第19話 マテウスさんの教え
剣はまだまだだけど、マテウスさんは俺に日々するべき修練方法を教えてくれた。
いろいろ検証した結果、ステータスウィンドウは俺が無意識に把握している身体状況を明らかにしているらしい。なのでアイテムやら魔法リストなどは表示されない。いまいち便利さの無い固有魔法だ……
マテウスさんはとにかく地道に修練しなさいと教えてくれた。
剣と盾と体と心。
骨や血や肉の行き先を意識して修練あるのみだそうだ。
うんぜんぜんよくわかんないんですけど?
無意識が導いてくれるとかなんとか。
達人の言葉はわからんなあ。
言葉ではなく、己が既に知ることを理解せよだそうだ。
ますますわかりません??
「剣の極意ってなんですか?」
直球で質問をぶつけてみました。
「さあなあ。わしにもわからんが。一つ言えるのは、剣とは冷静と狂気の狭間にあり」
奥深そうな言葉だ……意味はわからないけれども。
「と、このように極意などを下手に考えるよりも、必死に剣を叩き込むこと」
はい。マテウスさん。すごく分かりやすいです!
できるかどうかはわかりませんが!
「旅立つ時にはこれを持って行きなさい」
路銀に一袋分のお金を貰ってしまった。
これだけお世話になったのにお金まで頂いては申し訳ないと断ったら、あのグレイホーンウルフの毛皮を売ればそのくらいになるだろう。自分で倒した魔物だ。遠慮なく受取りなさいと。
何から何まですいません。