表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

3歳と27歳

約2年続いた自由な日々は終わりを迎えた。姉の旦那さんの仕事がたてこんで来れなかったらしいが、お盆に日本に来れるようになったらしい。


今まで来れなかった理由は個人的には嘘っぽいと思ったが、あの子に会わなくていいかと思うとそれすら嬉しかった。


空港に出迎えにきた私たち。

姉夫婦はすぐに見つかった。そりゃあイケメン外国人がいますから。


「こんなに遅くなってしまい、申し訳ありません」

「いえいえー、3人が無事で良かったよ。

こんなにノアちゃん大きくなったんだねえー」


嫌味か、お母さん。


「ごめんね、お母さん。なかなか都合が合わなくって。雪、これお土産」

「ありがとう、いい匂いだね」


姉夫婦はお土産に茶葉を買ってきてくれた。

それから、なんとなく下から視線を感じた。


「ママだれ」

「ママのママ、えっとおばあちゃんといもうとのゆきだよ」

「私もおばあちゃんねえー」


2年たったあの子は女の子のようにかわいらしく、今から美形のオーラをだしていた。そして、どこか人ではないような空気をだしていた。


「ごめん、私急用思いだし」

「ゆき」

「えっ?」

「ゆき」


恐る恐る目線を合わせるためにしゃがんだ。 


「どうしたの?」

"チュッ"


唇に何かがついてはなれた。


「ゆきしゅき」

「ノアゆきしゅき」


聞き流したかった。


「あら、おばあちゃんは好きじゃないの?」

「日本語まだあんまり覚えてないはずなのに」

「雪さんのことまだ覚えていたんですね」


「あー、私やっぱりなつかれてますねー」


声は震えていなかっただろうか。

顔は白くなっていないだろうか。


「ゆき めーっ」 

「うん?」


しゃがんだ。


「痛っ」


ほっぺたを爪でひっかかれた。ほんの小さい子どもの爪とはいえ、血はでるみたいで……


「こら、ノアなにしてるの!」

「雪さんに謝りなさい」


「大丈夫だよ……」


ひっかかれたことよりも私が衝撃を受けたのは、ノアが笑っていたことだった。


「ぁあっ」


また始まる、恐ろしい時間が。


「ゆき ノア 見なきゃ めーっ」


神様、私は貴方に何かしましたか?


年月の流れを3年から2年にしました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ