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【WEB版】ループから抜け出せない悪役令嬢は、諦めて好き勝手生きることに決めました【コミカライズ連載中】  作者: 日之影ソラ
本章第一幕

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51/74

1巻発売記念SS

12/9発売!

「――そういうわけだから、何か面白い話をしてくれる?」

「……」

「どうかしたの?」

「無茶ぶりが過ぎるだろ」


 ディルは呆れながらため息をこぼす。


「退屈だからって適当に話を振らないでくれ」

「いいじゃない。貴方はいろんな場所に行ったことがあるでしょ?」

「それはそうだが、大体話したぞ」

「他には?」

「いや、だから……はぁ……」


 ディルはもう一度盛大にため息をこぼす。

 そんな彼の様子を見ながら、私はクスクスと笑う。


「俺で遊んでるだろ」

「バレた?」

「ったく、最近この扱いが増えた気がするんだが」

「気のせいよ」


 私たちも出会ってからそれなりに時間が過ぎた。

 これだけ一緒にいれば、自然と距離は縮まっていく。

 お互いに秘密を知っている間柄だ。

 多少、打ち解けてもおかしくない。


「もっとトゲトゲした印象だったんだけどな」

「私のこと? 間違っていないわよ」

「そうか。最近のお前は、なんというか……小悪魔だな」

「悪魔なんてひどいわね。これでも人間よ」


 幸福に生きたいと願うだけど、どこにでもいる人間だ。

 私がそう言うと、ディルは笑う。

 

「お前が普通なら、世の中の大半が普通じゃないだろうな」

「おかしな経験が多いことは認めるわよ」

「そこだけじゃないって。ま、俺も普通とは程遠いから、言えた義理じゃないがな」


 私は死んでループし、彼は死ねずに彷徨い続ける。

 普通とは縁遠いと自覚している。

 だからこそ、普通を目指している。

 普通に死にたい。

 普通に幸せに生きたい。

 ただ、それだけ。


「特別なんて……特別なだけで、いいことばかりじゃないわね」

「まったくだ」


 平穏が一番だと、私たちは心から思う。

 同じ境遇だからこそ、通じ合うものがあるのは事実だ。

 少しずつだけど、私たちは目指す場所に違づいている。

 そう思いたい。


「この退屈にも慣れないといけないわね」

「それはどうかな? 普通が必ずしも退屈とは限らないだろ」

「そう? だったら貴方が私の退屈を紛らわせてくれる?」

「……善処する」


 ディルは苦笑い。

 だけど嫌だとは決して言わない。

 そんな彼の甘さに思わず笑ってしまう。


 こういう時間も、悪くない。

新作投稿しました!

タイトルは――


『妹に婚約者を奪われた伯爵令嬢、実は敵国のスパイだったことに誰も気づかない ~婚約破棄に追放は計画通り! さぁ国に帰ってのんびり暮らしましょう~』


ページ下部にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!

リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。


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新作投稿しました! URLをクリックすると見られます!

『没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしれきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!』

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第一巻1/10発売!!
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