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第十話『翼ネコとミリアにゃんの裏切りにゃん!』のその①

 第十話『翼ネコとミリアにゃんの裏切りにゃん!』のその①


「にゃあ、ミクリにゃん。これからどうしたもんにゃろうか?」

「聴きたいのはボクのほうさ。まさか、こんなことになるなんてねぇ」

 他のみんにゃも、わいわいがやがや。先の見通せにゃい現実を目の当たりにして、不安にゃ気持ちを抱きつつも、心のどこかでは楽しんでいるのにゃん。


《初めてヨモギ団子とのご対面を果たした際も、そんにゃ気分にゃったにゃあ》

《未知なるものへの不安と期待。誰もが多かれ少なかれ、感じているわ。

 そういえば、誰だったかしら。『お前の存在自体が不安だ』とかいわれた記憶が》


(今度こそはホワイトのヤカンにゃんが囚われている白一色の部屋へ)

 祈りにも似た気持ちでカギを回したのにゃ。でもにゃ。いざドアを開けてみれば、『いつか来た道』の二階の通路。またまた大ハズレにゃん。

(レイアにゃんのあれは幻聴にゃったのかもにゃん)

 とはいえ、がっかりばかりもしてはいられにゃい。ポジティブに、『ミッションさえクリアすれば、また機会は得られるのにゃ』と信じて再び白いドアの前に立ったのにゃ。『ようこそ、いらっしゃいませ』の丁寧にゃごあいさつも、『また来たの。しつっこいわね』の嫌味もいわずに、ドアが自動で開いたのはいつもの通りにゃん。

「今度は、緑一色の部屋だね」

「ふにゃあ」

 他に気を取られて、ミクリにゃんには生返事とにゃらざるを得にゃかった。

(どこかにカギが落ちているかもにゃん)

 ウチらは周りをうろうろ。手分けして空っぽにゃ部屋の床を丹念に調べて回ったのにゃ。

「ここにもにゃいのにゃあ」とウチ。

「こっちにもないねぇ」とミクリにゃん。

「ないわね」とミストにゃん。

「どっこにもありませんですよぉ」とミムカにゃん。

「愛はここにあります」とミリアにゃん。

「こんながらんどうな部屋。探さなくとも一目見れば判ると思うが?」とミロネにゃん。

(相も変わらず、冷めたお方にゃん)


 どこもかしくも、『ないないないづくし』にゃん。

「とにゃると、これは……」

 予想違わず。例に依って例の如くにゃ。突然、にゃんの前触れもにゃく真っ暗に。


《マンネリ気味なこのパターンからして、まさにお先真っ暗ね。前途多難。一寸先は闇》

《そこまでいわにゃくても》

《そして闇はいつまでも続いた。期待は期待でしかなかった……終わり。

 なぁんてオチだったりして》

《にゃあ、イオラにゃん。そろそろやめたくにゃったんじゃにゃいの?》

《ぎくっ!》


 そして……幕は再び開かれたのにゃん。

 どんより。

(困ったもんにゃ)

 先を見通せにゃい不安にゃ気持ち。それを見透かしたかのようにゃ薄暗ぁいお天気の拡がる景色が、ウチらの視界に現われたのにゃん。


《きゃあ! 見ないでぇ!》

《イオラにゃん。あんた、今どこに居るのにゃん?》

《あっ。そういえば透明になっていたんだわ》


「みんなぁ! 大変、大変、大変なのわぁん!」

 気がつけば、ヤカンにゃんがウチらの頭上に。うろたえている声と、あたふたと飛んでいる姿からして、思いがけにゃい事態が発生したのは火を見るよりも明らかにゃん。

「なんと! なんと! なんと!

 なにがどうしてこうなったのかは、さっぱりのぱり、なんだけどね。

 ここって……ファイナルステージなのわん!」

「にゃんと!」

「なもんで突破すれば、めでたく隠し部屋へと入ることが出来るのわん」

「にゃ、にゃんと!」

(レイアにゃんにゃ。レイアにゃんがカギを改造したからに違いにゃい)

「アタシとしちゃあ、未だにとぉっても信じられないのだけどね。でも事実は事実。ならば、受け入れるしかしょうがないのわん」

 どうやらヤカンにゃんは、この件にレイアにゃんが一枚かんでいることを知らにゃいようにゃ。もちろん、ウチとしても特に教える理由はにゃい。にゃいもんで黙っていたのにゃん。

「……ってなわけで。

 さぁさぁ。泣いても笑ってもこれが最後の最後。バニラクリームとチョコレートを心ゆくまで、お腹いっぱいになるまで、楽しむがいいわん!」

(はて? にゃにわけの判らにゃいことをいっているのにゃん?)

 問い質そうとするも、既に相手の姿はどっこにもにゃし。

(相も変わらず、お忙しいお方にゃん)


《ちなみに、どっちが好きなの?》

《ヨモギ団子にゃ》

《あんこじゃあ、選択肢にないわ。残念ね》

《そうでもにゃい。ぱくっ》

《うわっ。バニラとチョコレート。ミックスクリーム入りじゃない》

《グルメにゃもんで》


 ひゅうっ。ひゅぅっ。

 風音はするも、それほど強くはにゃい。土ぼこりにゃって、わずかに舞うにゃけ。

「ミクリにゃん、地平線が見えるのにゃん」

「殺風景な場所だねぇ。

 ああでも遊び回るのには……いやいや、もっとなんか障害物があったほうがいいなぁ」

 360度、どこをどう見回してもにゃ。黄色っぽい色の乾いた土に、丈の低い硬そうにゃ草がまばらに生えているにゃけ。にゃにゃっ広いばかりの平原にゃ。お空は、と見れば、これまた憂鬱ゆううつにゃ気分を増長させるかのようにゃ眺め。厚い灰黒の雲が拡がっていて、一雨きそうにゃ気配にゃん。

(こうしてお客さんが来ているのにゃよ。それにゃのに……)

 ウチのイライラ指数が、ぐぅぅん、と一気に上昇。堪忍袋の限界値を突破して、ついに爆発にゃん。


「あのにゃあ! お化粧一切にゃしの荒れた素肌を露出するにゃんて、一体にゃにを考えているのにゃん!」


《あら。化粧なんかしなくたって、ワタシは一生みずみすしい素肌よ》

《イオラにゃん。物議を醸し出すようにゃ発言は慎みにゃさい》


 にゃあんかすっきり。と思っていたらにゃ。横からネコ指が、つんつん、と。

「ねぇ、ミアン君。誰に憤慨して喋っているの?」

「ふにゃ? ミクリにゃん。今、ウチ、喋っていたのにゃん?」

「うん」

(心の中で叫んにゃとばかり……)


 疲れているのにゃろうか。にゃもんで焦っているのかも。興奮気味にゃのは、きっとそれが原因にゃ。ここは一つ気を鎮めにゃいと。


 ウチは箱座り。でもって、目を瞑ってにゃ。

 雑念を捨てて無念無想。無我の境地へと、いざ参らん……。


《これも捨てていいかしら?》

《それは雑巾。まにゃ使うから、洗ってとっておきにゃさい》

《ネコの雑巾がけ……どぷっ》

《にゃに鼻血、出しているのにゃん?》


「どうしたのさ? 今度は急に黙り込んで?」

 ミクリにゃんの一言で、あっさりと無我の境地から現実へ。

(まぁネコにゃんてこんにゃもんにゃ)

「にゃあんか自分が自分でにゃいようにゃ気がしてにゃ。にゃもんで、ちぃとは自制してみたらどうかと、虚空に心を置いてみたのにゃん」

「ありがちだね。まぁそうやって抑えが利くならまだ安心」

「ミ、ミクリにゃん!」

 友にゃちの言葉をさえぎらねばにゃらにゃいほど、信じられにゃい光景が目の前に。

「ふにゃにゃっ! ふわああんにゃあ! ふわああんにゃあ!」

「どぉどぉどぉどぉ」

 ミクリにゃんは暴れけものを鎮めるかの如く、前足で、がしっ、と、ウチの両肩を抑えてにゃ。

「よしよし。いい子だから、おとなしくしてねぇ。おとなしくだよぉ」

「ミクリにゃん。呑気に喋っている暇はにゃい! ほら、あんたも見にゃさい」

 強硬手段で、くるっ、と。

「あのね、ミアン君。幾ら興奮しているからってボクの顔をつかんで回さなくたって……。

 うおうおうおうおぉぉっ!」

 やっとこさ、ミクリにゃんにも状況を呑み込んで貰えたのにゃん。


《よいしょ、と。ええと、これでいいかしら》

《にゃんでウチの顔を横に向けるのにゃん?》

《ワタシを見つめる瞳が眩しくて》

《聴くんじゃにゃかった》


 景色が静から動へ。空から陸から、数え切れにゃいほどの妖体が忽然と姿を現わしたのにゃ。まにゃはるか彼方にゃのにゃけれども、土煙りがもくもくと湧き上がっていることから、猛然と突っ走ってくるみたいにゃ。まさに『風雲急を告げる』の状況にゃん。

「信じられないわ」

 呟いたのはミストにゃん。翅をぱたぱたさせにゃがら、いかにも遠くを眺めているといった感じで水平にした右手を目の上辺りに当てているのにゃ。

「にゃにが信じられにゃいのにゃ?」

「彼らの姿よ。良ぉく見て。ほら。陸を走っている茶色っぽいのも、空を飛んでいる白っぽいのも、全てがつばさネコだわ」

「にゃんと!」

「翼ネコだってぇ!」

 目をこらせば、確かにミストにゃんのいう通りにゃ。ネコ型にゃのに背中には翼が生えている。しかもにゃ。左右前後に一枚ずつ。全部合わせれば四枚もあるのにゃ。

「空飛ぶネコにゃんていたのにゃ」

「そこは驚かなくても。君だって『空飛ぶ絨毯』で飛べるじゃないか」

「ウチのは変形。化けたからにゃ。『元々の姿で』とは雲泥の差にゃよ」

「そういうものかねぇ」

「そういうものにゃん」

 翼ネコを話のネタに喋っていたらにゃ。別にゃ声が割って入っきたのにゃ。

「ふふふっ。驚いたわん?」

 上空から、『ここは出番』とでもいうように、ヤカンにゃんが声をかけてきたのにゃ。

「あれこそ、この館の最終秘密兵器『にゃんご』なのわん。

 勝敗の行方を決めるのは、知力とか霊力とかじゃないわん。全ては物量。いかに多くの兵士を投入出来るかで決まるわん!

 ……ってことで、バニラもチョコレートもたっぷりよ。健闘を祈るわん」

 またわけのわからにゃいことを最後に喋って、あっという間に姿を消したのにゃん。

「ねぇ、ミアン君。今の、どう思う?」

 ミクリにゃんは、いかにも困惑げ、といった様子にゃ。

「今のって?」

「勝敗は物量が決める、って話。まぁ確かにそういう面もあるのだろうけどぉ……」

「ミクリにゃん的には賛成出来にゃい。そういいたいのにゃん?」

「うん。一対一での闘いを所望するボクとしては、知力はともかく、霊力は強くあって然るべき、と思うね」

「知力にゃって……」

(おぉっ、と。ウチが口にするセリフじゃにゃいにゃ。いわにゅが花にゃん)


《そうね。知力うんぬんはよしたほうがいいわ。突っ込まれたら大変よ》

《良ぉく判っていらっしゃるのにゃん》

《経験者は語る、よ。思い起こせば》

《昔話はやめてにゃ。いっつも長ぁくにゃるから》

《んまっ!》


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