行動方針
これは、良い物が手に入った、と言う認識でいいのだろうか。分からない事が多い己には此処の事を己よりは知っている物を手元に置いておく事は、悪くはない。寧ろ、善い事の方が多いだろう。
よし、白いの。お前は三匹の中で一番体格がいい、前衛を任せる。中くらいの灰は後方で後ろの警戒とその補助、小さい黒は偵察と遊撃を任せる。己はお前たちに対応できない物を叩く、分かったか?
三匹が揃って吠えた。ふむ、この獣たちは総じて頭が良いようだ。
なら、ここを移動するぞ。ひとところに留まるのはまずいだろう。赤い物は一通り拭ったが、臭いがかなりする。臭いに釣られて他の獣がやってくるかもしれない。黒、索敵を頼む。
そう言うと黒は一鳴きして己たちを先行して部屋を出て行った。
黒の向かった方へ意識を向けると、その姿は見えないものの黒の存在を感知することが出来た。その事に気付き、他の獣に対しても可能かを試すと。白と灰を感知する事が出来た。
残念ながら、それ以外は感知でき無いようだ。感知できるのはこの三匹のみと判断しても良いだろう。
しばらく歩くと、黒の動きが止まった。何かを発見したようだ。