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ヘルデンリート・ネオン Das Heldenlied Neon  作者: 野原 ヒロユキ
Artemidora ~Der Beginn von Hierosophie~
20/24

バジーリオ

セリオンは順調に勝ち上がった。

セリオンの敵たちはことごとくセリオンを殺そうとしてきた。

彼らはジェンティーレの手下だったのだろう。

そしてセリオンの前に革新的な敵が立ちはだかる。

<セリオン選手、バジーリオ選手、リングに上がってください!>

アナウンスがなった。

セリオンがリングに登る。

「ほっほっほ、おまえさんがセリオンか?」

「そうだ。俺がセリオンだ」

セリオンの前に現れたのは全身鎧を着た人物――。

だが、セリオンはそんなことでは惑わされない。

セリオンはバジーリオの正体を喝破した。

「おまえ、アンデッドだな?」

「ほっほっほ、そうじゃ。わしはアンデッド。アンデッドキング・バジーリオじゃ」

「やはり、この闘技場とアンデッドはつながっていたんだな?」

「ほっほっほ、わしらは生命の限界を超えた種じゃ。おまえさんの剣はわしらには通用せん」

バジーリオが哄笑する。

<それでは試合、開始!>

バジーリオが剣で突いてくる。

セリオンはそれをいなす。

バジーリオの剣は鋭かった。

アンデッドとはいえ、バジーリオは剣士でもあるわけだ。

「ほう……よくぞわしの剣を受けた。だが、これを見てもそう余裕があるかのう? はっ、ゴースト・スラッシュ!」

バジーリオが闇の力をあふれさせる。

白いオーラがバジーリオから出た。

白いオーラはバジーリオの剣撃と化した。

セリオンは光の剣を出す。

セリオンのリヒト・シュナイデだ。

セリオンの大剣が輝いた。

ゴースト・スラッシュはセリオンの大剣で霧散された。

「むうっ!? わしの攻撃をかき消すか! こいつ、やりおるわ!」

セリオンが接近して、バジーリオの首を斬りつける。

バジーリオの首はあっさりと切断された。

バジーリオん首が転がる。

セリオンは勝負がついたかと思った。

「終わりか」

「クーククク! やりおるわい!」

「何?」

バジーリオの首から声がした。

首がセリオンの方を向く。

「さすが、セリオン・シベルスクじゃ。わしをここまで追いつめるとはな。だが!」

バジーリオの首が胴体にくっつく。

「なっ!?」

セリオンの目の前で信じられないことが起こる。

なんとバジーリオの首は元に戻り、その体が立ち上がったのだ。

「ほっほっほ、首を切断した程度ではわしを殺せはせん。くらうがいい! ゴーストロード!」

ゴーストの群れがセリオンに殺到する。

「くっ!?」

セリオンはゴーストの群れに呑み込まれた。

今度はバジーリオが笑い声の凱歌を上げる。

「ほーーっほっほっほっほっほ! セリオン・シベルスク敗れたり!」

その時、光が広がり、爆発した。

閃光が辺りを照らした。

閃光は周囲にはじけるように展開された。

「なんじゃと!?」

セリオンは無事だった。

セリオンの技『閃光剣せんこうけん』だ。

閃光剣は光を周囲に放射する技だ。

ゴーストロードを迎撃するのにこれほどふさわしい技はなかった。

「なめるな。そんな技でやられる俺じゃない」

「くうっ! なめるでないわ! ゴーストスラッシュ!」

バジーリオが往生際が悪く技を出す。

セリオンはその瞬間消えていた。

光閃こうせん!」

セリオンの光技だ。

光閃は光の一撃を叩き込む技だ。

セリオンの一撃はバジーリオの核を砕いた。

アンデッドは無敵ではない。

アンデッドの弱点は光だが、その核を破壊することが停止させる条件だった。

「ぐはあああああああ!? このわしが!? やられただと!? バカなあああああ!?」

バジーリオが白い粒子と化して消えていく。

<セリオン選手の勝利です!>

アナウンスがセリオンの勝利を告げた。

とそこに。

「フフフ、久しいな、セリオン・シベルスク?」

そこに上からマヴァハが降りてきた。

手には剣を持っている。

「マヴァハか……おまえがバジーリオの、アンデッドの背後にいたんだな?」

「ふふふ、そうとも。アンデッドを兵器化しようとしていたところだ。もっとも、それもおまえに潰されたがな」

「それがアンデッド事件の理由か」

「そうだ。アンデッドは強いが人間の血を求めるところがあったのでな。兵器としては悪くないのだが……」

「なら、ここで俺がおまえを倒して計画を破棄させる」

「フッ、やってみるがいい」

セリオンが大剣を構える。

マヴァハが剣を構える。

セリオンは不用意にマヴァハに攻め込めない。

セリオンの勘がマヴァハへの攻撃をためらわせていた。

マヴァハには何かある。

それが何かは分からないが、危険があるのは確かだった。

だが、このまま何もしないでいるわけにはいかない。

セリオンは蒼気を出した。

「フッ、蒼気か」

マヴァハが笑う。

セリオンは前に出ようとした。

その瞬間、セリオンを衝撃が襲った。

セリオンは大剣でそれを受け止める。

なんとマヴァハの剣が伸びて、セリオンを攻撃したのだ。

これがセリオンが攻撃をためらっていた理由だった。

「ソードウィップか……」

「フッ、ご名答だ」

マヴァハの剣はソードウィップといって鞭の性質を持っていた剣だった。

マヴァハが剣をもとに戻す。

セリオンは蒼気を刃に変えて、放った。

その技は『蒼波刃そうはじん』だった。

蒼気の刃がマヴァハに向かう。

「フン! 火炎刃かえんじん!」

マヴァハが炎の刃を放つ。

蒼波刃と火炎刃は正面から激突した。

衝撃がはじけ飛ぶ。

セリオンはダッシュした。

そのままマヴァハに接近する。

マヴァハはソードウィップを伸ばす。

セリオンはそれをよけてマヴァハに近づく。

マヴァハの目が驚愕に見開かれた。

セリオンは一撃をマヴァハに叩き込む。

「ぐはっ!?」

セリオンの一撃が決まった。

マヴァハはしゃがむ。

「決まりだ」

セリオンがマヴァハの首に大剣を近づける。

「フン!」

マヴァハがソードウィップでセリオンを攻撃した。

今度は蛇のようにしなやかに曲線を描いてきた。

セリオンはマヴァハと距離を置いてやり過ごす。

「セリオン・シベルスク、この屈辱は忘れまいぞ!」

マヴァハは闇の粒子の中に消えた。

「逃げた、か……」

セリオンは虚空を見つめていた。

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