表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/21

6 軍争

挿絵(By みてみん)


1.「うちょくの計」をわきまえる


 有利なら、先を急ぐ。


 不利なら、いったん遠回りしながら、様子を見る。


 遠回りするときは、えさを与えて敵を遠くによびよせ、そのすきに先を急ぐ。


 これを「うちょくの計」と言うんだ。


挿絵(By みてみん)


2.スピードとバックアップのバランスをとる


 勝つためには、スピードがいる。


 戦うためには、バックアップがいる。バックアップには、時間がかかる。


 バックアップにあわせて、スピードをさげると、チャンスをとりにがす。


 スピードをあげると、バックアップがまにあわない。


挿絵(By みてみん)


3.スムーズに動けるようにする


 そのためには、


 ①まわりの人たちの思わくを知り、味方につける。


 ②全体のありようを知り、迷わないようにする。


 ③そこのことに詳しい人に教えてもらい、ベストポジションを選ぶ。


 たとえば、道中に味方がいて、地図がわかっていて、ベストな道を選んで進めば、スムーズに目的地にたどりつけるよね。


挿絵(By みてみん)


4.かけひきに勝ちやすくする方法


 戦いでは、敵をあざむき、それで有利になったら動き、うまくたちまわる。


挿絵(By みてみん)


5.うまくたちまわるコツ


・すばやくするなら、風のように。


・ゆっくりするなら、林のように。


・攻めるなら、火のように。


・待つなら、山のように。


・かくれるなら、かげのように。


・動くなら、かみなりのように。


・ものを集めるなら、兵士をわけて。


・テリトリーを広げるなら、ポイントをわけて。


・戦いをしかけるなら、力をはかって。


・戦いをはじめるなら、「うちょくの計」をわきまえて。


挿絵(By みてみん)


6.かけひきに勝つには、あいずも大切


①あいずを使って、心をかよいあわせる。


 みんなに見える旗や、みんなに聞こえるタイコを使えば、みんにあいずを出せるので、連係プレイがうまくいく。


②あいずを使って、敵を弱らせる。


 たくさんの旗たてたり、たくさんのタイコを鳴らしたりすれば、まるで大軍がいるかのように見せかけられるので、敵をあざむくことができる。


 大軍がいると思わせれば、敵はビビッてひるむ。


挿絵(By みてみん)


7.かけひき上手の4つのコツ


 ①敵よりもやる気を高める。


 ②おちついてチャンスをまつ。


 ③コンディションをよくする。


 ④敵が強そうなら無理をしない。


挿絵(By みてみん)


8.負ける戦いをしないコツ


 ①高いところにいる敵とは戦わない。


 ②坂の上にいる敵とは戦わない。


 ③わざと逃げる敵は追いかけない。


 ④囲んだら逃げ道をあけてやる。


 ⑤敵が逃げたいなら逃がしてやる。


挿絵(By みてみん)


『孫子』軍争(全文訳)


 孫子が言いました。


 およそ用兵の原則として、軍争(優位に立つための争い)ほど難しいことはありません。軍争が難しいのは、有益なら直行し、心配なら迂回する点です。ですから、(なにか心配があるなら)その道を迂回して、利益で敵を誘導し、敵より遅れて出発し、敵より先に到着するなら、「迂直の計」を知っています。


 軍争は利益となるものでもあり、軍争は危険となるものでもあります。全軍をあげて優位に立とうとして争えば、(軍隊の規模が大きくなった分だけ動きが遅くなるので)遅れて間に合いません。全軍のことを考えないで優位に立とうとして争えば、(一部の部隊しかそれについて来られないので)補給部隊が置き去りになります。


 そういうわけで、①重たい装備をしまいこんで、昼も夜も休まず、ふだんの数倍のスピードで先を急ぎ、100里も離れたところで優位に立とうとして争うときには、(敗北して)全軍の将軍を捕虜にされてしまいます。強い者は先に進み、疲れた者は後に遅れ、そのときには全軍の十分の一が到達できます。②同じようにして50里ほど離れたところで優位に立とうとして争うときには、主将をつまずかせます。そのやり方では、全軍の半分が到達します。③同じようにして30里ほど離れたところで優位に立とうとして争うときには、全軍の3分の2が到着します。


 そういうわけで、①軍隊に補給がないときには壊滅します。②軍隊に食料がないときには壊滅します。③軍隊に物資がないときには壊滅します。


 そういうわけで、①諸国の腹の内を知らない人は、事前に諸国と外交をとりむすべません。②山林、難所、湿地、沼沢といった地形を知らない人は、軍を進められません。③現地の地理に詳しいガイドを使わない人は、地の利を得られません。


 ですから、戦争は、①うまく相手をだますことによって成り立つものです。②こちらが有利だと判断することによって行動するものです。③分散したり、集合したりすることによって戦い方に変化を出すものです。


 ですから、①すばやくするときは、風のようにします。②ひっそりするきには、林のようにします。③侵攻するときには、火のようにします。④動かないときには、山のようにします。⑤こちらのことを知られないようにするときには、暗雲が太陽を隠すようにします。⑥動くときには、雷のようにします。⑦食料を徴発するときには、兵隊を分けて行かせます。⑧土地を占領したときには、要所に分かれて守ります。はかりではかるようにきちんと敵の実力をはかって行動し、迂直の道(近道を遠回りに変え、遠回りを近道に変える道)を先に知っている人が勝ちます。以上が軍争の方法です。


 そういうわけで、『軍政』に、こうあります。「戦場では言っても互いに聞こえない。だから、よく聞こえる鐘や太鼓をつくる。見せても互いに見えない。だから、よく見える旗や手旗をつくる」。


 そういうわけで、昼に戦うときには旗や手旗を多くし、夜に戦うときには太鼓や鐘を多くします。太鼓・鐘・旗・手旗は、全員の耳目を一つにする方法です。全員の耳目が一つになれば、勇敢な者が勝手に戦いをしかけるということもなくなりますし、臆病な者が勝手に逃げ帰るということもなくなります。以上が「大軍を使う方法」です。ですから、夜に戦うときには太鼓や鐘を多くし、昼に戦うときには旗や手旗を多くするのは、敵の耳目を惑わす方法です。ですから、敵軍は気を奪えますし、敵将は心を奪えます。


 そういうわけで、①最初の気力は盛んで、中間の気力は弱く、最後の気力はつきています。ですから、用兵のうまい人は、敵の気力が盛んなときは攻撃を避け、敵の気力が弱まったときに攻撃します。これが「気を治める」ということです。②治まった状態にして敵が乱れるのを待ちうけ、おちついた状態にして敵がさわがしくなるのを待ちうけます。これが「心を治める」ということです。③戦場の近くにいて敵が遠くからやってくるのを待ちうけ、元気たっぷりな状態にして敵が疲れるのを待ちうけ、満足な量の食事をとって敵が飢えるのを待ちうけます。これが「力を治める」ということです。④隊列に秩序のある軍隊を迎え撃ってはいけませんし、布陣が堂々とした軍隊に攻めかかってはいけません。これが「変を治める(臨機応変に対処する)」ということです。


 そもそも用兵のうまい人は、優位にいる敵とは戦いません。優勢な敵とは争いません。わざと逃げる敵は追いかけません。包囲したら逃げ道をあけます。退却している敵には近づきません。これが「兵隊を使う方法」です。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ