魔獣
「これもよくあることなの?」
マイケルとポールに聞く。
「まぁたまにあるよ。」
「とりあえず避難しないとー。街の中に入ってくることはあんまりないけどねー。」
ほーん。
一応危ない事もあるらしく、避難する事になった。
避難と言っても自宅に逃げるだけだが。
どうやら魔獣が出ている間は火事場泥棒的な犯罪が増えるらしい。
軍や憲兵が魔獣討伐に割かれるからかな。
2人と別れて屋敷に戻る。
屋敷に戻ると、母さまは討伐の指揮を取りに出かけてしまい、屋敷にいなかった。
しかも執事さんに、部屋に閉じ込められてしまった。
子供は邪魔なんだろう。
暇である。
暇だし抜け出すか。
母さまに会いに行こーっと。
美人は3日で飽きるというが、今の所時間の許す限り見ていたい、それが母さまなのだ。
怒られるかもしれんが。
ひょいひょいっと建物の屋根に登り、あたりを見回す。
北側の防壁でやってるみたいだなー。
屋根を渡りながら向かう。
街には人があまりおらず、静まりかえっていた。
お、母さまはっけーん。
防壁の上で指揮を執っていた。
なんか母さま光っとるぞ。
一気に跳躍して、防壁の淵に張り付く。
そこからよじ登り、母さまの横にたどり着いた。
「ねぇねぇ、母さま、なんで光ってるんですか?」
「ん?魔法だ、弓兵の放つ矢を全て強化して……はうあ!」
母さまが混乱している!
魔法がきれてないっぽいのが流石だな。
「何故ここにいる!?」
「え、母さまいないし、魔獣っていうの見てみたいなーって思って。」
「なっ!?……説教は後だ。来てしまったらなしょうがない。そこを動くな。」
「はーい!」
返事をしながら、防壁の外側を覗く。
お、おったおった。
雨霰のように降りしきる矢の先にクマのような大きな獣が1匹。
多分あれヒグマよりだいぶでかいな……。
てか矢結構刺さってんじゃん。
矢はエンチャントされているのか、少し薄く光っている。
母さまの魔法だな。
あ、撤退していった。
ちょっとかわいそうだな。
母さまが号令をだし、矢が止まる。
「母さま、終わりですか?」
「いや、またいずれ来るだろう。魔獣というものは、必ず近くにある人の住処を襲う。」
「では、追撃を?」
「その必要はない。外に出ては被害者が出るかもしれないからな。こうして壁の内から攻撃できる魔獣はゆっくり倒せばよい。」
なるほどなぁ。
これは見に行く必要がありますねぇ。
魔獣を。
しかし外から来る人とか危ないんじゃないの?と思ったが、ここより北から来るのは国を渡る行商人だけらしい。
そういった人達は大抵身を守る術を持っているそうだ。
母さまに連れられ、防壁を下る。
今度はちゃんと内側からだ。
すっげぇ!内部デモ○ズソウルみてぇ!
青目いねーかなー!
アホな事を考えながら防壁を出て屋敷に戻る。
母さまは、今後の体制を話し合うそうだ。
24365になるだろうしなぁ。
ブラックだ。
せめて3交代制になる事を祈る。
俺は母さまのために風呂の用意をした。
母さまが帰って来てから一緒にはいろーっと。
明日は早起きして抜け出して魔獣見に行かないとな!
なぜならもふもふだったから!
仲良くなれないかなー。




