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14、ハルバート、コトハへ弟子入り志願

つおい


「コトハ!!、俺を鍛えてくれ!!」


「はい?」


今日は学院が休日、いつも通り護衛兼使用人の仕事をしていると、不意にハルバート様に弟子入り志願をされる。


「え、えーーと、何で私なんかに弟子入りしたいんですか?」


「………俺がオルク兄さんに勝てたのはコトハがサポートしてくれたからだ、だけど、お前の力頼りになりたくない………俺は強くなりたいんだ」


「なぜ強くなりたいんです?」


「家族を、仲間を、臣下を、大切な人達を自分の力で守りたい、だから強くなりたい!!!」


「………わかりました、できる限りのことはやってみます………」


………小さくても男の子、やはり女頼りというのは嫌だったのだろう……だが、身に余る力は自身も周りの人間も危険に晒す、本人にその気がなくてもだ、特にただ純粋に力を求め、そのためには何を犠牲にしても構わないという修羅のような目的だったら断るつもりだったが………まさか自分が師匠に言ったセリフがそのまま返ってくるとは思わなかった、出来る範囲で鍛える事にした…………ちなみにその昔、魔力は無いが、剣術や体術でちゃんと実力を見せた後、アイシャをそれとなく鍛えようと誘ったが、面倒臭いと断れた、やはり王族は志が違うようだ。


「まずは腕立て10回、腹筋10回、背筋10、3セット、その後、陰陽術で自分に英雄を憑依させて、ハルバート様に合った戦闘技術を教えていきます」


「え?、陰陽術じゃないのか?」


「うーーん、陰陽術は元々、魔力が低い我々が何とか生み出した技術であって、魔力が高い貴方達が無理をして習得するより、もとより持っている素質の高さを生かして高位な魔術の習得をした方が効率がいいと思います………私が教えられるとしたら、過去の英雄達の体術や剣術、戦闘技術ぐらいですからね………筋トレと並行して練習していきましょう」


「え~俺もコトハみたくカッコ良く陰陽術使いたいな~」


「………最低限これができる体力を身につけないといけませんが……」


「す、すごい……」


適当な木の幹を掴んで木に対して垂直に体を伸ばす私……。


「………陰陽術をメインとなると、体力が付くまでずっとハードな筋力トレーニングになりますが………やりますか?」


「や、やっぱいいや………」


「ま、すぐには無理ですが、体力がついて来たらいつか教えてあげますよ」


「ほ、ほんとか??!!!、よーーし頑張るぞ!!!まずは腕立てだったな、イーチ、ニー………」


「よしよし……」


「ーーーこ、これ結構ツラいな………」


「でしょう?……うん?」


陰陽術を学びたいというハルバート様に問う、ずっと過酷な筋力トレーニングの方が良いかと、やはりというか何というか、彼が選択したのはとりあえず軽めの筋トレと英雄達の動きの模倣だった、早速中庭に出て腕立て伏せを始めるハルバート様………2セットあたりで私は気づく……汗だくで必死に体を動かすハルバート様、玉のような肌を流れる汗、濡れた金髪が陽光で輝く、幼さが残りつつも王族の気品ある彼の顔は皺がついていても美しく、可愛い…………。


「………役得ってやつか……」


「おい、コトハ、お前いまハルバート様をいやらしい目で見てないか?」


「へ??!!、い、いやいやいや、そ、そんなわけないじゃないですか!!!」


私の後ろでセバスチャンさんが腰の剣の柄を私の背中に当てながら詰問してくる、私は慌てて否定する………もちろんん図星だが……。


「あ、レオ兄さん」


「ハルバートとセバスチャンさん……それとコトハさん」


中庭でハルバート様の鍛錬に付き合ってると、レオ様の姿が見えたのでハルバート様は駆け寄っていく、レオ様はこちらに気づき顔を上げるが、私を見た瞬間に顔を背ける。


(……え、私なんかしたっけ?)


………気づかないうちに失礼な事をしてしまったのか、不安になる私。



「どうしたの兄さん?」


「え、えっと、その………この間は助けてくれてありがとうございます、コトハさん」


「え?、ああ、いえいえ、困った時はお互い様ですよ………えっと、よければ何ですけど、レオ様の影に私の式神を潜ませておいても良いでしょうか?」


「そ、そんな事が出来るんですか?」


「ええ出来ます、少し心配なので、実体化しない限り、式神も八割くらいは眠った状態なのでプライベートを覗くということもできませんし………勿論、レオ様が嫌だというなら控えますが………」


「い、いえ、心強いので是非お願いします」


「よし、『十二天将、太陰』この人の影の中に入れ」


札から影が滲み出し、レオ様の影へと染み込んでいく……。


「すいません、私がしっかりレオ様を守れれば良いのですが……」


「仕方ないですよ、相手も結構やり手みたいでしたし」



レオ様の護衛が申し訳そうに謝罪してくる、私はフォローを入れつつ返事をする。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オルク視点



「クソッッッッ!!!、ハルバート本人にはあの忌々しいコトハとかいう女がついてるから、ハルバートが懐いているレオを殺してハルバートを悔しがらせてやって、ついでに王位継承候補を削ってやろうとしたのに、またあの女に邪魔されただと??!!」


「………すみません、まさか例の女があの#言葉__・__#だとは露にも思わず……」


「言い訳は良い!!、クッソッッッッ俺をコケにしてタダで済むと思うなよッッッ!!!今に見てろ!!」



時同じくして、暗殺失敗したことに憤るオルク。







つおい

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