エイルズ・テムジン
「避けてばっかり!それしかできないのか君は!」
「え?攻撃していいの?」
「していいに決まってるだろ!できるもんなら」
エイルズが俺に言った後俺はエイルズが突っ込んできた時にタイミングをあわせて足を前に出してエイルズを転ばす。
「ぐべ!」
エイルズが顔面から転ぶ。あ、これはやばいかな?顔からけっこう強めにいったかな?大丈夫かな?
「だ、大丈夫?」
俺はエイルズの前に手を出すとエイルズは目から涙を溢れさせる。やっちゃった。多分これ俺怒られるなこれ。
「びえーー!僕の顔がーー!痛い!痛いよ!びえーん!」
エイルズが泣き出すと屋敷にいたメイドと執事が慌てて近づいてくる。エイルズの泣いてる姿を見てメイドと執事が驚いていた。
「テ、テムジン様。どうなされましたか?」
「あいつに足引っ掛けられて転ばされたー!」
エイルズが俺を指していう。酷い言い草だ。やりすぎたとは思うがそれじゃ俺が全部悪いみたいじゃないか。
「エイルズ様!ご無事ですか?エイルズ様は魔法、近接戦闘が得意と聞いていましたがなぜ泣かれておられるんですか?サイト様はウルエルド家では凡人と言われているんですよ?」
アクセクトが現れ、転んでいるエイルズに近づいて言うとエイルズは急にばっと立ち上がり
「え?どうしたのかなみんな?僕はなんともないよ?」
「え?いやいやテムジン様今顔をおさえながらすごく泣いておられ」
「泣いてないよ。僕はエリートなんだからさ。凡人に泣かされるわけないじゃない」
すごい変わり身、と言うかよく涙ひっこんだな。さっきまで大泣きしていたのに。
「それより僕はトイレに行きたい。案内しろ」
エイルズは執事に言った後執事とメイドはエイルズを連れて屋敷に戻って行く。テムジン家の子供ってあんなんばかりなんだろうか?
「サイト様。あなた様はあんな馬鹿みたいな子供よりできるお方なのに凡人などと言ってしまい申し訳ありません」
アクセクトは俺に頭を下げて言う。
俺は表向きはただの坊ちゃんとして過ごしている。魔法の勉強にしてもカーミラ母様に何か聞かれてもこの魔法の本たのしいですね、くらいにしか言ってない。俺が強いことがバレたら色々面倒だし母様達にも迷惑をかけるかもしれない。だからほんとうの実力は隠して生きるんだ。表向きは。なめられすぎたらバレない程度には軽く揉んであげるけどね。エイルズにしたみたく。
「サイト様。ご報告があります。私からすればどうでもよいことなのですがあの子供、エイルズはどうやら狙われているようです」
「へぇ。なんでだ?」
俺とアクセクトが二人きりになった後にアクセクトが言うと俺は理由を聞く。あいつが金持ちだからか?いや、そんな奴ならいくらでもいると思うが?
「テムジン家は才能あふれる子供がよく生まれてくるらしいのですがエイルズはテムジン家ではかなり稀の子供らしいです。今までは魔法だけ、身体能力どちらかだけだったのらしいですがエイルズはどちらも秀でているらしくテムジン家を邪魔に思う人らがエイルズを子供のうちに始末しようという魂胆らしいです」
なるほど。確かにさっき戦ってみた感じ俺と同い歳であのレベルは高いな。魔法は見てないが。それにマングス街には俺と同い歳がいないからな。基準がわからん。
「おそらくですが今夜仕掛けてくると思います。どうなさいますか?」
あいつのことはどうでもいいけど父様の管理しているこのウルエルド領で暗殺を行うというなら俺がそいつを始末しよう。
「情報助かるアクセクト。俺はそいつを始末する。夜になるまではできるだけ怪しい行動をしないようにしていてくれ。あと気に入らんかもしれないけどあいつのことを見ていてやってくれ」
「サイト様の命令であればどれだけ嫌でもやりますよ。お任せください」
本音はできるだけ出さないようにね。誰が聞いてるかわからないからさ。
俺はアクセクトと話したあと部屋に戻り夜に向けて準備する。ちなみに部屋に戻った後エイルズは全く俺の部屋に戻ってくる気配がなかったからアクセクトにエイルズのことは任せた。
そして夜になると俺は顔を覆うくらいのヘルメットをかぶり、黒いライダースーツをきる。俺は窓から部屋を出て屋敷の入り口に立つと物騒に俺と似たような格好をした人が三人くらいいた。あれが暗殺者か。
「子供か。我々は大事な仕事がある。おまえのようなやつにかまっている暇はないから早くおうちに戻りな」
「ことわる。俺はおまえらを始末しにきたんだよ」
俺は三人に行った後、一気に三人に近づき二人は片足ずつ掴んで空に向かってぶん投げた後、水魔法で水の球体に体を包み込ませ空に浮かばせる。
「自ウォーターボール。まずは二人窒息死してもら」
二人は必死に暴れていたが数分後に全く動かなくなりウォーターボールを解いた後、俺は自分に身体強化をかけて二人に持っていたナイフで首をつき殺した。