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俺とボクとの青春譚  作者: あららー
2度目の入学
6/9

スタート

次回から、本格的に理解者について書いていけると思います。

 「みんな席ついてー、HR始まるよー。」


この学校にもやはり入学式があったらしい。校長の長話を聞いたり、担任の先生の発表がされたりと普通の高校と同じようなことをしただけだったな。カリキュラムの説明をしなかったのと、入学式なのに保護者の出席が禁止されているのがひっかかるが…。


「はい、今日からみんなの担任教師をする福有奏(ふくありかなで)です。3年間よろしくお願いしまーす。」


 福有奏?Vライバーと同姓同名…。喋り方も似ている。


「え?本名なんですか!?」


1人の男子生徒が呟いた。


「そうですよー、嬉しいなー。私のこと知ってくれてるんだねー。」


ざわつく教室。当たり前だ。この人はVライバーに人気ランキングをつけたなら、5本の指に入るほどの有名なライバーだ。そんな人が3次元で堂々と名乗ったのだから。


「イメージ通りの人だ…」


「かわいい〜!!」


というように、クラスメイトのやつらがいろいろな反応をする。意外ともう受け入れているのか?


 身バレすることの良し悪しは、数多のVライバー達の中でも意見が分かれているところだ。それでも自分から身バレしにくるのは珍しいと思う。でもそれより、ライバーが教師をするということは、本当にこの学校はVライバーを育成するつもりなのか?


「質問いいですか?他の教師の方々もライバーの人なんですか?」


俺がそう質問すると、クラスメイトの視線が向いた。誰でも思う普通のことだと思うが…そんな変な質問だったか?


「黒瀬律くん、この学校はライバー育成の学校だよ?先生は全員ライバーに決まってるでしょー。何のために入学したのよー。」


クラスに笑いが起こる。


そうか…こいつらは本当にVライバーになる学校だと思っているのか。だからさっきの身バレ発言に対して妙に受け入れるのが早かったのか。

ーどう思う?旋。

(ボクもわからないな…。でも、勝手に入学手続き勧められてたんだから、それをした何者かが必ずいると思う。それが島田本人なのか、それともこの学校の中にいる誰かなのか…。とりあえずこの場は取り繕わないと!)


「すみません。寝ぼけてしまいました。」


ウケ狙いにも見えるかもしれないな…。入学早々嫌すぎる展開だ…。


「全く、しっかりしてもらわないと「推薦合格者」さん。」


え?なんだそれ、知らないんだが…。俺そういう形で入ってたのか。確かに試験はパスされたのかと疑問に思っていたが…。


その後、係活動を決めたり自己紹介をしたりと普通の高校っぽいことをして、その日は寮に帰った。



「今日はガッツリステーキ食べるか。旋は食えないよな」


「当たり前だよ。それよりいいの?今日のうちから学校でのつながりを持っておかないで。」


「いいだろ、多分あいつらは普通にVライバーになりに来てるんだ。俺たちとは目的が違う。それが分かった今、馴れ合う必要もない。」


家族との縁だけをきったわけじゃない。友人も恋人もいらない。()()()()()()を向けられても、今更理解できないだろう。世界を変える事の足枷にしかならない。


「まだ決めるのは早すぎると思うよ。浅く広く交友関係は持っておこう。」


俺はそれをこころの片隅に置いておくことにした。


「それより、特訓ってのはいつからやるんだよ。」


「この学校の実態がわからないとまだ何も…。でも、この学校に敵にしろ味方にしろ、ボク達を呼んだやつがいるならそいつがいずれ接触してくるはずだ。今はそれを待ってみよう。」


それまでは、考えても仕方ない…か。そんなことばかりだなこの世界は。でも、いつでも、そう割り切れない人間が世界を変えていくんだ。


 飯を食べ終わった後、俺は寮を抜け出して本校舎に向かった。誰かと接触するためだ。この時間に残っている人間がいるかわからないが、動かずにはいられなかった。


 まだ灯りがついている。どういう構造なのかまだよく分かってないからそこが何の部屋なのか分からない。俺は、開いていたドアから校舎の中へ入り、その部屋の前まで来た。


「わー、何してるのー」


いつのまにか後ろにいた先生の声だった。驚いた俺は心臓が止まりそうだった。


「せ、先生、灯りがついていたので消し忘れかなと…」


「違うでしょー、誰かに会いに来たんじゃないのー?」


「な!」

驚いた。恐ろしく勘が鋭いのか、それとも…。


「私に会いに来たんでしょー」


…自意識過剰なだけか?と胸を撫で下ろしながら、奏先生の急な笑顔に少しドキッとした自分を、殺す。


「違いますよ、本当に灯りが消し忘れてあるのか気になっただけです。」


この人なら騙せると思った俺は、その嘘で押し通ろうとした。


「ふーん、そっかー」


やっぱりちょろいぞこの人。適当に会話して今日はもう寮に戻ろう。


「そうですよ、何で俺が先生に会いに来るんですか…」


「だって、あなたの事推薦したの私だから。」


え?


「先生が…本当ですか?」


「うん、理解者(イヴ)のことも知ってるよー。だから話に来たのかと思っちゃったー。」


こんなに早く…いや、もうすでに出会っていたとは。


俺はすかさず距離を取る。


「そんな警戒しないでいいのにー」


「俺はまだ、あなたが敵が味方か分からないので」


「でも…少なくとも君が知りたいこと教えてあげられるかもー。信用してくれたらー。」


そう簡単に人を信用できるわけがない…。だが…


ー(大丈夫だよ。どうしても危ない時はボクが力を解放するから。今は何より情報が必要でしょ?)

 

ーその通りだな


旋のお陰で冷静な判断ができる。ありがたい。


「分かりました…信用します。俺の知りたいことを教えてください。」




















ありがとうございます。アドバイスよろしくお願いします。

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