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異世界転生、王様になろう  作者: 佐藤コウキ
第4部、王になろうとする男
198/279

第198話、情報


 皇帝との謁見会議は終わり、俺達は客間に通された。

「上手くいったぜー!」

 藤堂さんがドーンと安楽イスに腰を落とす。

「お腹空いたですぅ」

 黒い神官の衣装を着ているアズベルがソファに飛び込んだ。ドレスのような服の裾がめくれて白い太股があらわになった。

「まあ、とにかく会談は終わりましたね……」

 イスに座る王子も疲れているよう。

 俺は大理石のテーブルを挟んで対面に座った。


 客間は立派だった。

 大きくて磨き上げられたテーブルが中央に置かれ、高そうな革製のソファや安楽イス。端には仮眠用のベッドもある。

 棚には果物やお菓子、ティーカップなどが並んでいた。ワインと思われるボトルもそろえてある。


「もっと、いかつい顔をした皇帝だと思っていたが、けっこう可愛いニイチャンだったな」

 藤堂さんが天井を眺めてポツリと言う。

「でも、かなり頭の良い、したたかなキャプテン……じゃなくて、皇帝陛下でしたよね」

 俺も人物批評する。

「皇帝は政治を司り、軍事は弟のオズワルド公爵に委ねています。公爵と違って皇帝は人柄が良く、帝国民からも慕われています」

 王子が説明してくれた。

「確かに、陛下は将軍という感じじゃないな。どちらかというと政治家だな」

 藤堂さんがこちらを向いている。

「優秀な将軍だったら、マシンガンなどの武器よりも通信機や偵察用のドローンなどの情報機器を欲しがるはずだ。戦争においては情報が重要だからな」

「それは、そうですね」

 俺は藤堂さんに相づちを打つ。

 今までの戦闘経験からいって、情報の重要性は熟知している。敵が大軍であっても、いつどこに進軍してくるか、率いる将軍は有能かなどが分かれば対応は容易なのだ。

「しかし、日本を占領するとかビックリだったな」

 と、藤堂さんは苦笑い。

「でも、あの皇帝が言うと、なぜか可能なような気がしてきましたよ」

「ふーん……」

 俺の言葉に鼻息でこたえる藤堂さん。

 今の日本人は責任を他人に押しつけたいのじゃないだろうか。国内とか外交の問題を自分で考えずに誰かに背負ってもらって、後は目先の楽しみで生活をしていきたいと思っている。そんなときに全ての問題を解決してくれる独裁者が現れたならば、喜んで自由を手放すような気がしないでもない……。

「まあ、佐藤さんが日本の王様になったら、俺を自衛隊の幹部にしてくれや」

 藤堂さんが笑って親指を立てていた。


戦争において、情報は大事。

「銀河英雄伝説」で、ヤン艦隊がイゼルローンを攻略するとき、その情報が帝国に流れていたら、待ち伏せされてローゼンリッターもヤン艦隊も壊滅していたでしょう。


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― 新着の感想 ―
[一言] 藤堂さん、欲が無い。
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