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スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活  作者: 昼寝部
4章 エルザリア王国編
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魔道具お披露目会 2

 メアリーさんに指名された俺はステージに上がる。

 そしてメアリーさんからイヤリングを受け取る。


「これを付けてこのままお待ちください。しばらくしたら私が何かを話しますので、聞こえてきた言葉を教えてください」


 そう言ってメアリーさんが消える。

 正確には強化した身体能力を遺憾なく発揮し、家の屋根を使って遠くまで走り去った。


 メアリーさんの姿が見えなくなった頃…


『聞こえますか?モテ男くん』

「あ、はい。とてもよく聞こえますよ」

『ふふっ。ありがとうございます』


 モテ男くんとの呼び方を変えてほしいが、名乗るタイミングを逃したので我慢する。


『では私の言った言葉をそのまま復唱して下さい。「3秒後、上空に魔法を放ちます」と』


 そう言われ、俺は広場の方々に聞こえるよう復唱する。


「3秒後、上空に魔法を放つみたいです」

「おぉ!どうやらメアリーさんからの念話が届いたみたいですね!」


 俺の言葉を聞いて司会者が声を上げる。

 その言葉に周囲の人たちは騒つく。


『ではカウントダウンをお願いします』

「あ、はい。ではカウントダウンを始めます。3……2……1……0っ!」


 俺が0と言ったタイミングで“ドカンっ!”と大きな音が響き渡る。

 そちらの方を向くとかなり遠くの方で魔法が何発も放たれていた。

 タイミングからメアリーさんが放った魔法という事は誰しもが理解できる。

 そして、そんな遠い場所まで俺のカウントダウンが聞こえることはあり得ないので、イヤリングを通した念話で俺のカウントダウンを聞いていたと周囲は理解する。


「う、嘘だろ!本当に念話できてるのか!?」

「これは凄い魔道具だぞ!」

「ここから20キロは離れてる!すご過ぎるぞ!」


 等々、広場では様々な発言が聞こえて来る。

 しばらくすると魔法が終了し、数分後、メアリーさんが戻ってきた。


「いかがでしたか?コチラが私の紹介したい魔道具です。距離により魔力消費量は変化しますが、魔力さえあれば、どれだけ離れていても念話可能となっております。ご清聴ありがとうございました」


 “ペコリっ!”と頭を下げたメアリーさんがステージから移動する。

 それに合わせて俺もメアリーさんと共に退場する。

 そしてステージ裏に着き、俺はイヤリングを返す。


「すごく貴重な体験ができました。ありがとうございます」

「いえいえ。コチラこそ急なお願いを聞いていただき、ありがとうございました」


 俺の手からイヤリングを受け取り笑みを見せる。


「他の方も魔道具を紹介しますので続きも楽しんでくださいね」


 そう言って立ち去ろうとするメアリーさんを「待ってください!」と呼び止める。


「あの!メアリーさんのお母さんであるマツリさんに用事があって俺たちはエルザリア王国まで来ました!」

「お母様にですか?」

「はい。なのでもしよろしければお会いできる機会を作っていただけると嬉しいのですが……」


 俺の発言に申し訳なさそうな顔で口を開く。


「ごめんなさい。お母様は多忙な方なので簡単にお会いできない……」

「大丈夫よ、メアリー」


 メアリーさんの発言を遮って1人の女性が現れる。

 歳をとっていることで少しシワのある顔をしているが、メアリーさんに似た雰囲気を感じる。


「私がこの国の宮廷魔導士長のマツリよ。私に用があるのよね?」

「あ、はい。俺はカミトと言います。王都で冒険者として活動しているS級冒険者です」


 そう言って金の冒険者カードを見せる。


「S級冒険者!?」

「そう。貴方が最近S級冒険者になったカミトなのね。只者ではないと思ったから話しかけたのだけど……」


 メアリーさんが目を見開いて驚き、マツリさんは冷静に俺の自己紹介を受け入れる。

 他国まで俺の噂は広がっているが、顔までは広まっていないため、このような反応は予想していた。

 実際、俺を含めS級冒険者は6人いるが、俺はメルさんしか顔を知らない。


「マツリさんへの要件は後ほどでも良いですか?マツリさんに会わせたい方がいるので」

「構わないわ。S級冒険者に恩を売るのは悪くないもの。この会が終わったら時間を作るわ」

「ありがとうございます」


 とのことで俺は広場へ戻り、みんなと合流する。


「どうだった?本当に念話できた?」

「はい。バッチリできましたよ。それとマツリさんに会ったので、これが終わったら会える約束もしました」

「さっすがカミトくん!」


 ヨルカさんが嬉しそうな声を上げる。


「なのでマツリさんと会うまでは楽しみましょう」


 とのことで、俺たちは魔道具お披露目会を楽しんだ。

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