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お泊まり 2

 その後、色々あって晩御飯もセリアさんの家でいただくこととなった。

 お母さんが晩御飯を準備している間、セリアさんとシャルちゃんが自己紹介を始める。


「私はセリア。歳は22歳でソラとパーティーを組んで冒険者をしている。階級はA級冒険者。よろしく」

「ウチは冒険者学校に通っているシャルです!歳は16歳!冒険者学校の中ではトップ5に入る実力を持ってます!よろしくお願いします!」


 セリアさんは黒髪を腰まで伸ばした美女で、シャルちゃんは黒髪をショートカットにしている美少女。

 また、セリアさんは表情の変化が少なく口数も少ないが、シャルちゃんは笑顔が可愛らしく元気いっぱいな女の子だ。


(胸は……シャルちゃんの方が大きいな。これ以上大きくなったらセリアさん、泣くぞ?)


 16歳で22歳のセリアさんよりも立派な物を持っている。


「あ、じゃあシャルちゃんは私よりも年下なんだ!妹ができたみたいだよ!」


 そう言ってクレアがシャルちゃんを抱きしめ、仲睦まじく2人がじゃれ合う。

 その様子を眺めていると、セリアさんから話しかけられる。


「そういえばカミトは何しに王都に来たの?もしかして私に会いに来たとか?」

「い、いえ。セリアさんと会うことになったのは偶然なんです。だからセリアさんに会いに来たわけじゃないんですよ」

「むぅ。そこは嘘でも私に会いに来たと言ってほしかった」


 そう言って頬を膨らませる。


「………すみません」


 何故か頬を膨らませて怒ってるようなので、とりあえず謝る。


「まぁいい。なら、カミトは何しに王都へ来たの?」

「俺たち今日から王都で暮らすことになったんです。リブロでは生活しにくくなって」

「なるほど。じゃあ、これからは王都で冒険者をするの?」

「その予定です。クレアは商人として働けるスキルを持ってますので、商人を育成する学校に通う予定です」

「ってことはクレアさんはウチと同じ学校に通うんですね!」


 クレアとじゃれ合っていたシャルちゃんが突然声を出す。


「同じ学校?シャルちゃんは冒険者学校に通ってるんだろ?」

「はい!ですが王都では商人の技術を学ぶ学校と冒険者の技術を学ぶ学校が併設されてるんです!」

「授業の内容は違うけど年に何回か交流もある。その時に商人を守りながらの護衛任務とかを行う」

「へー、そうなんだ」

「わー!シャルちゃんと同じ学校なのは嬉しいよ!」


 クレアが心の底から嬉しそうに喜ぶ。

 リブロにも冒険者学校はあったが商人の学校と併設はしてなかった。

 ちなみに、冒険者学校も商人を育成する学校も5年間在籍することができ、一般的にスキルを獲得する12歳から17歳までが通っている。


 そんな話をしていると、お母さんが料理を手に持って現れ、俺たちは晩御飯をいただく。

 その最中、ずっとセリアさんたちに伝えたかったことを伝える。


「えっ!おばあちゃんのアパートに暮らしてたんですか!?」

「うん!アムネシアさんには色々と助けてもらったんだ!」

「なるほど。おばあちゃんの手紙に書かれていた兄妹ってカミトとクレアのことだったんだ。おばあちゃんが2人のことを絶賛してたから、いつか会いたいって思ってた」

「どんなことが書かれていたのか気になりますね」


 絶賛ということから悪いことは書かれていないと思うが、内容がとても気になる。


「悪いことは書かれてなかったわ。でも、手紙に書いてた男の子がカミトさんね……」


 そう言って俺のことを意味深な目で見た後、俺の耳元に近づき、俺だけに聞こえる声でボソッと呟く。


「セリアかシャル、どちらかお嫁にどうかしら?」

「っ!ゴホッゴホッ!」


 突然の発言に俺はむせこむ。


「ふふっ、半分冗談よ」

「あ、半分は本気なんですね」


(アムネシアさん、手紙で褒めすぎです。マジで手紙の内容が気になりますよ)


 心の中でアムネシアさんに向けて呟く。


「ウチら、なかなかリブロに行けなくておばあちゃんに全然会ってないんです!おばあちゃんは元気にしてましたか!?」

「うん!アパート周りの掃除や料理を毎日欠かさずやってたよ!それに、私たちには毎日お裾分けまでしてくれたんだ!」

「正直、アムネシアさんのお裾分けはありがたかったです。とても美味しかったので、俺たちはアムネシアさんのお裾分けが毎日楽しみでした」

「ふふっ、お母さんらしいわ」


 アムネシアさんの娘であるお母さんが笑う。


 その後もアムネシアさんのお話で盛り上がりつつ、晩御飯をいただいた。

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