episode零act卅伍「オウガ、仲間と共に集結する」
前回のあらすじ:最下層の魔物達を半分以上まで減らしたオウガ。満足げに二人を連れて元の場所に戻るのだった。
「お前等が来るとは珍しいなフォウ、シンク」
「我々に故郷は在りませんからね。自由気儘な旅を―――」
黒の眼帯をしている隻眼のフォウ、コードネームとしては【裂界拳Φ】。
そんなフォウの長袖を小さく二度も引っ張る女の子が【超強化Σ】のシンク。
この二人は年がら年中旅をしては自分の能力を活かし旅先の村で役に立ってたりする噂が次々と耳に入っていた。
「あーっとそうだったなシンク。実は例の情報を持って会いに来た」
「本当か?!」
そんな二人をギルドの応接間にて出迎えて一番いい場を撃を掴んで貰った。
そう、嘗て俺と長らくコンビを組んでいた行方知らずの彼女の安否確認だ。
「先ず、アイツは自己能力の所為で未だに独身の状態だな、彼女を知っている人は数人程度」
「そうか・・・他には?」
俺は二人の情報を事細かく整理しながら聞いた。
そして分かった事が一つ。
「自分の妹に自身の能力を引き継いだ・・・?」
「あぁ、どうやら双子の妹らしくてな、姉であるアイツは満身創痍らしい。」
フォウのその一言に俺は少し沈黙した。彼女の身に一体何が・・・?
取り敢えず――――
「―――今行くにせよ着いた時には息を引き取っているかもしれないな・・・だが」
「行くのであれば俺ら二人と一緒に行きましょう。その方が良い」
俺は頷き置手紙をして
「【裂界拳】使ってくれ。フォウ」
「了解」
「―――!」
シンクがフォウの方に手を置き魔力を流す。
シンクの能力は自分あるいは味方に強化を施す事が出来、しかも微調整も出来る優れモノである。
フォウの能力は戦闘や移動にも役に立つので彼等とチームを組むパーティーメンバーは多くいる。
「・・・着いたか、目的地に」
賑やかな村を余所に数百メートル先に寂れた一軒の赤瓦屋根の家が少し見える程度の位置に着いた。
「さて、行くか」
「―――――。――――」
「ん、そうだな・・・花束を買うか」
俺はシンクに言われた通りに村に一度立ち寄った。
「―――って事で花を数本用意してくれ」
「はいよ。包装も併せて銀貨39枚だよ」
花屋のお嬢さんに言われた通りに銀貨を39枚渡し、完成した花束を受け取りそのままの足取りで目的地へ向かう。
『どちら様でしょうか?』
「パスティアにパンジーの花束を届けに」
俺が扉を何度もノックしたら女性の声が聞こえた。
嘗て共に行動した仲間の妹、フォウが言っていた例の女性だ。
その女性が扉を開けて
「・・・どうぞ、足元に気を付けて下さい」
確認してみた所、パスティアの双子の妹でパリスと言う。パスティアは――――
「姉さんは・・・皆様方が来る前に・・・」
もう既に帰らぬ人となっていた。
今回の話しはここまで。
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次回:episode零act卅陸「オウガ、最後の別れと最後の出会い」です。お楽しみに!




