39、sideアイシャ、ざまぁ
つおい
「ーーークソッッ!!」
アイシャは苛立ちを抑え切れず、感情のまま、怒りのままに拳を振り下ろし、机に叩きつける。
「………失敗しやがって………」
なぜ苛ついてるのか……それは勿論、コトハにオルクをけしかけ、当主の座を奪おうとしたが、オルクが失敗したせいで全てが水の泡になってしまったからだ。
「万が一の時のために、呪いを仕掛けといたから私の情報が漏れることはないだろうけど……」
そう、オルクに呪いを仕掛けたのはアイシャだった、襲撃が失敗に終わった場合、何かしゃべられたら面倒な事になりかねないから、行動不能にされ、相手の質問に答えようとした瞬間、発動し、対象者を殺す呪い。
「もう時間もないってのに」
彼女の言葉は真実である、元々、サンセット家はかなり高名な家柄、それがいつまでも当主がいないというのは許されない、もうすでに何回も警告をされている、そろそろ誤魔化すのも限界、五大貴族からの調査が入り、私に継承権がないことがバレてしまう、そうなったら指輪の魔力を追って、継承権を託された真の継承者がコトハに辿り着き、そのまま継承してしまう………。
「なんとか、なんとかしないと……」
彼女は必死に頭を回すが、良い案など思いつかず、家の中をウロウロ徘徊、あーでもないこーでもないとブツブツ呟くことしかできなかった。
つおい