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この苛立ちどうしてくれようか…

作者: Irene

ああ…なんでこうなったのでしたっけ…?


目の前の殿方達おろかものの死体(え?まだ生きてる?……ッチ)、

もとい、気絶した二人を眺めながら、

私はなぜこうなったのかと鋭い視線を感じながら現実逃避がしたくなりました…


ねえ、そこの貴方、ちょっと聞いてくださいません?

私の本日のすこーしアンラッキーな今までの出来事を…



事の始まりは私の自業自得でした。

先日、友人を少し揶揄(からか)いすぎて怒らせて、それを親戚であるクレア様(様をつけたくなるような雰囲気の方です)が、


「反省するまで(わたくし)の仕事のお手伝いしてくださいませね?」


…あの時のクレア様の表情は…

お、おおおお恐ろしかったです(ガクブル)


失礼、取り乱しました。

そんなわけで昨日から彼女のデスクワークを手伝っていたのです


え?その説明だけじゃあ、冒頭のシーンににつながらない?

仕方ありません、もう少しお付き合いくださいませ。


本日早朝よりクレア様のお知り合いのマリオさんに書類をいただきに行ったのですが…

建物の外に出た途端、急いで入って来た方にぶつかりカバンに入れてた書類をぶちまけました。

そのとき風が吹き何枚か木の上に飛んでいき、仕方がないのではしごを借りて回収しました

ちなみにぶつかった方は私に文句を言ったあと、打ち合わせに遅れると走り去っていきました

…後ほどマリオさんに人相をお伝えしようと思います。


この出来事のせいで本来乗るべきであった電車に乗り遅れてしまいました。

それは別にいいんですよ、利用者がよく居るからか、五分おきに電車が来るので。

次の電車に乗って帰ろうと思ってたんですよ

ついでに帰りにクレア様の好きなカフェからコーヒー買って帰ろうかな~

限定ケーキももらいましたし…

とかも思ってたんです。

そう、ここまであんまり問題はなかったんです。

すべては電車が来てしばらくしてからでした


「きゃ?!」

「娘に何するんだこのチンピラがあああ!!!」

「グハ?!なにしやがる爺!!」


と、このようなやり取りのあと二人の男の()りあいが始まりました

どうやら女性が被害にあいその父親が制裁をしたらしいですね、詳しくは知りませんが。

まーこの喧嘩がはた迷惑な物でして…

相手をろくに見ずに殴りかかるわ、(腕を引っ張ってぎりぎりでおじいさんを助けることができました)

そこらへんに錯乱したバッグを投げるわ、(被害に遭いそうになったご婦人の盾になって防ぎました)

追いかけっこを初めて電車から出たり入ったりするわ、(危ないので緊急停止ボタンを押しました)

破られたシャツを投げ捨てるわ、(その際その方のシャツから落ちた財布が盗まれそうだったので、捕まえました)

殴りあう二人を引きはがそうとする車掌さんに蹴り入れようとするわ…(蹴ろうとした方に膝カックンして何とか回避)

まあ、いろいろしたんですよ


え?ご苦労様?

いえいえ、出来ることしかしておりません


ここまではまだ彼らはそこまで被害を出していなかったのですよ。

警察も呼びましたしあとは時間稼ぎだけなので、

体格のいい方々にその二人をある程度囲んでくれと頼んだのです。

そして指示を出し終わり私も避難しようと思ったら…

悲劇が起きたのです


ええ、悲劇です

世界の滅亡に匹敵するほどのものです、

神への冒涜です、

許されてはいけない犯罪です。


え?何が起きたって?


……某有名店の限定ケーキを潰したのですよ


え?それだけ?って…


何言ってるんですか!!

あそこのお店の限定ケーキはとても貴重で…

朝の5時に並んでも買えるかどうかのものなのですよ?!

しかも今日もらった限定ケーキはまだ出回ってないんですよ?!

お使いに行った会社の受付嬢さんがそのお店の関係者で、たまたま試食を頼まれていたケーキを分けてくださったんです。

あの女性はきっと天使ですよ。

お礼を言ったときのあのはにかんだ笑顔がそれを証明しています!!

もちろん携帯番号をゲットしましたが何か?

顔を真っ赤にしてプライベート番号いただいた時は思わず抱き着いてしまいましたよ!


え?話がずれてる?

ああ、そうですね罪人たちに(とど)めを刺さなくてはいけませんでしたね。

そうじゃない?

はあ、なぜ気絶しているかですか…

簡単です。

我を忘れて愚かにも私にぶつかり、

ケーキを潰した罪人その一の殴りかかろうとして振り上げた腕をつかみ、捻り、床に落としその後も性懲りもなく暴れるので、

近くにいた重そうな方二人に腰と胸元に座っていただきました、

全 体 重 を か け て。

しばらくしたら気絶いたしましたね。

そしてもう一人も逃げようとしたので私のバッグを投げたのですよ。

それがクリーンヒットいたしまして、その方も気絶しましたの。


ふふ、今日の私のバッグは少々重いんですよ、

何せ書類だけでも腕が千切れそうな位重いのですから。

その他にも頂いたチョコやら飴やらもありますし、

バインダーや小説(ちょっとした辞書並み)もありますし…


それにしては重過ぎるって?

お仕置きも兼ねているらしいのでこの重さなのですよ。


とにかく!

そうやってその馬鹿二人をのした後に貴方方が来て私を取り囲んだんですよ。

この!!被害者である!!楽しみにしていたケーキを潰された!!傷心な私を!!

か弱いただの淑女な私を!!猛獣を相手にするように銃で狙ってるんですよ!!

加害者はその気絶してる二人なんですからとっとと捕まえてくださいよ~!!






その後ほかの方々の証言もあり、解放されクレア様の仕事場まで帰った私は、

会社に入ると同時に靴のヒールが壊れ、

何とかデスクまでたどり着き書類を渡した後、飲み物を買おうと財布を取り出そうとして…

財布が()られたことに気付いたのでした…


厄日ですか…?(泣)

タイトルは櫛田こころさんが考えてくれました~

ありがとうございます(日本に向かって ぺこり)


ちなみにケーキは後日受付のお姉さんが新作を持ってきてくださいました

よい子の皆さんは喧嘩に巻き込まれないようにしましょう

大事に持ってるケーキがおじゃんにされます←オイ


感想お待ちしております(ぺこり)

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