表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

後編

後編です。

どうぞ↓

「はぁ…はぁ…」

急ぐんだ、私。絶対に、行くんだ。

「待っててね…隼人…」

私はひたすら走るだけだった。


~*~*~*~*~*~*~*~


「3時58分…」

やっぱり来てくれないか。そりゃあ、年賀状で告白とか、度胸ないって思われても仕方ない。もしかしたら、ダサいって思われてるかも…

坂下公園では、毎日午後4時ぴったりに噴水のショーが始まる。約束を4時にしたのはこういうことだ。

「はぁ…」

黙ってうつむく。なんでこんなやり方にしたんだろう。後悔している。

すると、後ろで水の音がし始めた。

「ママ!きれーだね!」

「ふふっ、そうね。」

どこかで親子の声がした。

「何やってんだ俺…」

そう言って、しゃがみ込んだ。思わず泣きそうになる。

すると。


「隼人!!」

「へっ…?」

顔を上げると、笑みが向こうから走ってくるのが見えた。

「ご、ごめっ…はぁ…はぁ…」

「恵美…来てくれたんだ…」

「うん!1分遅れちゃった…ごめん!」

「それくらいいいよ!」

恵美はにこっと笑って言った。

とにかくうれしかった。

思わず涙があふれた。

「はっ、隼人!?」

「あっ…ごめ…」

「んっ…」

恵美は僕をぎゅっと抱きしめてくれた。

「安心したんでしょ?まだまだ子供だなー。」

「ふぇっ…」

優しい、母のようなぬくもりに、涙が止まらなくなる。

そして、恵美は僕だけに聞こえるように、僕の耳元で言った。

「今日は寒いから…特別だよ?」

「っ…うん…」

「よしよし。」

今日は甘えよう。僕はぎゅっと抱きしめ返した。


~*~*~*~*~*~*~*~


キレイなオレンジ色に染まった空を二人で見上げながら。つないでいる手を確かめながら。

二人は家へ帰ろうとしていた。

「ねーねー。」

「んー?」

「明日、空いてる?」

「多分。なんで?」

「いやー、一緒に初詣いかない?」

「いいよー!楽しみだなぁ♪」

「恵美。」

「どうした?」

「改めて、僕と付き合ってください。」

改めて言われるとドキッとする。

「えっ…あっ…うん…」

自分でも、耳まで真っ赤になっていくのが分かった。

「よしっ!」

隼人は満足げだった。

「じゃあ、バイバイ。」

隼人が子供みたいに手を振る。

「…うん!バイバイ!」

私も手を振り返す。


あぁ、明日も楽しみだなぁ。

最後までありがとうございました。

コメント・評価など、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ