待ち受ける女
「ああ。いいわぁ。サイト様かっこいい」
私の名はマリン。今ウルエルド領のガルスゥ村で魔法の水晶を使って愛しのサイト様を見ていた。
「盗賊相手に応じないサイト様。まじかっこいいわぁ。本当最高」
「マリンお嬢様。見たところサイト様は何もしておりませんが」
私に使えるもとは疾風と呼ばれていた暗殺者あらためハヤテが私に言う。
「はぁ?あんたわかってないわねぇ。二年前にあんな酷いやられかたしてお父様に始末されそうになったのに」
「その件に関しては何も言えませんがサイト様は今回は本当に何もしてませんよ」
「あなたは本当にバカね。本当の強い人ほど実力は見せびらかしたりしないものなのよ」
私はハヤテに言うとハヤテは理解できないように
「なんでそんな意味の無いことをするのか俺には理解できかねます。世の中力なき物が生きていけるほど生活は甘くないですよ」
「やっぱりあなたはわかっていない。しょうがないから簡単に紹介してあげるわ。そのままバカなままだと私より先に死んじゃいそうだし」
私はハヤテに言うとハヤテはまた理解できない顔で私を見る。こいつと生活してニ年。実力にかんしては問題ないけどこの頭の軽さに関してだけは悲しく思うわ。本当に護衛として実力は申し分ないけど頭が残念すぎるわ。
「じゃ簡単に説明をはじめるけどそうね。ハヤテ。あなたなら自分より強いやつと戦おうとする?」
「そうですねー。俺なら戦いはしますけどただ正面からはやりません。おそらくですが負けるでしょうから。相手の戦闘スタイルにもよりますが」
こういう戦闘面に対しての考えだけはちゃんとしてるんだけどね。自分があまり関わらないとなるとポンコツみたいな考えになるのよね。それがなければここまで心配しなくていいんだけど。
「そこまで考えているならいいわ。ま、私の護衛はちゃんとしてよね」
「それはちゃんとやりますよ。命の恩人でもあるお嬢様を死なせては俺が当主様に会わせる顔がありませんから」
そうね。ハヤテがミスってもし私が死んだりするようであればお父様は怒るでしょうね。ま、私もそんな簡単に死ぬつもりもないしやられる気もないけど。
「じゃ後数日すればあの方も来る頃だろうしそれまではのんびりしていましょうか」
私はハヤテに言うとハヤテは私に紅茶を入れてくれた。
盗賊に襲われ数日後、のんびりしながらも俺たちは最初の目的地であるガンスゥ村に着く。
「サイト様。ガンスゥ村に着きました」
村の前で馬車は止まるとアクセクトが先におり、その後に俺も馬車からおりる。
「アンナ。着いたぞ。いい加減起きろ」
馬車の中で寝ていたアンナをアクセクトが起こす。盗賊に襲われた後アンナは豪快にイビキをたてながら寝ていた。
「ん、んー?もう朝?」
「まだ夜じゃないよ。ったくいつまで寝てるんだ。もう目的地に着いたぞ」
「ん?ガンスゥ村ってとこについたの?」
アンナはあくびをしながらゆっくり馬車から降りるとアクセクトは馬車をひいている人と話をしその間俺はアンナとガンスゥ村に入る。
ガンスゥ村はアクセクトの言う通り市場が美味しそうなもので溢れていた。
「サイト!美味そうな食べ物がたくさんよ!あの赤い実とかどう?」
「あれはリリガだな。食感がいい感じにカリッとしてうまいらしいぞ」
店で売っている赤い実をさしてアンナが言う。リリガについては魔法の研究をしている時文献で見たことある。まだ食べたことはないんだよな。屋敷でも出なかったし。
「サイト!あれ食べよう!てか買って!」
え、自分の給料で買えよ。って言おうと思ったが
「うちがなんで屋敷でまだメイド扱いが許されてるか教えようか?」
「え、急になんだ?とりあえずまぁうん。話は聞こう」
「うちマイナス査定だから給料ほぼないの。ほら。これ」
アンナは服のポケットこらお金、銅貨を二枚だす。この世界のお金は下から銅貨、銀貨、金貨と三種類あり銅貨十枚で銀貨一枚、銀貨十枚で金貨一枚とわかりやすいものだ。銅貨は働けば大抵もらえるが銀貨は一枚もらうのは働いていてもなかなかない。貴族がほとんど管理しているようなものだ。ちなみに銅貨は百枚で金貨一枚分だ。
「えーと、リリガの値段は銀貨二枚か」
「お、あんちゃん!買うのかい?買うなら一個銀貨一枚にまけてもいいよ!」
リリガを売る店の店員が俺に言うと俺はリリガを一個買い、アンナに渡す。
「ほら。これでいいか」
「ありがとう。サイト!うちあんたに一生の忠誠誓うわー」
リリガ一個分くらいで大袈裟な。アンナがリリガを食べようとした瞬間、店の近くを歩いていたら子供がアンナにぶつかり
「おとと」
「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」
ぶつかった子供はひたすらアンナに謝る。子供の姿を見るとかなりボロボロの服を着ていた。この村にはこんな子がいるのか?




