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ユメの実力、そして父親の後悔 2

「分かりました。ユメが勝てばアルジョンテの名を捨てますので」


 そう言ってユメも剣を取る。


「婚約者にカッコいいところを見せようとしてるのか。だが、スキルを使えない出来損ないのお前に勝ち目などない」

「それはやってみないと分かりませんよ」

「ふんっ、舐めた口を。ついて来い」


 俺たちはユメのお父さんの後に続き、部屋を出る。

 そして、広い敷地に案内される。


「ここならスキルを使っても問題はない。さぁ、剣を構えろ」


 それを聞いて、ユメも剣を構える。


「カミトさん、見ててください。ユメの実力を」

「あぁ。楽しみにしてるよ。まだユメの本当の実力は見てないからな」


 キスをして呪いが解けた後、ユメは1人でダンジョンに潜っているため、未だに俺はユメの本来の実力を知らない。


「では行くぞ!」


 ユメのお父さんがスキルを使って、突き攻撃を繰り出す。

 急所は外しているが、避けることができなければ間違いなく大怪我を負うだろう。

 そんな攻撃を前にしてユメは動かない。


「ふっ……」


 勝ったと思ったのだろう。

 ユメのお父さんの口角が上がる。

 しかし、ユメが攻撃を喰らうことはなかった。


「閃光」


 ユメがボソっと呟くと、視界からユメが消える。


「なにっ!どこだ!?」

「ここです」

「っ!」


 ユメの声が背後から聞こえる。

 消えたかのように見えたユメは、視認が難しいほどのスピードでユメのお父さんの背後に回っていた。


「そこかっ!」


 その声を聞いて背後に剣を振るが残念ながら空を斬る。


「ここですよ」


 すると、今度はユメが目の前に現れる。


「くっ!」


 そんなユメへ攻撃を何度も行うが、全て躱されて空を斬る。


「はぁはぁ……」

「お父様、そろそろ終わりにしますよ」

「舐めた口をっ!」


 肩で息をするユメのお父さんがユメの言葉に怒りを露わにするが、ユメを視認できないお父さんは簡単に剣を弾かれる。


「これで終わりです」


 そう言ってユメが首元へ剣を突きつける。


「お父様はユメに何度やっても勝てません。なので今日からユメはアルジョンテの名を捨てます。2度と関わらないでください」


 そう言い放ってユメは俺のもとに来る。


「カミトさん!ユメの実力はどうでしたか!?」

「あぁ。とても強くなったな」

「えへへ〜」


 ユメが嬉しそうに照れる。

 そんなユメを俺は鑑定する。



*****


名前:ユメ•アルジョンテ

年齢:16

レベル:150

筋力:8404

器用:8414

耐久:8400

俊敏:8429

魔力:8438

知力:8431


※上記のステータスは称号の効果を含む。


スキル:【身体強化 Lv.MAX】

    【剣術 Lv.MAX】

    【閃光】

    【#&¥%$?】


称号:〈呪いを解呪した者 Lv.MAX〉(New!)


装備:訓練用の長剣

   訓練用の服

   訓練用の靴


*****


ーーーーー


〈呪いを解呪した者 Lv.MAX〉


 〈呪いを所持する者 Lv.MAX〉を所持していた者が呪いを解呪した時に獲得できる称号。


 全ステータスが5,000上昇する。


【#&¥%$?】


 特殊な条件を満たすと本来のスキル名へと変化する。その条件とは『???』の記憶を思い出すこと。


ーーーーー



 ユメのステータスは称号によって化け物となっている。


 ちなみに上昇値は称号効果で全ステータスが5,000上昇し、【閃光】スキルの効果で全ステータスが3,000上昇している。


(これでレベル150だからな。俺みたいにレベル4,000とかになったらどうなるんだろ?てか【#&¥%$?】ってなんだ?また文字化けしてるし……)


 結局、ユメのスキルを封印した人は分からず、封印を解いたら文字化けスキルが出現するという謎展開に首を傾げていると…


「お、おいっ!お前!何があった!何故、強くなれた!?」


 ユメの実力に驚いたお父さんが声を上げる。


「それはですね……」


 と言って言葉を区切ったユメが俺に近づき、俺の頬に“ちゅっ”とキスをする。


「愛の力です!」


 満面の笑みでユメは言うが、その返答にユメのお父さんは困惑する。


「今まで育ててくださり、ありがとうございました」


 そんなお父さんに感謝を告げて歩き出す。

 俺は歩くユメの背中を見た後、最後にユメのお父さんに告げる。


「いいか。俺はお前がユメにしてきたことに怒りを覚えてる。だから今さら帰って来いとか言ってもユメは渡さないからな。1人で後悔してろ」


 そう言って俺はユメの後を追った。


 その後ろでは…


「クソがぁぁぁーっ!」


 と、大声で叫んでいるユメのお父さんがいた。

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