表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/164

第6話 おお、いきなり死んでしまうとは情け無い?



目が覚めると美しい少女の姿をした神様がいました。

俺は神様に言いました。

「……ほう、なるほど。わかりました。意外な展開ですが、あれですね。異世界で死んでから転生するという二段構えな感じですね。うーん。二度手間と思いますが新しい展開だなあ」

金髪の美少女神様は目を覚ました俺を心配そうに見つめている。

エメラルドのように綺麗な緑色の瞳だった。


「ご心配なく。生まれ変わると俺は赤ん坊になっているのですよね……やばい。じゅ、じゅ、授乳シーンとかあるのか……赤ん坊ならしょうがないですよね、ね……あ、もしかしたら幼馴染とかできたら嬉しいな……あ、体は子供頭脳は大人ですよね。どうしよう天才児現るで一気にチートライフが?! ああっ、これってチョロイン作成コースってやつですか。あ、俺ちゃんとチャーンとかバブーとか赤ちゃん語しゃべれるかなあ」

美少女神様は涙目だ。


「すいません。調子に乗ってしまいました。冗談です。すいません。今度こそチートを。通常の3倍くらいのスピードとかで充分ですから。体を赤くするのは勘弁して欲しいですが、身体能力3倍で、できれば剣技とか魔力も3倍くらいでいいんで、そこんとは絶対お願いします」

すると金髪翠眼美少女神様は俺の願いを聞き入れてくれたのか、ばたばたと走り去った。


「おお美少女神様、何処へ……って、あれ? ここどこだ? 俺はなぜベッドに寝ている。定番のどこまでも白い空間とかそういうのも無く、なんか普通の木の家だな。うん、どうみても知らない天井ですありがとうございました」

ぼんやりとした頭で考える。

俺、死んだんだよな。

さっきのは美少女神様ではないのか?


しかし、ぐっすり寝たなあ。

いい朝だ。

ベッドの上に起き上がると、体の調子がすごくいい。

なんて爽快な気分だろう。

「ふぅあぁぁぁぁあ」

彼は伸びをすると布の服を着ていて、あちこちに包帯を巻かれているのに気が付いた。


「なんで包帯されてるんだろ?」

俺は首をひねった。

ぼけっとした頭がだんだん覚醒してくる。

「あ……」

その理由を思い出して急に震えがきた。

魔物と戦って殺されそうになった。

あれだけズタボロにされたんだ、死んでるよな……

恐ろしい目、肉に食い込む牙。

突き刺した喉の感触。

痙攣する魔物の体と死。

思い出すと怖くなってどうにかなりそうだった。

俺はパニくってしまいとにかくベッドを出ようとしたが、メガネがなかった。

「メガネ、メガネっ」

どこかにおいて無いか探していて思い出した。

「あ。そうだ。俺って」

悪性腫瘍に侵されてるんだよな。


ぼすんとベッドに身を投げ出すように横たわった。

死なずに少女を助けることができたけれど、寿命が延びたわけではない。

ぼんやりと天井を見上げる。

魔物との死闘を思い出して怯えていたことがうそのように落ち着いてしまった。

また別の死への怯えが生まれただけだが。


とにかく怪我の治療を受けてここにいるのは間違いなさそうだ。

治療してくれたのはありがたいが、どうせ俺は……

俺はあきらめの気持ちでウィンドウを出した。


27才 さいだい魔力  30/30 ちから12。

器用さ14。窓変更。すばやさ11。

文字変更 人間  彩◎度 魔力5 虚<<>>実 

せいめいりょく12 

さいだい体力  72 100% 

状態:健康


あいかわらず小さくて読みにくいが、ちょっとすっきりした表示になってる。

諦観とも言うのかもしれないけど、心が落ち着いたからそれが反映されてるんだろうか。

俺は歯を食いしばってそれを見た。

自分の恐ろしい運命が書かれている表示を。


しかし。そこにあったのは――

あれ。あれあれあれ?!

状態のところを指で触る。

拡大された文字は。

『健康』だった。


え、え、え。

どういうことだ。

見間違いか?

いや、はっきり見たし、体も不調だった。


それが今は健康。

俺は起き上がった。

そうだ。どこも痛くない。力が漲っている。

階段を落ちた時の擦り傷も、魔物から受けた傷も治ってる。

気がつけば無くなっていた食欲すら沸いている。

腰もぜんぜん痛くない。

俺は健康になっているんだ。


「どうしちゃったんだ俺……」

腕を振るとウィンドウは消えた。

しばらくぼけっとしていると美少女神様――ではなくて、あの森で会った女の子が、初老の男性を引っ張ってくるのが見えた。服装はファンタジーっぽいズボンにシャツを着ている。

あの人が俺を助けてくれたのだろうか。


「あの……ここは? 俺はいったい……」

男性は深々と頭を下げてから言った。

「okai ki wanan mi dt?」

「……言葉も通じないんかーい」

再び俺は関西弁でツッコンだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ