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弟が殺され 父が元を創った。 今、聖戦が始まる。

ザエギ宰相は元老院を再開し貴族院を吸収し立法行政司法を握り国王を退位させ新国王に納まった。

末の息子をァ国に撃墜された国王は深く悲しみこの世から軍事基地を無くす聖戦を始めた。

16歳のエリンは栗色の髪を靡かせ、ナインニトロ爆薬で最強の攻撃力を得て、ワハイ島巨大基地を奇襲し単機で破壊した。機銃1弾は25㎏爆薬に相当し、機関砲1弾は250㎏爆弾に相当する。圧倒的な攻撃力を得て、世界に存在するだろう数十万の軍事基地の破壊に飛び立つ。

創元前3年


 カイトのような練習機が無音のまま飛び立った。地上1ⅿほどを保ったのち海上に出るとグッと高度を上げた。1万mほど上がると優雅に弧を描いてトンビと区別がつかない。

「こちらケイゼットワン、高度10500mで飛行中」

「ミエンすぐ戻れ。君に飛行許可は出ていない」

「じゃ出しといて」

「10才の単独飛行は許されない。直ちに帰投せよ」

 ミエンは宰相の末っ子だ。管制室はため息をついた。数時間は帰ってこないだろう。

 ケイゼット練習機はステルス性能がありその間気をもまなければならなくなる。空の上のミエンに指示することはできない。時折通信される位置情報に驚かされることになる。

 ミエンは優雅に空の黒を眺めた。宇宙の黒だ。水平線の白い青から頭上の黒まで遷ろう色に常に魅了される。

「本物の黒は宇宙に出ないと見えないな」

 何度か挑戦したが空気が必要なジェット機では出来ない相談だ。

 気象情報画面を見た。

「まさに天気晴朗だな」

 覚えたての熟語を呟き、眼下に広がる海を支配した気になる。


 愉快になり翼を振りドリル回転し急降下する。

 バババン。機銃操作し、一丁上がり、と3機目の仮想敵撃墜に満足した。

 さらに敵機を増やし難度を上げる。

 右上に見えた敵機が猛スピード掠め去る。

 瞬間ワープ航法でやり過ごした。危なかった、と大袈裟に額の汗を拭うふりをするが、

 最近腕を上げた操縦に満足して、100年早いんだよ、と反転し、急降下し遥か下に逃げていく敵機を追いかけた。

 敵機は既に点のように小さいが10才の視力は逃さない。

 波頭と区別つかない点に迷いもなく突っ込んでいく。

 全方向逃げ場は無いんだよ、

 海面すれすれで方向を変えた敵機に笑いを届ける。

 逃げきれないと判断した敵機は機首を上げさらに方向を変えミエンの機を正面に捉えた。

 両機は一直線に重なった。

 ウワッ!

 訓練とはいえ敵機の迫力は眼前を覆う。

 逃げようか、それは出来ない。

 機銃を浴びせながら落ちろと叫ぶ。

 ロックオンの警報が機内に幾つも鳴り響いた。

 エッ!

 ミエンの後方から複数の敵機が照準を合わせ迫っている。

 絶体絶命だ。

 真正面の敵を倒しても逃げ場はない。

 正面の敵機は引く気配がない。真っすぐ向かってくる。

 退避しろと頭が命令する。

 ミサイルが発射された。ウソだろ、この距離から撃つか。

 敢え無く撃墜された。

 

 シミュレーション結果は送信された。笑い声が響いた。

 兄のカガンだ。

 気分を害したミエンは機首を上げ宇宙を目指し兄の声を振り払う。

 でも若いミエンはすぐにジェット気流サーフィンをしてみようと気分を変えた。

 宇宙の黒を背景にジェット気流に突っ込む。

 体がすっと持っていかれる感覚がある。

 ジェット気流に流されるのかな。

 その感覚が気に入り何度も繰り返した。

 操縦しているのではなく体がすっと移動したような感覚がある。面白いなと思った。



超高速でストーリーを展開します。

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