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7、コトハvsアイシャ、剣1、ざまぁ

本格的なざまぁが始動です


「覚悟しなさい!!!!」


目の前で剣を構えるアイシャ。


「………どうしてこうなったんだっけ?」


………話は十数分前に遡る。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「見つけたわ、そこに居たのねコトハ!!」


「はぁ………()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「コトハ!!、私と決闘しなさい!!、負けたらまた私のサポートをしてもらうわ!!」


「何で私がそんなことしなきゃいけないの?、暇じゃないって言ったよね?………一応聞くけど、私が勝ったら貴女は何してくれるの?」


「私のサポートをしなくても良いわ」


(………いや、それ全然全く賭けになってねぇだろ、アホだこいつ………)


午前の授業も終わり、昼飯でも食べようとすると、アイシャに因縁をふっかけられる、呆れながら返事する私。


「怖いの?、私と戦うのが?」


「…………」


安い挑発をしてくるアイシャ。


(………紛いなりにも王族の護衛を倒せば私の評判もある程度は回復できる、魔力無しのコトハなら今でも負ける気がしない……それに私が勝ったらまたサポートさせることができる)


「断る」


「な、ふ、ふん、この臆病者!!!」


「そりゃそうさ、私は()()()()()()()()()()()()()()()()、学院でもトップレベルの成績のアイシャとの戦いは怖くて怖くてたまらない断らせて貰うよ」


「なッッッ何ですって!!!」


安い挑発をしてくるアイシャ、相手をするのが面倒臭い上、自分は今仕事中、仕事をほっぽり出してこのアホと戦うなんて時間の無駄すぎる、適当に受け流す私。


「け、決闘を断るなんて貴族のプライドがないのかしら??!!」


「貴族のプライドぉ?………()()()()()()()()()()()()()何遍も言ってるだろうが、その耳は飾りなの?、貴族のプライドなんかあるわけないだろうが、そもそも貴女が私をサンセット家から追い出したんでしょ、私はもう貴族じゃありませんから」


「ーーーッッ、くぅぅぅうぅ」


私が適当にアイシャの言う事を全面肯定、適当に受け流す事が想定外だったのか、驚いた後、私をその気にさせようと挑発するも、慌てているので挑発の内容が的外れだ、その事を指摘してやると歯軋りをしだすアイシャ。


「じゃ、そういうーーーー」


「ーーーー面白い、その決闘受けてやる!!!、コトハがお前なんかに負けるわけがない!!」


「ーーことで………」


「コトハがお前なんか相手に逃げ出すわけがないだろう!!!」


「………」


………横で話を聞いていたハルバート様が勝手に決闘を了承してしまう、私はいきなりの出来事に言葉を無くす。


「……いや、あの、ハルバート様、その……」


「ん?、どうしたコトハ、言われっぱなしじゃ悔しいぞ!!、なぜ言い返さない!!、コトハは本当は強いのに!!」


「……えーーと……」


「ハルバート様の命令に背く気か?」


「……わかりました……」


(………貴様の実力を測るにも丁度良いしな……)


ハルバート様の暴走を止めようとするも、私にだけ聞こえるように呟くセバスチャンさん、退路が断たれた私に了承以外の選択肢はなかった。


「ふふふ、やっとその気になったか……」


「……場所移すよ」


アイシャは嬉しそうに笑みを浮かべる、ここでやりあうわけにもいかず、生徒同士の模擬戦で使われる模擬戦場に移動する私達、ここの結界内なら死ぬような事があったり、どんな怪我をしても結界の外へ吐き出されるだけで済む……らしい。


「ほら、公平に戦うためにこの剣を使って戦うわよ」


「……なるほど、確かに公平だね……()()では無さそうだけど……」


そして話は冒頭へと戻る…………私は雑に放り投げられた剣を受け取る、刃が潰されているので殺傷能力は極力削がれている。


「死ねぇ!!!」


「おわっと」


突っ込んでくるアイシャの剣を自分の剣で防ぐも、その瞬間、刀身が折れる、急いでバックステップで相手の攻撃を躱す私。


「おやぁ?、どうやら運悪く脆い剣だったみたいね……でも、運も実力の内、中断なんかさせないわ……どうする、私のサポートをこれからもすると約束するなら中断しても良いわよ、結果が変わらないなら痛い目見ない方が良いでしょ?」


「……断る、貴女を倒すなんて、この刃折れの剣で十分」


「ーーーッッッ、ならやってみなさい!!!!!」


アイシャは饒舌に喋る………わざとらしい、わかっててこの剣を渡したことは手にした時から分かっていた……この程度のハンディで勝てると思われるとは舐められたものだ。


『……陰陽術奥義、英雄憑依、ランスロット………』


私は陰陽術で、英雄の霊を自分へと憑依させる、憑依させた霊はランスロット、かの円卓の騎士最強と恐れられた騎士だ。


「何をブツブツ言ってんだッッッ!!!ーーーなッッッ?!!、受け流された??!!」


「………」


私は刃折れの剣でアイシャの剣を流れるように受け流す。


「このッッッ、このッッッ!!!」


「………」


無言でアイシャの剣を躱し続ける私、やけくそ気味に振り回すも、私には擦りもしない……それも当然だ、なんせ今の私はランスロットの力を使える、ランスロットは敵にはめられ、剣が無いときに木の棒を駆使して敵を倒した事があるとんでもない英雄、木の棒でも戦えるなら、刃折れだろうが剣があれば十分だ、まさに弘法は筆を選ばずと言う言葉が相応しい人物。


「ハァッッ、ハァッッッッ、何で当たらないッッッ!!!」


「そろそろこっちの番かな?……ーーーーシッッッッ」


「ーーーーッッッガハッッッ??!!!?」



アイシャの攻撃を完全に捌き切った後、無防備な彼女に手痛い反撃をする、顔を裏拳で殴って怯ませ、蹴りを腹に叩き込むとその場に蹲る彼女。


「ゴホッッ、ゴホッッ、わ、私が負けるわけないんだ………」


吐血を吐きながら立ち上がるアイシャ。


「よッッッーーはッッッッーーーほッッッッ」


「痛ッッッッーーゴフッッッッーーーガハッッッッッ??!!」


「………」


「このぉぉぉぉ!!」


「ーーー足元がお留守だよ」


「ッッッッっ??!!」


「ーー一背負い投げっと」


「ーーー痛ッッッッ??!!」



アイシャの剣を避け、それと同時に反撃すること数分、もはや顔全体が腫れていて、身体中に青あざができている、再度私に斬り込んでくるアイシャ、彼女の横薙ぎの一撃をしゃがんで躱しそのまま私の足で彼女の足を払い除ける、コチラに突っ込みながら斬りかかっていた彼女はわたしの足払いで自重を支えなくなり、慣性の法則に従いわたしにのしかかってくる、私は素早く空中で身動きができない彼女の襟と胸ぐらを掴み、背中と足で彼女を一瞬支え、運動量のベクトルに逆らわず、地面に向かってぶん投げた。


「ガハッッッッッ??!!」


「そろそろ降参しない?」


「じょ、冗談でしょ……まだまだ………」


「はぁ………」


地面に叩き落とされ、受け身も取れないアイシャは吐血を口から溢す、見かねた私は降伏を薦めるが、断るアイシャ、何度剣を振ろうが、アイシャの攻撃は私に擦りもしない、それどころか、最小限の動きで躱し、相手の攻撃の時に生じる隙をつく、刀身の強度は信用ならないので、柄の部分で殴ったり、普通に拳や蹴りで攻撃する私、アイシャの攻撃は一発も当たらないが、私の攻撃は全てクリーンヒット、十発目を当てた辺りからアイシャの足取りがヨロヨロと千鳥足になっている。


「死…ねぇッッッ!!!」


「ーーーーシッッ」


なんとか立ち上がったアイシャは最後の悪あがきに上段から剣を振り下ろす、だが、大振りな攻撃は総じて読みやすい、難なく躱し、彼女の背後へと着地。


「ーーーガッッッッ??!!」


ーーー刹那、彼女はいきなり地面へと倒れ込む………すれ違いざまに首の後ろを柄で殴り、彼女を気絶させたのだ、この模擬戦場は対戦相手が気絶した場合も結界の外へと吐き出される、つまり私の勝利だ。


「すごいすごい、やはりコトハはすごいんだな!!!、折れた剣で勝ってしまった!!!」


「もったいなきお言葉、感激の極みです……」


「…………」


ハルバート様は自分のことのように嬉しがってくれる、ちょっと嬉しい。


「………よくやった」


「え?、あ、あ……ありがとうございます」


ハルバート様の近くにいるセバスチャン、ほめるでも貶すでもなく、ただ無言で立っている彼に内心ビクビクしていたが、私だけに聞こえるよう耳元で労いの言葉をかけてくれる………一瞬、何を言われたのか、わからなかった私は面食らってしまうが、すぐさまちょっとは認めてもらえたんだと理解した私は何を言うのか迷った挙句、一番無難な返答をする。


「ーーーハッッッ??!!、わ、私は一体………」


「やっと起きた?、ほら貴方の負けだからとっとと帰った帰った」


「くっっっーーー、お、覚えてなさい!!!」


目を覚ました彼女は少し呆けた後、私の言葉で自分の敗北を察したのだろう、顔を真っ赤にした後、その場から飛び起きて、さっさとどっかへ逃げていく。


「……やなこった」

つおい

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