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第16話 今日から修行!

「ひぎぃぃぃいいい」

「まだまだ平気じゃ」

さらに背中から押してくる。

「ぎひっ」

マテウスさんの責めに、俺は股を開いておかしな声を上げている。


けして怪しい行為をしているのではない。相撲でいう股割り、足の筋を伸ばす柔軟体操をしているのだ。

「まずは体を柔らかくせんとな」

「ひぎぃぃ」

言葉は穏やかだが、力は強いし容赦が無かった。


今日から始まった剣の訓練だが、まだ剣を振るところまでいっていない。

まずは地獄のストレッチだった。

筋がぶっちぎれるかと思ったが、マテウスさんは俺に言った。


「大丈夫だ。ポーションはたくさんある」

や、薬物の乱用はやめましょう!


午前中は魔法の授業をランジュと一緒に受けさせてくれることになった。

ランジュは本格的に魔法を習えることに大喜びだ。

俺も大喜びだ。

魔法だ!


マテウスさんはランジュに説明したそうだ。

父親の願いでこのような生活をしてきたこと。

このまま暮らすのに充分な財産はある、ランジュが自由にしていい。

今後どうしたいか。

すぐに決めなくてよいのでゆっくり考えて欲しいと。


ランジュは戸惑いながらも真剣な顔つきで考え込んでいたが、すぐには分からない、考えてみると。

ただ、今はもっと魔法を習いたい。村にも行ってみたいと言ったそうだ。


ということで俺も一緒に魔法を教えてくれることになった!

ランジュはすでに生活魔法はいくつか知っているので、本格的な魔法を。

俺は簡単な呪文から習う。


生活に使う魔法。

例えば、小さな種火を起す魔法でも俺にとってはすごい魔法だ。

水を生み出す魔法もな。


剣も魔法も教えてくれるマテウスさんに感謝だ。

もしかしたら、科学知識を応用してすごい魔法を生み出して「魔術士会に革命をもたらす鬼才現る!」なんてことになったりして。

「俺の魔法Kakeee!」ができるかも。


マテウスさんは教えるとなれば徹底的にするタイプだった。

魔法の概念や仕組みなどの基礎を詳しく説明してくれる。

ちんぷんかんぷんな内容だったが、時折、実際に魔法を使ってこんなことがあったとか昔話をしてくれる、それが面白い。


ランジュは優秀だ。

普通は数ヶ月かかるような上級魔法の発動も、あっさりと成功させて見せた。

説明を聞いて、呪文を唱え、指先から小さな炎を生じさせると、動かしたり大きくしたりと自由にコントロールしている。


それって、俺の役割じゃ……

初見で凄い魔法を使いこなし、「なんという才能だ!」と驚かれるみたいな。

はい、もうわかってます。

俺がランジュに言います。

「すごいぜ、始めてでできるなんて、なんてランジュはすごいんだ!」

ランジュは褒められて嬉しそうだ。

だが、ここで慢心しないように教師であるマテウスさんが、その調子で頑張るんだぞみたいな言葉をさあどうぞ!

「すごいぞ。ランジュ。さすがわしの孫!」

あれ。マテウスさんって孫には甘いタイプだったみたいだ。


俺の方はさっぱりだった。

初歩の初歩である生活魔法ですら覚束ない。

魔法って激難しいぜ。

そうだと思ってたけども。

気長にいこう……


マテウスさんは教科書として、日常生活で使える便利な魔法の本をくれた。

高価なものではないかと遠慮したが普及品だそうだ。

本の中にはちょっとした怪我治しや毒消しの魔法などが書いてあった。

すごいなあ。これは便利だぞ。

元々魔力も低いし素質も無いけど生活に便利な魔法は覚えたい。



「おにいちゃんいってきまーす!」

そしてランジュは村へ行くマテウスさんに一緒についていくことになった。

村の学校で学ぶのだ。


「若い男子と暴れ馬とかにはお気をつけあれ!」

若い男と車には気をつけろと言いたいのだが、車はないだろうからこうなった。

「はーい!」

よく分かってないみたいだけど、ランジュが笑顔でマテウスさんと出かけていく。

マテウスさんも嬉しそうだ。


その間に俺はランニングとトレーニングだぜ。

トレーニングの締めは、川の水で汗を流す。

心地よい。

天然水だからな。


はやく水を生成する魔法が使えるようになりたいです……

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