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・隠しアイテム探そう! サマンサ編 - 噴水! お城! オレンジジュース! -

 一度、宿に戻って脱いだ服をたたんだ。

 だらしないホリンのシャツとズボンも、しょうがないしたたんであげた。


 それから宿を出て、まずはお城の方に向かった。


 目的地は城門前広場の大噴水。

 進めば進むほどに、お城は大きく見上げるほどに高くなっていった。


「す、すげぇな、まるで山みたいだ……」

「これって全部石なの? どうやってこんなに沢山の石、集めたんだろ……」


 目当てはお城じゃなくて大噴水の方だった。

 だけどあたしたちはお城のあまりの大きさに驚いてしまって、広場の片隅で立ち尽くしていた。


「わっ、見てホリン! あれが、噴水……?」


 立て続けに大噴水の方にも目を奪われてしまった。


 広場の中央に大理石で囲われた池がある。

 そこから爽やかな水しぶきが天高く吹き上がっていた。

 空気がなんだかみずみずしい。 


「この国、すげぇな……」

「うんっ、凄いね! あれってどうやって動いてるんだろ!」


 口を開けっぱなしにしているホリンを置いて、あたしは大噴水に近付いた。

 その石の池の中に白く輝く何かが落ちている。


 あたしは冷たくて気持ちいい噴水に手を入れて、『C.小さ過ぎるメダル』を回収した。


「大変ホリン! あそこにジュース屋さんがあるよっ!?」

「そのメダル、俺たちに使い道とかあるのかな……」


「そんなのどうでもいいよ! あっ、オレンジジュースもあるって!」


 ホリンがお財布を取り出した。

 あたしはそこに小さすぎるメダルの2枚目を入れる。


 すぐにホリンの手を引っ張った。

 『早くあれを買って』とジュース屋さんの前にホリンを連れて行った。


「サマンサにきてよかったー!」

「それ飲み終わったら次行くぞ……」


「待って、もう1杯!」

「オレンジジュースは2杯も立て続けに飲むようなもんじゃねーよっっ?!」


 しっかり2杯目を飲んで元気を付けてから、あたしは次のお宝を目指した。



 ・



 城の周りをぐるりと進んだ。

 日陰になった東の方に回り込むと、ちょうど目当ての場所が見つかった。


「えっと、この先だよ」

「お、おい……」


 その辺りは庭園として一般開放されていた。

 あたしは庭園の中の防壁に寄る。


 攻略本さんと防壁を交互に見ていると、あからさまな出っ張りを見つけた。

 その出っ張りを押した!


「ま、待て……っ、城に勝手に入るのはまずいだろ……っっ」

「ちょっとなら大丈夫だよ。奥に入るわけじゃないし」


 そしたら 壁が横開きに開いていった!

 庭園から、城の庭園に繋がる道が現れた!


 あたしは及び腰のホリンおいて、お城の中に入っていった。


「わっ、素敵なところ……」

「待てって言ってるだろっ?! これ、下手したら牢獄行きだぞ……っ」


「じゃあ、要らない?」

「城の中はヤバって、ここは諦めようぜ……」


「氷の盾」

「要る! それは要るっ! 絶対要るっ!」


 ホリンってわかりやすい。

 あたしたちは一緒に辺りを見回した。


 ここは隠された花園なのかもしれない。

 庭園としてはとても狭いけれど、花々と薔薇の生け垣に囲まれていてなんだか優雅だ。


「あ、宝箱あったよ。いかにも氷の盾が入ってそうな青いやつ!」

「よかった、すぐに取り出してここを出ようぜ、コムギッ」


 あたしはそんな秘密の花園の一角に寄った。

 古い石碑の前に大きくて青い宝箱が置かれていたので、ドーンと開いた!


 『G.氷の盾』ゲットだ!

 それは薄く繊細な氷で作られた中型の盾だった。

 あたしの期待通り、盾は涼しい冷気を放っていた!


「いい……これ、超いい……」

「あ、鱗の盾も宿に置いてきたんだ?」


「邪魔になるからなっ。おおっ、これ俺にも装備できるぞっ!」

「よかったね、ホリン」


 けどあたしは1つ難点に気付いた。

 氷の盾、これって綺麗過ぎる。

 こんなの着けて町を歩いたら注目の的だ!


「ねぇホリン、それ着けて町を歩くの……?」

「え、そうだけど、カッコイイだろ?」


「1度宿に戻ろうよ。それ涼しいけど、それ持ってたら目立って宝探しどころじゃないと思うよ……?」

「ああそっか……。しょうがねぇか……」


「帰ろ」


 ホリンの手を引っ張った。

 人目のない場所なら、ホリンは嫌がったりしなかった。


 剣でタコができた手でやさしく握り返してくれた。


 あたしは笑顔を背中のホリンに送って、すぐそこの隠し扉から外に出ようとした。


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