vsドラゴン20体 7
俺は2人の声を聞き、ドラゴン6体に特攻する。
先程まで俺たちのことを様子見していたドラゴンも俺の特攻を見て動き出す。
「セイクリッド•ランスっ!」
ソラが聖属性の槍を18本生成し、ドラゴン6体に向けて放つ。
追尾型ではないため全て避けられたが、6体全てが槍の回避に集中しており、ユメと俺の存在に注意を向けることができない。
「清流烈破斬!」
「『星剣技』三の型〈輪舞〉!」
「「グォ……ォォ……」」
俺とユメの剣技で一体ずつ倒す。
「残り4体っ!」
脳内音声の『レベルアップしました』を聞きつつ俺はユメとともに動き出す。
「スターライト•アローっ!」
次にソラが上空に魔法陣を発動。
そこから無数の矢が降り注ぐ。
「「「「グォォォォォっ!」」」」
上空から次々と放たれる矢目掛けて「ゴォォォォっ!」とブレスを放つドラゴン4体。
ブレスにより矢は全て消失したが、またしても俺たちのことを見失うドラゴン4体。
「清流烈破斬!」
「『星剣技』三の型〈輪舞〉!」
そして再び各々で1体ずつ討伐する。
「あと2体だな」
「1体はユメに任せてください」
「あぁ。頼んだぞ」
「頑張ってね!2人とも!」
とのことで…
「『星剣技』初の型〈牙突〉」
「天翔一閃」
俺たちはそれぞれ1体ずつ倒し、ドラゴン20体を全て討伐した。
ドラゴン20体を全て討伐し、無事エルザリア王国の危機を救う。
「おつかれ〜」
遠くで見守っていたであろうヨルカさんが声をかける。
「なかなか厳しい戦いでしたがヨルカさんのおかげで無事エルザリア王国を守ることができました」
「ユメたちのサポート、ありがとうございます」
「ヨルカさんが居てくれて心強かったです!」
俺たちは各々、ヨルカさんへ感謝を告げる。
「いえいえ!それより皆んなが戦ってる時、ウチらの戦いを魔王軍の幹部が観察してたよ」
「えっ!魔王軍幹部が!?」
俺たちはヨルカさんの発言に驚く。
「うん。まさか生き残ってるとは思わなかったよ。まぁ、その話は後でするよ。まずはエルザリア王国に戻ろうか」
「そうですね」
魔王軍幹部の話はとても気になるが、ヨルカさんが後でと言ったのなら今すぐ話さないといけない内容ではないので、俺たちはエルザリア王国に戻った。
エルザリア王国へと戻ってきた俺たちへ…
「英雄たちの帰還だ!」
「この国を守ってくれてありがとー!」
たくさんのエルフたちが出迎えてくれた。
その先頭にはマツリさんとメアリーさんがおり、俺たちに話しかけてきた。
「この国を守っていただきありがとうございます。貴方方がいなければ、エルザリア王国は滅んでいたでしょう」
「皆様の戦う姿はとてもカッコ良かったです」
どうやら避難誘導の終わったマツリさんたちは俺たちの戦いに加勢しようとしたが、ハイレベルな戦いを繰り広げていたため参戦できず、ずっと俺たちの戦いを見ていたようだ。
「いえいえ。無事、守ることができて良かったです」
思っていたことを素直に告げる。
ソラたちも頷いていることから、俺と同じことを思っていたのだろう。
「戦いで疲れてると思います。今日はゆっくり休んでください。今は回復魔法で怪我は治ってますがカミトさんは大怪我を負ってましたから」
「分かりました」
正直、貧血症状と戦いによる疲労で疲れ切っていたので、ありがたい提案だ。
「私は女王陛下へドラゴンが無事討伐されたことをお伝えします。メアリー、皆さんを部屋まで案内して」
「分かりました」
とのことで、俺たちはメアリーさんに連れられてマツリさんの家を訪れ、マツリさんの家でゆっくり休んだ。
戦いの疲れにより約1日ほど眠った俺たちは、マツリさんとメアリーさんを集めてドラゴン襲来の件を話していた。
「改めて、エルザリア王国を守っていただき、ありがとうございます」
何度目かの感謝の言葉を告げたマツリさんが話を続ける。
「今回の件で女王陛下であるヒナ様が皆さんにお会いしたいと仰っております」
「やっぱりそーなるよね」
「俺もそんな予感はしてました」
報酬欲しさにやったことではないので謁見など必要ないが、そういうわけにはいかないという事は王都で学んだので素直に受け入れる。
「日時は後日お伝えします。それと今回のドラゴン襲来はエルザリア王国近くにあるS級ダンジョン『飛竜』のダンジョン崩壊によって起こりました」
そう言って話を続ける。
「最近、討伐隊を組んでダンジョン内のドラゴンを崩壊しない程度に討伐したのですが、何故か崩壊を引き起こしてしまいました」
「原因不明ですか……」
原因不明となると再び起こる可能性もあるため、何としてでも原因は見つけておきたい。
そう思い原因究明のお手伝いを申し出ようとした時、ヨルカさんが口を開く。
「今回のダンジョン崩壊は意図的に引き起こされたものみたいだよ」
「意図的……ですか?」
「うん。これはカミトくんたちが6体のドラゴンと戦ってる時の話なんだけど……」
そう言ってヨルカさんが魔王軍幹部と対峙した時のことを話し始めた。