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おとぎ話のような旅路を  作者: 狛犬
4/6

旅の決意

ログインボーナス600日記念!

石20個!ガチャ爆死っ!!

こんな日々はぽいずん

「いやぁ~にしても、まさか陰陽師たちが強硬手段を取るとは予想外だなぁ~」

とため息をつきながらやれやれと首を振れば社の扉をあけて奥へと進んでいく。

すると赤髪は相変わらず眠りについているようでスヤスヤと

先ほどの音にもまったくもって起きた様子はなかった。

すごい精神のやつだなこいつ…と思いながら未だに軽い

倦怠感を覚えながら体を引きずるようにして狗神の後ろについていく


「な、なぁ狗神。その陰陽師どうするの?」


と皐月が気絶している赤髪の兄を指さしながら

おそるおそるといった様子でそうたずねる。

おれも正直そいつをどうするのか気になっていたところだ。


「んー…そうだね。食べていい?」


「「えっ!」」


「冗談だよ~」


と嘘か本当かわからない冗談はやめろと口に出したかったが

正直それを口に出すのすらだるくて仕方が無かった。

狗神は陰陽師の服を漁れば持っている人型の紙切れや

何かよくわからない文字の書いてある紙をびりびりと

破いてそのへんに捨てれば陰陽師を勢いよく投げ上げれば容赦なく蹴り飛ばす。

小柄な狗神からでた蹴りとは思えないほどの音に正直驚きで言葉が出なかった。

鈍い音というよりかは正直轟音に近いものだ

あれ生きているのか…?と心配になる威力だった。


「殺してないけど~地獄の炎くらい見ちゃうかもね」


と笑いながらそういえば赤髪をヨイショと担いで身支度を始める。


「どこに行くんだ?」


「どっか適当に遠いところかなぁ~次はそうだなぁ…まぁ、嫌だけど天狗に会いにいくかなぁ~」


と手を動かして荷造りをしながらそう話してくれた。


「お前らどうする?個人的に言うならもうこの村にはお前たちいないほうがいいけど。」


「「えっ」」


「えーっとね、陰陽師に顔がバレてるから。あとこの村にいるなら多分狙われるからかなぁ~ 一応村には結界を張ったし、向こうから見えないようにはしてるけど」


と簡単な説明をしてくれるが正直さっきの今では

状況はさすがに全て飲み込むことはできずもはや言葉も出ない。

そんな状況で皐月が口を開いた。


「でも、そんな…その結界とか貼ってるなら大丈夫じゃねぇの?」


「言いにくいけどいってもいい?」


と狗神は首をかしげながら笑顔ではなく

無表情ともとれないなんとも説明しにくい表情で皐月に問いかける。

笑顔以外の表情は見たことがなかったからか違和感を覚えたし

何よりも、不気味で仕方が無かった。

いつも不自然なほど笑顔で戦闘中でさえも笑顔を保っていた

狗神が問いかける際何か深いところを見るような瞳で

こちらを見てくるのがいたたまれなくて仕方が無かった。

自分に向けられた目線じゃないのに俺がここまでいたたまれないのだから

きっと皐月はもっと逃げ出したい気分だったんだろう

だが皐月が少しだけ足を後ろにずらしただけで狗神と目を合わせて

「なんだよ」

とハッキリした物言いで答えた。

「…多分、村はもうないから行かない方がいいと思う」


その言葉を聞いた瞬間。世界が逆さまになったような感覚に陥った。

考えるよりも先に足が動いた。

下り坂のようになっている山道を足がもつれそうになりながらも全速力で走る。

息が苦しくて肺に入ってくる空気が乾燥して、張り付くようで気持ちが悪い。

そのくせ、体がドンドン冷たくなっていくような気がして、自分でも分からなかった。

村がないなんてありえない。だって、なんで。


木々が遮っていた視界が開けてきて村が見えてくる。

大丈夫きっと戻ればいつものように村が見えて

仕事がたくさんあると親が叱ってくる。

だから皐月と一緒に笑いながら謝って許してもらって

仕事をして風呂に入って飯食って寝る…

いつもと変わらない村が待っている。


ふと横を見てみれば皐月もいた。

汗はダクダクで呼吸も荒いのに心配になるくらい顔が青い

血液が通っていないかのようにドンドン青くなっていく。



そして山を完全に降りて町を見てみればそこには、

血と炎の赤で染まる村が見えた。

住人の多くはすでに息絶えており、生きているものは

すでに虫の息でもはや助かることはできないのは

素人目に見ても十分明らかであった。


「なぁ、お前陰陽師とどんな約束したんだ?」

と不自然なほど感情がこもっていない声が頭上から降ってくる。

赤髪を抱えて荷物を片手にもった狗神が木の上から話しかけてくる。

いつの間にこちらについたのかなんてどうでもいい、

目の前の事から目が離せない


「あっ…あぁ…うわぁ…あっああああああああ!!!」


ついに口から出た言葉は悲鳴だった。

頭を抱えて膝をついて目から自然と液体がこぼれ落ちる。

目に見えている情報を脳が処理しきれない。気持ちが追いつかない。

さっきまで一緒にいたみんなが死んでいる。

生きているのにもう殺してくれとせがむほど生きることを諦めた声が聞こえる。

もはや生きているのか分からずに呼吸だけしているものもいる。


「あっああああああっぁあああ!!」


先ほど全力で走ったせいで喉がカラカラで乾燥した喉を震わせて声を出すと

ビリビリとした痛みが喉を駆け巡った。

悲しい、悲しい、なんでみんながこんな目に、なんで、なんで、悲しくてたまらない

居場所がない。親も友達も、何もかもが灰になって跡形もない。


悲しみの次によぎったものは怒りだった。

理不尽は殺戮をされて怒らないはずがない。

その怒りは当然狗神に向いた。

「お前さえ、お前さえ、この村に来なかったら!」

「えぇ~ なんで私のせい?どうせ遅かれ早かれこうだったでしょ~」

と全く悪そびれた様子などなくあっけらかんと笑みを貼り付けたように

作ればニコリと先ほどのように綺麗に微笑めば

カランと下駄を鳴らして木からふわりと降りてくる。

その瞬間何かがはじめ飛ぶような気がした。

皐月が何か言っていたかもしれない。

「やめろ」だったかもしれないし「やれ!」だったかもしれない。

怒りの矛先に俺は思い切り自分の中の全力をだして狗神に殴りかかった。

狗神はよけもしなかった。鈍い音が響く。

狗神が守るわけでもなく避けるわけでもなくただただ、俺の拳を頬に受けていた。

口の中を切ったのだろう口のはしからツゥっと血が一筋流れている。

「やめろよ!」

と皐月の声が響いた。

俺は皐月の方を見る。皐月も泣いていたようだがもうすで

に涙はなく涙を流していたであろう跡と

目をこすった赤い跡が残っていた。

「あれ、怒ってくれても全然いいんだけど?」

と狗神はまたあっけらかんときにした様子もなく笑えば

口の中の血をぺっとそのへんに吐き出してまた笑った。

「確かに原因は狗神だけど、殺したのは陰陽師だ…」

「でも!こいつさえいなければ!」

「そうじゃない!全部の原因は狗神じゃなくて赤髪をそうした陰陽師なんだよ!!!殺す絶対ころす!殺すのは狗神じゃない陰陽師だ!!」

と皐月がそう叫んだ。

「そう…だけど…」

と初めて見る皐月の殺気めいた表情に俺はたじろぐしかなく

先ほどの勢いはどこに消えてしまったのか

戸惑うようにそう答えた。

「殺すんだよ!俺たちが陰陽師を!あいつらを!村の敵として!殺すんだよ!!!」

と皐月が俺の肩を痛いほどにつかみながらそう言い放てば

今度は狗神のほうを向いてこう叫んだ

「狗神!俺と契約しろ!お前の力を貸せ!!!」

狗神は驚いたように一瞬目をパチリとさせれば次は大爆笑

「あはははははは!!契約!!契約ねぇ…!契約ぅ…はぁ…」

とひとしきり大笑いすればふぅと一度息を吐いてただ一言こうつぶやいた

「嫌だね」

「なんで…!」

と皐月が困ったようにそう叫ぶ

すると狗神はやれやれといった様子で首を振ればまた息をふぅとはいてこう続けた

「私は一応神の位をもつ妖でね。契約となると私が求める対価を差し出さないといけない。陰陽師の殺しとなればお前ひとつの命じゃ足りない。そして私に利益はどこにある?」

と首をかしげながら面白そうにそう見極めるように目を細めてたずねられる。

すると俺も皐月も黙って俯くしかなかった


すると


「いいじゃないですか。手伝ってあげれば…」

と知らない声が聞こえた。

声の方を振り向けばふわぁと呑気にあくびをしている赤髪がいた。

赤髪は眠たそうに眼をこすれば

「牡丹さん意地悪しないで助けてあげてくださいよ」

「えぇ…優夜さんに言われると弱いなぁ」

「っていうか元々僕らのせいです」

「…んもぉ~しょうがない。あんまり深く情を持ちたくないのに」


と困ったように狗神が笑えばはぁとため息をはく。


「いいよ。お前らの願いは聞いてやるけど私の願いも聞け。」

「あ、あぁ!勿論だ!」

と皐月もおれも食いつくように頷く


「まず、契約者と契約対象は一人じゃないといけない。だがお前らじゃ役不足だから契約はしない。でも助けてやる。んで、お前らには違うやつと契約してもらう。それが条件だ。契約してもらう妖は決まってる。天狗だ。 会いにいく天狗。ちゃんと強いし、従えれば従順で忠誠心もそれなりだ。だが会いにいくやつは正確に難有りだけどいいか?」

と狗神がしんそこ面倒くさそうな嫌そうな声でそう言い聞かせるようにして話しかける

俺たちの返事は決まっているようなもので二人で声をあげた


「「いいに決まってる!!!」」


そして今日。

奇妙な旅が始まる


イベント礼装出たので許します。

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