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3、就職活動

つおい


「……………」



『主人よ……大丈夫か』


「………大丈夫、心配してくれてありがとう」


……家を追い出され、職も失って数週間、式神『十二天将・白虎』を小さい状態で出てくる、肩に乗せて移動中、白虎の毛並みを撫でることであの鬼畜共に対するストレスを軽減させる。


「これからどうしようか……」


あの鬼畜共のせいで私帰る家は無いし、職も失った、私には魔力が無く、まともな仕事につけるわけがない……アイシャの言いなりになるのは癪だが、この国を出て行った方がまだマシかもしれない。


「ーーー離せ!!」


「……ん?」


ダメ元で面接を受けるも全て書類落ち…………仕方が無いのでスラム街にそこまでひどく無い仕事を探していると何か争い事の気配を感じる。


「汚い手を離せ!!!、俺を誰だと心得る!!!」


「おぉ、おぉ、元気だねぇ僕~」


「ダメじゃないか、子供がこんな所に一人できちゃ……金出せやぁ……」


「……絵に描いたようなチンピラだなぁ……」


小綺麗な服を着た子供がチンピラに絡まれている、仕事に縁はないがトラブルに縁はあるようだ。


「そんな小さい子相手に何してるのアンタら……痛い目見る前に消えなさい」


「何だテメェ??」


「うん?、よくみりゃいい女じゃねぇか、ちょっとこっち来いよ」


すぐさま暴力に訴えかけるのはよくない、一応最初に警告をしてみるが………聞く耳を持たず、私に手を伸ばしてくるチンピラ達。


「私に触れないほうが良いよ」


「は、もっとマシな脅しをーーーー痛ッッッッッ??!!」


『……汚い手で主人に触れるな』


「白虎は私より気が短いからね……」


「なッッッ、何だこいつ、化けもんだ!!!逃げろ!!!」


さっきとは別の忠告をするも、構わず私に手を伸ばす、肩に手が乗った、ーーー刹那、何本もの斬撃が男達に走る……痛みに震える男達は蜘蛛の子を散らすように逃げていく、一応殺さないよう手加減をしている。


「……た、助かったありがとう……」


「君、こんなところいたら危ないよ、家まで送っていくよ」


「……す、すまない」


尻餅をついている男の子に手を伸ばし立たせてあげる、恥ずかしがりながらもお礼を言ってくれる男の子、流石に助けてはい終わりでは気分が悪いので家まで送ってやることにする。



「私はコトハ・サン……いや、コトハっていうの、貴方の名前は?」


「………ハルバート・ガルシア……」


「んじゃあ、ハル君だ、よろしくね」


「よろしく………コトハ」


まずは子供の不安を和らげるために自己紹介、こうすればいくらか警戒心が薄れるだろう。


「こっち?」


「うん………」


とりあえず子供改めハルバートを家まで送る。


「…………ほんとにこっち?」


「……うん」


(………こっから先って王宮ぐらいしか無いんだけど……そういやガルシアって……)


言われた通りに道を進むがこの先には馬鹿でかい王宮ぐらいしかない。


「ーーー坊っちゃま!!!」


「あ、爺!!」


王宮近くまで来るとハルバートの知り合いが居た、どうやら彼を探していたようだ。


「………誰ですかな貴方は……」


「あ、いや、私は、その……」


爺とやらが警戒心マックスで私を見てくる、まぁ当たり前といえば当たり前だな。


「爺、この人は俺を悪漢から助けてくれて、ここまで送ってくれたんだ」


「………これは失礼、坊っちゃまを送り届けていただきありがとうございます」


「いえいえ、それじゃあ自分はここら辺で失礼します」


助け舟を出してくれるハルバート、誤解も解けたので早々に退散しようとする私。


「ま、待って!!」


「ん?、どうしたの?」


「そ、その……恩人をもてなさず帰らせるなんてガルシア家の恥だ!!、だから……その……ご飯をご馳走したいんだが……良いだろうか?\\\」


「…………良いよ」


「ほ、ほんとか??!!」


「うん」


(……まぁ、一食浮くなら儲けもんだよね………)


「ぼ、坊っちゃま、そんな簡単に王宮に人をーーーー」


「うるさいぞ爺」


ハルバートはなぜか私を呼び止める、するとどうやら私に恩返しがしたいらしい、子供にしては立派な考えを持っているなと思いつつ了承、王宮の中へと入って行く。


「お、美味しいか?」


「美味しいよ」


「そ、そうか\\\\」


所狭しと並んだご馳走に舌鼓を打つ私……いや本当にうまいなこれ……。


「ーーーハルバート!!よく無事だったわね!!」


「ーーーッッッ、い、痛いよ母上……」


いきなり扉が開かれ、ハルバートに誰かが飛びつく、どうやらハルバートの母親らしい……。


(………女王様……って事は……やっぱりハル君って………王族か……)


女王様を母と呼んだことからハルバートが王族だと判明した、もう途中から殆ど確信はしていたが、それでも驚きの事実だ。


この作品で貴重なモフモフ要素

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