前編
しゃーなです。再び恋愛です。へたくそですが、お付き合いの程、よろしくお願いします。
それでは、どうぞ↓
「寒っ。」
1月1日。今日も相変わらず寒い。冬を感じさせられる。
私はポストの中をのぞきこむ。
「あ。」
そこには束になった年賀状が入っていた。
今年も来ているかな。年賀状を見るのは毎年の楽しみだ。
年賀状の中から私のものだけを別に分ける。思ったよりたくさんきているようだ。
部屋に戻ってひとつひとつを見る。今年もなかなかおもしろい。
「あっ。」
差出人が隼人(はやと)と書いてある年賀状を見つけた。
そういえば、今年はメールで住所を聞かれた。間違えて送ったのではないかと疑ったが、違うと言われた。
((なんで今年は送ってくれたのだろう?))
そう思った。とりあえず、見てみよう。
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あけましておめでとう、恵美(えみ)。
突然だけど、僕と付き合ってください。
OKだったら、1日の午後4時に坂下公園の噴水前に来てください。
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「えぇっ。」
驚いて、うまく声が出ない。こんなこと、あっていいのだろうか?しかも、私なんかが?
私は、心の中で自分に落ち着けと何度も言う。
「午後4時ってことは…」
私は部屋の時計を見る。午前10時30分。まだ時間がある。よく考えてみよう。
私と隼人はお隣さんという関係だ。両親が仲良くなり、私たちもよく一緒に遊ぶようになった。
わりと仲は良かったが、恋愛感情は抱いていないと思っていた。
どうしよう。私は隼人が好きなのだろうか。よくわからない。
勉強していても、ご飯を食べていても、テレビを見ていても、漫画を読んでいても。何をしていても、隼人の年賀状のことでモヤモヤが頭に残ってしまっている。
ただただ、時間だけが流れていく。
雫石公園に行って、冷静に考えてみよう。
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ブランコにのってみた。
「はぁ…」
大きなため息をつく。ふと、空を見上げると、雲1つ無いきれいな青空が広がっていた。
そんな青空の真ん中を白いハトが飛んでいった。なんだか、孤独を感じる。
「私は…」
今思えば、いつも隣には隼人がいた。私は隼人がいたから、1人じゃなかったんだ。
隣の空いたブランコを見て、少し寂しくなる。
((なんだろう、この気持ちは。))
なんでこんなに寂しいのだろう。こんなに孤独を感じるのだろう。なんでモヤモヤするんだろう。
ふと、1つの答えが頭の中に浮かんだ。
((私は隼人が好きなんだ。))
なんで気づかなかったのだろう。なんて馬鹿だったのだろう。
あんなに青かった空にオレンジ色が混ざり始めた。
「…時間!!」
腕時計を見る。時間は午後3時50分。
「どうしよう…」
何も持っていないから、一度家に帰りたい。でも、家まで5分。家から坂下公園までは、少なくとも10分はかかる。
間に合わない。
「そんな…」
いや、あきらめられない。私は、隼人と居たいんだ。隼人も、私を必要としてくれているんだ。
((行かなくちゃ。))
私はまっすぐ、坂下公園に向かって、走り出した。
ありがとうございました。後編も一緒に読んでいただければと思います。よろしくお願いします。
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