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文学少年  作者: 杠葉 瑞樹
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面倒な出来事

初心者ですので何でも許せる人向けです。本来接触してない人同士が接触してます。

僕は今何処に居るのだろうか?周りを見渡せば馬車が,散切り頭が,着物を着たハイカラな女性が━━一体何が起こったのだろうか。


一寸整理してみようか僕は何時ものように自室にこもって本を読んでいた(生憎友達は0に等しい)。読み疲れたから寝て目が覚めたら冒頭の状態に至る━━成る程さっぱり分からない。分かる事はこの時代は明治か大正か少なくとも平成じゃないことは一目瞭然だった━━さてまずは何をしようか。


考えた結果僕らしく書店へ行くことにした(本を見れば何か情報が得られるかもしれない)。幸いなことに目の前に商店街があったので活用させてもらう━━やっと見つけた小さな書店(本が陳列している奧に部屋があるようだ)よると和とじの本がたくさんあった(書店だから当たり前か)。平成では洋とじの本しかないので新鮮だ。陳列されている本たちの表紙を見てみると戦争賛美のものばかりだ━━嗚呼ここは富国強兵を掲げている時代か。


暫く昔の書店に感動していた僕はあることに気付いた。単純に物音がしなさすぎるのと店員らしき人が見当たらないのだ僕の他に客(女性一人と男性一人)が居るようだが店員だけが居ない。おかしいこれでは万引きが頻発するのではないか。僕はキョロキョロと見回してみる。監視カメラとかがないこの時代に店員が居ないだなんて━━


僕はこの書店の一番奧にある部屋が気になった。あそこには人がいるだろうと思い居たら話し掛けるために部屋に入ろうとした。だが部屋には入れなかった。何故なら人が絶命しているのだから。


僕は叫ぶ気力もなくただただ腰を抜かして座り込んでしまった。ダンと物音だけが響く。物音に気付いた客の男性がすぐに駆けつけてくれた。男性は遺体を一目見ると店に居た女性に何か云っている。女性は店を飛び出していった。そして男性は僕に話し掛ける。

「大丈夫か少年」

「あぁあぁ…………」

「こりゃちっとも大丈夫じゃないね」

僕は放心状態から抜け出せたのはガラガラと警察が入ってくる音だった(女性が呼んだのであろう)。何故男性は冷静なのか。僕には理解出来なかった(だって殺人現場だよ?!漫画かよ)。


警察による現場検証が始まった。僕を含め3人は仲良く事情聴取だ(男性,僕,女性の順に一列に並んでいる)。1人ずつではなく3人まとめてって………おいおい良いのか?これで。警察が僕達に名前を尋ねた。僕はこのあと驚愕することになる。何と不運にも殺人現場に居合わせた客(僕意外)は

「坂口安吾です」

「与謝野晶子です」

━━何と文豪だった。僕のよく知っている人物だった(向こうが知らないだけである)。正直に云おう帰りたい切実に。






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