21、sideアイシャ、当主の証が彼女を拒む(ざまぁ)
つおい
「クソッッッ、クソッッッッ、最近ほんとついてない!!!」
あのクソババァは私の言う事を聞かないし!!、黙って聞けよカスが!!!、元々落ち目だったのに、アイツが決闘でイカサマしたから負けただけなのに、周りの奴らはさらに見下してくるし………どんなイカサマしてるかは分からなかったけど、私が負けるなんてそれ以外考えつかない!!、色豚王子も仇をとってくれるとか言っておいて、今のところ全敗。
「サイアクッッッッ!!!」
イラつきから自室の椅子を蹴り飛ばす私…………もちろんコトハは何にもルール違反はしておらず、むしろ一合、刃をぶつけ合っただけで折れるほど脆い剣を渡したアイシャの方が余程イカサマだと思うが、本人はそんな事全く思っていない。
「まぁいいわ………サンセット家当主の証、#黄昏の明星__ヴィーナス__#がやっと私の物になったんだから!!」
……淡く輝く指輪、#黄昏の明星__ヴィーナス__#、これこそサンセット家当主の証………クソジジイとクソババァが死んでもすぐに後継者に貰えるわけじゃない、というのもこの指輪は当主の死後、二、三週間しないと外せない……時間が経てば自動で家に転送されるのだが、無理に遺体から引き剥がすと傷付けるかもしれない、それに指輪を外しても、時間が経たなければ後継者すらつけることができないのだ。
「………ついに私の物に……ん?」
………指輪を指につけようとすると何故か入らない、同極の磁石如く、私の指と反発し合う指輪………。
「なんで……入らないの?」
………この反応は後継者以外の人物がつけようとすると起こる現象だ。
「ーーーなッッッッ??!!」
ーーー手の中にある指輪が光り、消えていく……………次の後継者に転移されたのだ。
「ま、まさか……アイツら……あのババァを………」
…………当主は次の後継者を選ぶことができる、普通子供に継がせるはずが、まさか血の繋がってない赤の他人に家を継がせるなんて、死ぬ間際に耄碌しやがったか!!!。
「ま、まずい……あれがないと正式に家を継ぐ事が出来ない!!」
つおい




