感がして、首を90度傾けると、さっきまで首があった場所に、セナの剣が一閃され、空を斬る。


 ユウマはバランスを崩しながらも、セナの左脇腹を斬る。

 そしてそのままターンして、右脇腹も斬り、セナとの距離を取る。


 すると、さっきまで焦点が合っていなかった目が、ユウマを捉える。

 だが、ユウマは焦った様子もなく、逆に薄っすらと笑っている。


「準備は整った。詰みだぜ、セナさん」


 ユウマがそういった瞬間、空から大量の手榴弾がセナに向って降り注ぐ。


「───っ!」


 “氷結界”では間に合わないと悟ったセナは、横に飛んで回避しようとするが、その先には、まるで待っていたかのようにユウマがいた。


「───ふっ!」


 ユウマはセナの左肩から右脇腹にかけて、斬りかかる。

 鎧ごと斬られ、セナはその場に倒れる。

 すると、その体が消える。

 医務室に転送されたのだ。


『試合終了!!! なんとユウマがSランク冒険者のセナを打ち破った!!!』

『うぉぉぉ!!!』


 割れんばかりの声援が、会場を包み込む。

 ユウマは観客席に手を振りながら自分の席に帰っていく。


「おめでとうございます、ご主人様!」

「やったわね、ユウマ!」

「うむ、見事じゃ」


 席に帰ると、エレナ達がユウマにお祝いの言葉をかける。

 ユウマはその言葉に答えながら、自分の席に座り、疲れを癒やす。


『続いて準々決勝2回戦、エレナ対セレアだ!!!』


「次はエレナの番だぞ、頑張れよ」

「はい、頑張ります!」


 エレナは気合いを入れて、バトルフィールドへと、足を運ぶ。


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