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覚醒

 意識が覚醒する。

 己は誰だ?

 此処は何処だ?

 辺りを見回す・・・。有るのは石で出来た天井と壁、前方には暗闇が続き、それに倣うように壁と天井が続いている。背後もまた、壁がある。

 己は目が良いのだろうか?おおよそ光源となりそうな物は無いこの空間で十分に視覚を保っている。他はどうだ?

 先程、首もしくはそれに該当する部位は動いたのは確認している。ならば他の部位もあるのではないだろうか?

 有る。腕と、足がある。左右二本ずつ。大きな二つの関節があり、その先は小さな関節が密集し、細い五本に分かれている。

 それらを動かすことを意識する。動く、一つ、二つ・・・上げる、下げる。歩く、走る。

 他の部位は・・・無いようだ。

 視覚以外の感覚は、触覚は今しがた確認した。音も聞こえる。臭いは・・・感じる。

 それ以上に感じている。ものがある・・・これは飢えだ。


 己の確認は十分だろう。これ以上は何も分からない。これ以上は、己と似た特徴を持った者を見る事で得るとしよう。


 まずは、この飢えを満たすために行動しよう。

 ・・・己は食う事が出来るのだろうか?食べられる側では無いのだろうか。取り敢えず、先の音の発生源へと向かうとしよう。




 音の発生源への道のりは険しいものだった。と言うよりも、思いの外遠かったと言うべきだろうか。いや、複雑だったと言うべきなのだろう。

 己はまず、音の発生源へ直線的に向かおうとしたのだが、多くの壁に阻まれた。己の意識が覚醒した際に背後にあった壁の様な、その壁だ。

 次に、回り込む形で向かおうとしたものの、これまた壁に阻まれた。つまり、正しい道を通らなくては音の発生源へはたどり着けないという事だ。

 苦労の末、音の発生源へとたどり着きそうな頃には、その音も弱まって来ていた。

 だが、まだ音はしている。一体何があるのだろうか?



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