エピローグ
僕と、シグは、二人で話していた。
「まあ、シグがカエデを刺したのは驚いたけど、カエデがちゃんとした心になって戻ってきてくれて、よかったね!」
「人形遣いとはいえ、人形の失敗作、だからね。私も、まだわからないところだらけだけど、多分これから分かるようになると思うわ」
たしかに、結局、全ての謎は解けていない。でも、ゆっくり、少しずつ受け入れていけばいいだろう。
「シグがどうしてできたのか、根本的なところまで突き止めるのには時間がかかるけど、僕たちが人形遣いである以上、人形は作り続けないといけないんだよね。それに、カエデに、人形を動かす方法も教えてもらったから、いい方向に使いたいよね」
あのあと、普通の心に戻ったカエデに、人形を動かす方法を教えてもらった。
「でも、玲は、それを悪い方向には使わないでしょう? 魔術師なんだから」
「そうだね、いい方向に使わないとね」
その時、人間の姿のレノが近寄ってきた。
「でも、今回は良かったじゃないですか。玲さんの魔術師としての使命も、少し果たせたわけなんですし」
「うん。それはよかったね。これも、利用できそうだね」
僕の魔術師の使命は、僕が死ぬまで続く。人形遣いを殺しても生き返るように、人間に対しても利用できたら、とてもいいと思う。
「……では、そろそろ、屋敷の扉を開きましょうか」
シグは、椅子から立ち上がりながら、そう言った
「おーい、カエデ、屋敷開くからこっち戻ってきてー」
「はーい!」
僕がカエデを呼ぶと、二階から元気な声が聞こえてきた。
「玲さん!」
階段を下りながら、カエデは僕の名前を呼んだ。
「どうしたの?カエデ」
「僕、やっぱりシグさんや、レノさん、それに、玲さんたちのことが、すっごく好きです!」
彼はそういうと、満面の笑みを浮かべた。
月も、満面の笑みで、それを、遠くから照らしていた。




