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台風一過

作者: 秋葉竹





海に流されて昨夜の台風の名残りか


壊れた小舟が漂っている


朝日に向かって


ホラ、


漕ぎ出してるみたい


あなたの孤独を救ってあげたかった


らしいよ、って


君、なに様のつもりなの



忘れられない悩みも嫌なことも


それはガラクタの墓場に


転がってるだろう心の隙間に刺さる


想い出としてけして抜けない


けど


そんな要らないもの以外にも


喜びも楽しさも


心の道には転がってるだろう


朝日だって真っ赤になって泣いてるだろ?


昨夜の荒れ狂う台風で


この世界の復旧までに


いったいどれほどの時間が


かかるのだとしても


台風一過、


そこになないろの虹は架からなくても


涙みたいな美しい赤いろが世界には


染み渡っているから


なぜって、それがほんとうの世界だと


ホラ、


君と、


私もみんなもそのことを


間違いなく


知っているから


だから、君も


私のことを慰めてくれなくても


いいんだよ私は


台風一過、


壊れた小舟みたいになっても


きっと私ひとりで立って


歩いてゆかなくちゃ、


いけないと、想うから


そうしなくちゃ、いけないと


私じしんが、


知って、


いるから









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