16、sideリベルタス・フィレス、フィレス家崩壊の序曲、(ざまぁ)
つおい
「…ふっっ、平民をクビにするだけでこんなに貰えるなんてボロい商売ですねぇ………」
時は少し遡り、五大貴族の一角、フィレス家次期当主リベルタス・フィレスはご機嫌だった、たかが平民をクビにしただけで多額の報奨金をもらえたのだから、これ以上喜ばしいことはない、正に棚からぼたもち、一石二鳥といった所だった。
「はっはっはっは!!!」
自分の欲望で辞めさせ、上機嫌のリベルタス、しかし彼に知る由もなかった、これから起こる自分に襲いかかる悲劇を。
コトハを追い出して数日後…
「なんだこの音は騒々しい!!」
「あ、リ、リベルタス様………そ、その」
ガシャガシャ騒音が鳴り響く厨房へ乗り込むリベルタス、バツが悪そうにするシェフ達。
「そ、その………これ」
「なッッッッ、そ、それは俺のお気に入りのティーカップ……」
使用人が指差すそこには高額なティーカップセットが粉々に割れていた、例えるならばこの屋敷の使用人達半分くらいの人数の一ヶ月の給料ぐらいは賄えるぐらい高い。
「だ、誰だこれをやったのは………」
「わ、私です、すみません」
「な、馬鹿なお前だと??!!、なぜ長年ここで働いてるお前がこんな初歩的なミスをする」
「すみません、いつも通りやっているつもりでしたが、なぜかうまく行かず……このような事に……」
「ーーッッッッ??!!、も、もう良い下がれ!!!」
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「………あの、リベルタス様………実は私、かなりここの使用人達をサポートしていたので、きっと私がいなくなったらたちゆかなくなります、人員を今の内からアツくしといた方が良いかと……愚考します」
「は、なんだそれは、もうちょっとマシな脅しは思いつかなかったのか?、わかったわかった、とっとと出ていけ」
「…………はい、分かりました………すみません、適当なことを言ってしまって」
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(………まさか………本当だったのか………あの話は………いや………ただの偶然だ………あり得ない……あいつはただの魔力無しの能無しの雑用しかできない平民風情だ…………そんなわけがないんだ!!)
彼の頭の中にも一割程度は存在している客観的かつ冷静な部分が起こった異常事態がコトハがいなくなってから起こった因果関係に気づくが、信じたくない彼は残りの九割の感情論で否定する。
信じたくないものは真実だろうが信じないし、信じたいものは妄想、空想、幻想、だったとしても愚直に信じるのがこの男、リベルタス・フィレスという名の愚者だ。
「ブッッッッッッ、なんだこのクソ不味い飯は!!!?!」
見た目は普通のカレー料理、しかし、洗いきれてないジャガイモのホクホクとした身と土の砂利が混ざり合い口の中でこれ以上ない不協和音、玉ねぎも生のものが入っており不快、スパイスもキツすぎて辛いじゃなくもはや痛い、こんな劇物を食べ物とは言えないだろう。
「す、すみません」
「なぜこんなに不味い!」
「すみません……いつも通りやっているはずがなぜかうまくいきません…………そういえばコトハがいなくなってからでしたねぇ……」
「………またコトハか!!!」
(………あいつめ、役に立ってるならそう言え、全く迷惑をかけるやつだ!!!)
凄まじい責任転嫁の仕方である。
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十二天将の能力まとめ
朱雀
炎系の術が得意、実体化すると業火を纏った超大型の鳥の姿をしている。
技
『神火不知火』
神の炎で作られた槍で相手を貫く、暗殺者に使った時は周りへの被害を考え威力は抑えている、全力で放った場合校舎が丸ごと消し炭。
六合
情報無し
勾陳
情報無し
青龍
情報無し
貴人
情報無し
天后
情報無し、まだ実体化時の姿は不明
太陰
闇属性、影に関する術が得意、影に潜ませたり、影に潜むが得意、まだ実体化の姿は不明
玄武
情報無し
太裳
情報なし、実体化時の姿は不明
白虎
白い虎のような姿、風魔法が得意、鋭い鉤爪で敵を切り裂く。
天空
情報無し
つおい