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35.ココとアウグス

 すっかり疲れ果ててアパートに戻ると、一角獣のアウグスがゲートから顔を出して出迎えてくれた。

「ただいま……」

『よく戻られた。ん、初めて見る奴がいるな』

「八百万の神々の1人……ここの……なんだっけ?」

 そう聞き返すと、ココこと白の九十六は、キツネ面の下でため息をつきながら答えた。

「ココと呼べ。変に全部言おうとして舌でも噛まれたら困る故な」


 このように答えたが、彼女はすぐにアウグスに興味を示した。

「ほほう……これは見事な角端じゃな」

「はくたん?」

 そうカナが聞き返すと、ココは笑いながら言った。

「麒麟の種類の1つじゃよ。我らの誇る東洋のユニコーンにも様々な毛並みの者がおるが……特に黒い麒麟は強い霊力を持っていることが多いのじゃ」


 アウグスは不思議そうな顔をしていた。

『そうなのか? 我はこの形や炎の使い手のため……故郷では魔獣扱いされてきたのだが……?』

「それは、主の故郷の者たちの目が曇っていたからに他ならぬ。隣国の中国という国には獲麟という言葉があってじゃの……」


 ココはこの後、昔に聞いた古典の授業の話をしはじめた。

 そういえば俺も習ったよこれ。どうして、アウグスにこの話をしてあげなかったのだろう。たっぷりと獲麟の話をしたココは、すぐに俺を見てきた。

「まさか、お主も……この者が角端だと知らずに仲間にしていたのか?」

「いや、なんとなく面白い奴だと思って……」

 ココは、再び息を吐いた。

「呆れてよいのか……感心してよいのか……とにかく主がより、普通ではないということだけは理解した」


 その話を聞き流すと、俺はアウグスを見た。

「ところで、俺が留守の間に何か変わったことはあったか?」

『これと言ってないな。見張りは我がやっておくから、ゴロー様や奥方様がたはゆっくりと休むといい』

「恩に着る」


 俺たちが就寝を取っている間、一角獣アウグスは見張りをずっと行ってくれた。

 おかげでぐっすりと眠れたわけであるが、その間に慌ただしく情報収集を行っている人々がいた。


 彼らは鬼狩警部の指揮のもと、ある勢力の監視を続けていた。

 その相手とは、かつてカナエルと敵対した天使たちのことである。奴らもまた、このダンジョンの中で暗躍を続けており、両陣営の戦士たちはお互いの腹の内を探り合うように、目に見えない駆け引きを続けていたのである。



 翌朝に目が覚めたとき、一角獣アウグスは再びゲートから顔を出した。

「おはようアウグス。何かに襲われてケガとかしてないよね?」

『問題ない。しかし、少々厄介なことになりそうなのだ』

「……何かわかったのか?」


 そう聞き返すと、アウグスは頷いた。

『小鳥たちの報告だが、敵対天使たちが……アーティファクト・ウエポンズを持ち出したようだ』

 今の単語を聞いたカナエルは、険しい顔をしたまま起き上がった。

「それは厄介ですね」


 なんとなく名前だけで、どのような代物か予想は付くのだが、俺はあえて質問をすることにした。

「それは、どんなモノで、どれくらいの性能がある?」

 アウグスは険しい顔をしたまま答えた。

『アーティファクトは別名……マンイーターとも言われる強力な代物だ。アダマンタイト製やオリハルコン製の武器に、非業の死を遂げた英雄たちの魂を入れて制作されるという』


 カナエルも頷いた。

「性能は材質と、ベースとなった魂の強度によって決まります。温厚な人物だったのなら、誰にでも使える剣となりますが、名馬に癖あり……という言葉がある通り、人間もまた傑物ほど理解や常識を超えた行動をとるものです」

『使い手が、武器に精神が乗っ取られることも珍しくない』

 俺はじっとアウグスを見たまま、少し間を開けてから言った。

「つまり、向こうはそれだけ本気ということか」


『連中には機動力がある。再びここに……』

 そこまで言うと、アウグスは耳をピクリと動かした。

『もう来たようだ。そろそろ我は迎撃の体勢を整える……』

「待て、俺も行く!」


 俺はすぐに、カナエルとココに言った。

「お前たちは待機してくれ。最初から戦力を全て教えてやる必要はない」

 彼女たちが頷くと、俺は拳銃を出してゲートの向こう側へと出た。



 一角獣の泉で、俺はアウグスの隣に立った。

 あいにく俺は乗馬はできないが、彼を拳銃で援護することならできる。


 しばらく、一角獣の森は静寂に包まれていたが、俺の感覚にも何か恐ろしい力を持った者が近づいてくることがわかった。

 俺とアウグス、古城方面を睨んだ。

「奴か……」

『来るぞ!』


 間もなく空に複数の天使のシルエットが見えた。

 数は……6。そいつらの肉眼にも俺たちの姿が見えたらしく、次々と長弓を構えて向かってくる。俺はじっとその動きを目で追ってから言った。

「リロード!」

比名吾郎(男性)

所属:公安6課非常勤職員・裏庭ダンジョンのエリアマスター

部下:カナエル、一角獣、白の九十六


能力:ウィザードガン(グレード★★★★)

回転式の魔導拳銃を出す能力。装弾数は6発。任意のタイミングでリロードを行えるが、装弾数に比例した体力や精神力を消耗する。通常弾頭で有効射程距離は50メートルほど。

また、特殊な弾頭を作り出す力と、弾頭を解体することで体力を少しだけ回復する力がある。


能力:天啓(グレード不明)

自分の管理下に入った者の能力を拡張する力、実戦経験時のレベルアップ速度のブースト、危機感知能力があるようだが、仔細は不明。



腕力    C ★★

霊力・魔法 A ★★★★

行動速度  S ★★★★★

耐久力   A ★★★★

技量・作戦 A ★★★★

索敵能力  B ★★★

意志力   A ★★★★

経験    B ★★★  


好きなモノ:カナエル、半額商品・半額セール

嫌いなモノ:現実(理由はお察しください……)

備考:対空攻撃、アーマーピアシング弾(魔導貫徹弾)、キャストブレッド弾(鋳造弾)、多層マジックシールド、スネークショット(さく裂弾)、弾丸加速


一言:マジックガンを使い込んだことで、その性能が研ぎ澄まされている。

例えば、銃を出したての頃は、秒速350メートルほどだった弾速も、今は秒速500ほどまで速くなっている。ここまで速いとハンドキャノンと恐れられる威力となる。


ちなみに、弾丸加速を行えば、更に高速で撃ちだすこともできる。

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