episode零弐act肆拾陸「元ギルドマスター、新天地で変わる―その②」
前回のあらすじ:各国での指名手配をされたディアンゴは偽名を利用し、さらには未だ誰も自身を知らないであろう秘境の地に自分の住処を確保しに奮闘するのであった。
※冒険者ディアンゴのストーリー回です。
「向かいの高級菓子店の子もか?」
「えぇ、私よりも10代程若い子でご両親が不明なので暫くの間はあそこは休業らしいです」
俺は彼女と同じ境遇である10代位の小さい女の子が居る高級菓子店を宿屋から少し見えた所に居て見ていた。
今現在もご両親が行方不明らしく、王国の冒険者が集まって探しに行ったらしい。
昔一度聞いたけど結構人気なんだよなあのお店のお菓子。
「―――っとご馳走様、今日は少し遅くなるかもしれん。俺が返って来たその時に飯用意してくれ」
「分かりました、お気を付け下さい。グラウスさん」
グラウスとは俺の今の偽名で、名前バレしないための対策としてふと思いついた。
「(さて、住んでいた小屋は売り払ってあるし残りの硬貨だと野営用一式もまずは揃えれないな・・・狩るか)」
幸い村長や領主から依頼を受ける代わりにお金も貰える事が出来るのであまり苦労しない。
一番苦労するのは今の俺の戦力不足なんだが・・・
「暫くしていたら強くなるしな・・・うっし、行くか」
俺はそう言いながら穴の開いた布を使って覆面をして外套を身に纏い中には頑張って鍛え上げた防具(と言うよりただの長袖長ズボンの上に半袖のチョッキの格好だが)を身に付けているので安心だ。
「あの子っ一人で切り盛りしながら頑張っているんだ・・・俺が真面目に頑張らなきゃ示しがつかねぇッ!!!」
俺は雄叫びを上げながら武器を上手く使って魔物を次々と薙ぎ倒した。
「アイツが強いってのを聞いたんだッだったら俺もアイツの先輩として・・・やらなきゃ意味がねぇ!!!」
そう言ってさらに狩り続けた。
気が付けばもう真昼間だ。
「おつの間にかお昼だな・・・さっさと宿屋に戻るか、メリーズも心配しているだろうし」
俺は一旦領主の元へ行き討伐報告をした。。
因みに秘境の村アルガンは王国より少し南方で木々に囲まれている村だ。
そこの村長であるレクさんと領主であるアガーさんに浴して貰い村に入れたのだ。
「うむ、依頼より少し多く居たか・・・今日もお疲れさんグラウス君。礼の報酬だ」
「有り難うございます。失礼しました」
俺はそう言ってアガーさんの居る屋敷を出た。
一方、アガーの方は―――
「もしもし、私ですギルドマスター殿。えぇ、彼はいつも通り私の依頼をこなしましたよ」
『そうか、それはよかった。あの人の事だからすっかり荒れていないか心配だったけど・・・良かったぁ』
そう、キルト領の領主アガーはギルドマスターであるオウガと裏で繋がって居る。無論、良い方で。若返ったディアンゴを少なくとも知っていて逆にその男を利用し、二人の性格改善計画に乗って貰っているのだ。
勿論当の本人には内緒である。
『それじゃ、後の事はお願いします』
「分かりました。それでは―――(今は亡きオーズ殿とのつながりを持っていなければ私はきっとヤツを追い払うかその場で権力を持ち云って葬り去ったでしょう。しかし今はオーズ殿の弟子であるオウガ殿との内密な契約をしました。だからこそ・・・生まれ変わるあなたを視させていただきますよ、ディアンゴ)」
一方、メリーズの居る宿飯屋に戻った時、盗賊が彼女を誘拐しようとしている所にディアンゴは遭遇した。
「そこのお嬢さんを離せ!」
「あぁ?!んだとコラァ」
メリーズは精一杯の声で
「助けて下さいッ!私に借金を背負わせて無理強いをする人達なんですッ!!!」
俺は分かったと頷き盗賊の男一人に対して警戒をする。
「お前は先にその女連れて裏取引して来い!」
「分かったッ!その間にヤツを頼む!!!」
だが、盗賊達は思いもしなかっただろう。この後、彼等が悲惨な目に合うまでは―――
今回の話しはここまで。
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次回:episode零参act肆拾漆「元ギルドマスター、新天地で変わる―その③」です。お楽しみに!




