マサクス領へ 3
馬車の中には右左と席がわかれているが右側に結局俺が真ん中、左にアンナ、右にマリン。左側、俺の正面にはアクセクトとハヤテの二人が座る。二人は隣同士で睨み合っていた。そしてアンナとマリンもなぜか睨みあう。
なぜマサクス領に向かう仲間同士でこんな険悪そうになるんだ。気が休まらないぞ。
アンナは俺に近づきながら抱きつくと
「ちょっとそこのメイド。サイト様にくっつきすぎじゃありません?少し離れなさいな」
「は?あんたには関係ないしー。うちはサイトのお気に入りだからいいのー。関係ない人は黙っててください」
アンナはマリンに煽るように言うとマリンの背中からは謎の冷気が感じるくらいに笑顔で怒ってる。はぁー。なんでこんな殺伐としてるんだか。
俺の左右はこんなんだし正面の二人は
「まさか朧の頭がこんなところにいるとはねぇ。ブラッドシェパードに始末されたかと思っていたけど」
「私もお前みたいな足にしか自信がない悲しい殺し屋はどこぞですぐ死ぬと思っていたがな。あれだけスピード暗殺を生業にしていたくせに貴族の執事になってまで生きているとは。随分図太いね」
......二人とも俺に見逃されて生きてるようなもんなんだから別にいいじゃないか。
この五人でマサクス領まで向かうのなんか辛いわ。精神的に。
俺がそんなことを思っていると数時間後に馬車が急に止まる。なんだ?変な道でもあったのか?
「めっちゃいい馬車じゃねぇか。俺たちに譲ってくれよ?なぁ。いいだろ?」
身なりが盗賊的なやつが馬をひいている人にナイフを向けながらいう。
さて身の程をわからせるのと憂さ晴らしをするか。俺は馬車から降りると俺の前にアクセクトとハヤテが立ち
「サイト様。ここは私とこの足だけ男にお任せを」
「は?俺一人でも十分だぞ?むしろ休んでればいいだろ?お前は俺に茶でもつくれや」
二人は盗賊を前にしてまた喧嘩を始める。いい加減にしてくれ。この二人こんな時まで喧嘩を
「おいおい面白ぇ二人だな。お前らが喧嘩してる間に馬車とそこの坊ちゃんは殺させてもらうぜ!」
盗賊の頭的な男と馬車を襲うために隠れていた盗賊の手下たちがゾロゾロと姿を表す。
「サイト様を殺す?それは無理な相談だ。後お前らの前でこんな喧嘩まがいのことをするのは余裕があるからだぞ?」
アクセクトは盗賊達に言うと盗賊達はアクセクトを狙う。アクセクトは襲いかかってきた奴らを一瞬で始末した。
「これで喧嘩をしないなら俺的には嬉しいんだが」
「サイト様。喧嘩などしていませんよ。これは教育というやつです」
「は?教育?なんで俺がお前なんかに教育されなきゃいけないんだ?個人で殺し屋やるのが嫌だから組織を作ったやつがさ」
ハヤテはアクセクトに言った後アクセクトはハヤテを睨んだ後、盗賊の頭は
「よくも俺の部下を!許さんぞ!」
盗賊の頭は背後からハヤテにナイフで斬りかかるとハヤテは背後にいる盗賊の頭に手を後ろに向けた後
「うるさいやつだ。ウインドカッター」
ハヤテの背後にいた盗賊の頭は風のやいばで縦に両断され、地面に転がる。
「雑魚は邪魔しないでくれよ。今俺はこの馬鹿と喋ってるんだからよ」
「ふん。バカというやつの方がバカだと思うが」
この二人は喧嘩ばかりしてるがまぁうまくやれてると思うか。一応だけど。することはしてるし。とりあえずはやく
「マサクス領の学園につきてぇな」
俺は馬車の中で座りながら隣から強めに抱きついてくるアンナとマリンに対しそう思っていた。
俺たちがガンスゥ村を出てさらに数週間後、他にこれといった寄り道はせず休み休みでなんとかマサクス領にまで辿り着いた。帝都アンカレスまではまだ数日かかるらしいが馬車は一旦ここでお別れらしい。
「マサクス領にはマサクス領の馬車がありますから私達はそれを探しましょう。彼にはウルエルド領で仕事がありますから」
アクセクトはここまで運んでくれた馬車の人に代金を渡し、見送った後、俺に近づいてきていう。馬車の人には悪いが俺は今の方がいいかもしれん。アンナとマリンも俺から一定の距離は離れてくれるし。馬車のなかだとずっとくっついてきたからな。正直ドキドキしっぱなしだった。
「サイト様。これからはどこに向かいますか?帝都まではまだある程度距離がありますわ」
「そうだな。どうしようか」
俺はアクセクトやマリンと考えごとをしていると
「サイト。誰か私達に近づいてくるよ」
アンナが俺にいつもとは違って真面目な顔で俺にいう。いつもはチャラチャラしているこいつだがこう真剣な時はけっこうやばいやつが来る時だな。
アンナが言った後俺たちの前に現れる四人の人。
「お前らがウルエルド領でガウロンのことを始末したやつらか?我輩達はコーズレン。四人でパーティを組んでいる冒険者だ。主に裏稼業のな」




