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第3話 だいたい貴族の所に務めてる爺さんって強いですよね

「これが.......僕の能力.......?」

「そのようですね」

(あれ.......さっきと口調が違うような.......)

「早速冒険者カードで確認してみましょう」

冒険者カードを確認すると、スキルの欄に【麻雀】が追加されていた。

早速エクレールが解析してくれた。

『【麻雀】スキル【自由想像】からのみ取得が可能。アガった時の役におおじて能力値が変化する。特別な役をアガった際には特殊能力が発動』

「じゃあさっき見た武人は【国士無双】をアガった時に出た特殊能力ってことか.......」

「そうなりますね。私が今まで見てきた人の中でもトップクラスの戦闘力を持っていると思いますわ」

「あ、たしかエクレールってアヴァロン家っていう貴族の家系の次女なんだよな?やっぱ小さい時から強い冒険者とか沢山見てるの?」

「そう、ですわね.......」

さっきまで笑顔だったエクレールの顔から笑顔が消える。

「あ、そうだエクレールの得意な魔法って何?」

僕は咄嗟に話しの内容を変える。

「得意な魔法ですか?んー魔法全般いけますけどやっぱり雷魔法が1番得意かしら」

「へ、へー全般いけるんだ.......」

話しを変えるとエクレールに笑顔が戻る。

(今度から家族の話しは避けたほうがいいかな)

そんな話しをしていると草むらから『ガサガサッ』と、音が聞こえた。

するとエクレールが、

「タカシの凄い技の後だから見劣りするかもしれませんが、私の魔法も見てください。【ランペッジャメント・ジャベリン】

そう唱えると、雷の矢が彼女の手から放たれる。

その矢の速さは目で追えず、気づくと草むらから聞こえた音はなく矢が1本刺さってるだけだった。

「全くお嬢様はいつも怖いですな」

そう言って、空から1人の老人が降りてくる。

「爺や、迎えは要らないって言いましたわよ」

「いえ、そうはいきません。お嬢様は今すぐ屋敷に戻っていただかないと」

「私は絶対戻りません」

何やら訳ありのようだ。

「あ、あのーこれはどういう状況ですかね」

「爺や、紹介しますわ。こちら、これから一緒に旅をすることになったタカシさんですわ」

「あ、どうも」

「な、なんとお嬢様と一緒に旅をする仲間!?あのお嬢様がついに仲間を……しかし、タカシさんは見た感じ相当弱そうに見受けられますが」

「えぇ。タカシは今は弱いわ」

「そんな方とお嬢様を一緒に旅をさせるわけにはいきません」

「爺や、私は『今は弱い』と言ったはずよ」

「つまり戦えば強くなる。そうお嬢様は言いたいんですね」

老人は腰にある剣を抜いて戦闘態勢に入っていた。

「爺や、待ってください。タカシはまだ冒険者になってまだ1日も経っていません。そんな若い芽を摘むんで楽しいですか?」

「お嬢様が戦えと言ったんですよ。ですが……確かに私もカッカしすぎてたのかもしれません。この件は旦那様とよく話し合って決めさせていただきます。」

そう言って、老人はどっかに行ってしまった。

「はぁ、やっと行ってくれたわ」

「あの人、相当強いね……。見た目はすごく優しそうなのに」

「えぇ、あれでも昔は一国を任される騎士だった程ですから」

「えっ!?マジか〜。でも、何で名前を言わなかったんだ?」

「それは……爺やにも過去があるの……」

「.......そうだな。あんまり根掘り葉掘りするのは性にあわない。それより、エクレール」

「ん?なんですの?」

「その口調やめないか?」

「え?」

「んーなんと言うか、すげー苦しそうって言うかなんと言うか……。さっき僕が国士無双でアガった後と口調違うし」

「そんなこと言う人初めて……」

「そうか?でも絶対その口調直した方がもっと可愛くなると思うんだよね」

「そうかな……」

顔を隠すように照れる彼女はとても可愛かった。

「それより、タカシの能力をどうするか考えましょう」

「そうだな……とりあえずそこら辺にいるモンスターと戦って試す?」

「確かに、考えるより実践した方がいいかもね」

(あ、口調が変わってる)

「じゃあやりますか」

僕はこの森で少し自分の能力を試すことにした。

かれこれモンスターを倒し続けて1時間くらい経過した。

「あぁー疲れた」

「お疲れ様です。でも色々なことが解りましたね」

「そうだな。てか、何でレベル上がってもステ全部1なの.......?」

「フフッ、本当にタカシのステータスは面白いですね」

「あんま笑わないでくれ.......。それより、エクレールって何レベなの?」

「あ、私ですか.......」

「いや、見せるのが嫌ならいいんだけど、あんなに強そうな魔法を使える位だから何レベなのかな〜って思って」

「いや、見せるのが嫌ってわけじゃないんですけど.......」

そう言って、彼女は冒険者カードを僕に渡してきた。

「どれどれ、レベルは.......386.......?はぁ何だこのレベル??バグだろバグ!!」

「え、いや、間違いじゃないんです.......」

「え?まって、この世界のカンストのレベルって何レベ?」

「基本的にこの世界にはカンストという概念はないです。強くなればなる程レベルやステータスは上がっていきます」

「そうなんだ.......。てか、何でこのこと僕に隠してたの?」

「何か言うのが申し訳ない気がして.......」

「いやいや。逆に見せてくれない方が嫌だなぁ。だって今から2人で冒険するんだよ?そんな小さい隠し事なんて嫌だもん」

「そうですよね。逆に気を使わせてゴメンなさい」

彼女の顔は笑顔だった。

(目が笑ってない。あれは何かまだ隠してるな)

「いや全然いいよ。それより次どうする?」

「立ち話もなんですし、村に戻りましょうか」

「そうだな」

僕達は村に戻り、酒場にいく。

「さぁて次どうする?」

「そうですね.......。とりあえずこの村は冒険者を始めたての人が来る場所なので、一度王都に行って必要な物を揃えましょう」

「王都か.......。どのくらい綺麗なのかなぁ」

「それは勿論綺麗ですよ。国の中心部ですから」

「へぇー。それより、王都までってどうやって行くの?」

「確かこの村から王都行きのドラゴンが出るはずなので、それで行きます」

「ド、ドラゴン?」

「えぇ、馬車で行くと約1週間ほどかかってしまうので、少し高いですけどドラゴンで行きます。もしかしてドラゴンに乗るのは初めてですか?」

「う、うん」

(まぁ馬車もないんだけど)

「そうですか。空の旅は気持ちいいですよ。色々な自然環境も見れて」

「おぉすごく楽しそう!!早速行こう!!」

エクレールの手を引っ張り、酒場を出て進む。

「あ、そっちじゃないです」

「え?あ、そういえば僕方向音痴なんだった」

「フフッ。ドラゴン乗り場はこっちですよ」

今度は逆にエクレールに手を引っ張られる。

彼女の手はとても暖かかった。

僕は少し顔を赤くしながら、彼女について行った。

少し歩くと看板にドラゴン乗り場とデカデカと書かれた場所に着く。

「ここです!!」

「へぇ、ここか.......。何か塔みたいだな」

「この1番上からドラゴンが飛び立ちます」

そのまま中に入る。

塔の中は螺旋状の階段が上まであった。

僕達はその階段を上がり1番上まで着いた。

すると、そこには何匹かのドラゴンがいた。

(まぁ思った通り小さいな)

「いらっしゃい」

「あの、ドラゴンを1匹貸してくださいますか」

「分かりました。先に代金のほうを.......」

そんな会話をしているのが聞こえた。

「気に入ったドラゴンはいましたか?」

「ん〜、これかな」

僕が指を指した先には他のドラゴンより一回り小さいドラゴンがいた。

「本当にあのドラゴンでいいんですか?」

「うん」

(何か昔の僕と似てるなぁ。そういえばいつも教室で1人だっけ)

するとエクレールは僕にネームプレートを渡してきた。

「あのドラゴンに名前をつけてあげてください」

「.......え?何で名前を?レンタルでしょ?」

「いいえ、買いました」

「.......え、ちっと待って、いくら持ってるの?」

「それは内緒です」

しばらく考える。

「じゃあお前の名前はアインザムカイトだ」

「とてもカッコイイ名前ですね」

「.......うん」

「でも長いからカイトって呼ぶのはどうでしょう」

「いいね」

ネームプレートに名前を書き首につける。

「これから頼むぞカイト」

カイトはとても嬉しそうな顔をしていた。

「タカシによく懐いてます」

「そうか.......?」

カイトの背中に飛び乗る。

「じゃあ操作は私がします」

「よろしく」

「じゃあ行きましょう!!」

そう言うと、カイトは飛び立つ。

一気に空高くまで飛び上がり進む。

ここから新たな冒険が始まることをワクワクしている自分がいた。

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