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11.敵襲来



――私は邪神様を崇拝している。他の神も人もあの方の前では塵同然。この力であのエルフを捕まえ、貴方様を必ずや…!



歩く災害はある街へと足を進めた。






▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼



何も知らないシルフ一行は、依頼を受けるためにギルドへ来ていた。


「シルフを連れて行っても安心安全な依頼はないかしら」

「それでしたらこちらの依頼とかはどうでしょう。」


シオンさん達が話しているのを余所目に、僕はぼーっとしていた。


(幸せだなぁ。こんなに幸せでいいのかな。2人に恩返しして、迷惑かけずに生きていくぞー!おー!)


シルフが1人で盛り上がってる時、異変が起こる。


――街全体が揺れたのだ。


「これはまさか…!」

「シルフ!ギルドの奥にいて!絶対出ちゃダメ!」

「Bランク以上の人は私に着いてきて!」


揺れたのと同時に、付近に膨大な力を感じた2人は、シルフをギルドの奥に避難させ、瞬時に周りに指示を出した。


元々慕われていた上にSランクに昇級した2人の指示に異議を唱える者はいなく、迅速な連携が取れた。


2人は他の冒険者を連れて地震の元凶へ向かう。


そこには忌み嫌われている男が居た。


「やっぱり貴方だったのね。終焉邪教(ディマイズヘレシー)幹部、リュウシン。この街はあなたをお呼びじゃないわよ。」

「一体何の用。早く帰って。」


2人は眉間に皺を寄せながら、不満を吐く。

対するリュウシンは、頭に?を浮かべていた。


「お会いしたことはありませんが、私も有名になったものですねぇ。なに、この街をどうするつもりはありません。ただ、ある()()()をもらいに来ただけですよ。」


()()()。この街でリュウシンが求めるエルフは1人しかいない。シオンとサラは確信していた。


「絶対に渡さないわ!帰らないと言うなら無理やり帰らすまでよ!サラ!」

「ん!強化魔法<大>!」


先手必勝。即座にサラはシオンにバフをかけ、シオンは音速に近い速度で斬りかかる。

だが、


「ん〜()の私にその速度は遅すぎますねぇ。」


リュウシンは、シオンの一撃を軽く躱した。


「次は私の番ですね。」


直後、私とサラは膝をつき、他の冒険者は倒れた。

え、今何を…何をされたの……。

シオンとサラは混乱していた。こんな魔法は聞いたことがない。しかも詠唱なしだ。

すぐには立てずにいると、


「リュウシン貴様ぁぁ!」


ギルマスのガロウがシオンより更に早い速度で飛びかかった。まともに受けたリュウシンは10m程吹き飛ばされた。


「大丈夫かお主ら!!彼奴は精神魔法を扱えるのじゃ!」


精神魔法…。聞いた事はある。禁忌の魔法だとして封印されていたはずだ。


「なんでそんなものが使えるのよ!?」

「対策はないの?」

「あるにはあるが、いまこの場では出来ん。」


3人が話していると、リュウシンが起き上がった。


(元Sランクの攻撃をまともに受けて無傷って、どんだけ頑丈なのよ!どうしたらいいの。精神魔法なんて対策分からないわよ。)


思い巡らせていると、リュウシンが話しかけてきた。


「なぜ戦うのですか。エルフを1人私に渡すだけで済むのですよ?。無駄な争いなぞせずに、穏便にいきませんか?」

「うるさいわね!どう言われてもその子は絶対に渡さないわよ!」

「シルフは私達の!渡さない!」


2人は立ち上がりガロウと共にリュウシンへ殺意を向けた。


「野蛮ですねぇ。仕方ありません。貴方方を殺して連れ去るとしましょうか。」


リュウシンは禍々しい黒い剣を創りあげる。


その間にガロウが作戦を立て、伝えてきた。


「わしとシオンが突っ込み、彼奴を抑える。隙ができたら、ワシらは後ろへ飛ぶ。その時サラが魔法をぶち込むのじゃ。」

「わかったわ。」

「ん。了解。」


もはや作戦とはいえないが、それしか方法はなかった。幸い相手は剣で来るつもりだから可能性はある。


「そろそろいいですか?時間が惜しいのですよ。」

「えぇ。もう十分よ。サラ、お願い。」

「ん。強化魔法<極大>。」

「っ…!ありがとね。」


強化魔法は万能だが、何度もかけると体に負担がかかる。早々に決着をつけなけらばならない。


3人とリュウシンが向き合う。

先に飛び出したのはシオンだ。


「うぉらぁぁぁ!」


音速で斬りつけたが、予想通り防がれた。

リュウシンの後ろからガロウが右手で斬りかかる。


「あまいですよっ!。」


リュウシンはシオンを蹴飛ばし、ガロウの剣を弾き飛ばした。

だが、それが罠だと気付いていなかった。

ガロウは隠していた左手の剣で斬りつける。

対応が遅れ、リュウシンは体勢を崩す。

刹那、シオンとガロウは後ろへ飛んだ。


「サラ!いまよ!」


詠唱し終わったサラへ合図をだす。


「ん!《インフェルノ》!!」


世界で数人しか使えない極炎魔法を放った。

どんな相手でもこれで終わりのはずだが、


「なかなかに効きますねぇ。」


男は無傷であった。


「う...そ...。そんなのありなの…。」


3人の顔は絶望に染まった。


「次はこちらの番ですね。精神汚染魔法。」


リュウシンが魔法を放つと3人は膝を着いた。

しかし、意識だけは持ってかれないようにしている。


「強情ですねぇ。今後の為に一応殺しておきますか。」



黒い剣を創り、シオンに近づいていく。


(シルフ…。ごめんなさい…。貴方だけでも生き延びて…。)


死を覚悟し、リュウシンの剣が私の首をはねるのを待っていたら、ここにいないはずの愛らしい声が聞こえてきた。


「だめ!!殺さないで!お願い!」


(え……。な、んで…。なんでここにいるの…シルフ!)




前を見るとそこには守るべき幼女の姿があった。

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