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 物語の舞台はフィーラという名のこの世界。フィーラというのは私の名前でね、この世界は私が創ったから、世界の名前もフィーラ。


  少し話がそれちゃうけど、他にも似たような世界が存在する。異空間に1つずつ。それぞれをキーシェル、セイトと呼ぶそれらの世界。そしてその世界を創造したのが私の弟と妹なの。言ってみれば、その2つの世界とフィーラは兄妹みたいなもんなのね。


  そして、それぞれの世界に命が芽吹く。フィーラには人間だけが生活している。キーシェルには人間だけでなく、妖精、人魚など様々な種族が生まれた。そしてセイト。この世界には、魔の者が存在する。3つの世界は、同じ時に創られ同じ年月を過ごしてきた。1つ1つ違う文化を築きあげた世界は、似て異なるもの。互いに干渉は出来ない。だけどね、国、世界が危機に陥った場合において、異世界の者を召喚できるわけ。



  はい、そして本題に戻りまーす。これらの事をふまえた結果、今召喚されたこの2人の人間は、キーシェルから召喚されたはずなんだけど、ま、これがこの物語のおかしな場所。何故なら……っと、どうやら片方の人間が目を覚ましたらしい。



  頭を押さえながら辺りを見回すこの人。物語の主人公の1人。名前を長瀬夕希という変な名前の17歳。真っ黒の腰まである髪は凄いサラサラで、触りたくなるほど。それで肌は白い。とにかく白い。すごい美人さんなのね。私が男だったら惚れてるかもしれない。彼女は辺りを見回した後、目についたもう1人の体をゆすった。いや、ゆさぶった。それはもう、かなり激しく。その振動で、もう1人の主人公が目を覚ます。


「んー……」

 まだきちんと覚醒していない彼の名前は霧崎海斗。ま、こっちも変な名前だよね。名前に漢字使ってるのはこの2人くらいだもん。2人の国では普通らしいけど。んで、18歳だったね、確か。海斗は夕希と違って色素が薄いらしく、髪色は茶色。そして特徴は目。多分、一目見たら忘れないと思う。それほどに目つきが悪い。夕希の方も目つき悪いけど、それすら可愛く見えてしまうように悪い。そして耳に何か光るものをつけてる。ピアスというらしいそれは、私にとっては目の毒。でもこれまた綺麗な顔立ちなんだな。主人公に美ってつきものなの?残り2人もかなりなんだけど。


「あ?どこだここ」

 ふいに彼が彼女へ尋ねた。

「それは私が知りたいよ……」

 ため息をつきつつ夕希は答える。

「これはあれか?よくある異世界へ飛ばされちまったっつー漫画にありがちなあれか?」

「そうなんじゃない?」

 どうでも良さげに夕希は言葉を吐いた。あれってなんだ。漫画とは?訳が分からない単語に驚くけれど、問題はそこじゃないのよ。この2人、落ち着きすぎじゃない⁉︎普通もっと驚いたり焦ったりするもんじゃないの⁉︎ほら見てよ。彼女なんか伸びしはじめたよ?眠そうにあくびしてるよ?海斗も目をこすってる……あれはまだ眠いけか。眠ってたんじゃなくて気絶してたはずなんだけどね。でも、危機に召喚されるような人物だから、落ち着いてて当たり前なのかな、と思い始めたその時。

「あ〜やっぱそうかよ。飛ばされ……っえ?飛ばされた⁉︎つかここどこだよ⁉︎」

 海斗が急に叫ぶ。うるさそうに顔を顰めた夕希。うん、理解してなかっただけなのね、彼は。あぁでも、彼女は理解してる……の、かな?適応力高いな。

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